「いい会社」とは何だろう?
究極の課題を改めて考える。
「掃除をするといい会社になる!」
そんなこと言われてもね…余裕のない会社がそれを信じてやるには、
相当な覚悟がいるんです。
でもたぶん、あると思う、
「解明されていないプロセス」が!
元人事部長として、膨大な経験をしてきた僕が思う究極の課題に対する答えとは?
「いい会社」とは?
見学に行った「いい会社」の共通点
僕は10年以上前から、ずっと「いい会社」について勉強しています。
答えはないのかもしれない。
それでも、多くの人がそこを目指せる道標が欲しいと思う。
勉強している中で、何度か「いい会社」と言われる会社を見学に行きました。
そこで僕が感じた共通点は
いい会社の共通点
- 人の雰囲気が柔らかく、穏やかな空気。
- 職場が小綺麗で清潔。
- 無駄な物がなく、よく整頓されている。
- 毎朝、社員・アルバイト全員が掃除をしている。
- 掃除のレベルが異常に高い。
目に見えて感じられるのはこのぐらいですが、
毎朝全員で掃除をしているという共通点に驚き、不思議で仕方ありませんでした。
掃除のレベルが異常というのはどのぐらいかというと…
毎朝、席替えをする。
だから常時私物は最低限しか持っていない。
どこに移動してもすぐに仕事が始められるように準備ができている。
と、これはまだ序の口かもしれません。
庭を重機でいじり始める。
これにはもう衝撃。
駐車場の車はすべて向きが整っているし、まさに異常です。
でも強制されている様子はなく、社員はみんな幸せそうなんです。
未だ言語化されない「雰囲気」の謎
この「雰囲気」の正体が知りたいと思っていました。
それを知って自分の会社も「いい会社」にしたいですから。
とにかく空気が心地いい。
笑顔があって、受容があって、効率がよくて、生産性が高く、利益が上がっている。
だけど、
その会社の人になぜなのか聞いても、答えは出てきません。
これが難しいんです。
本当の強みは、「言葉にならない」部分にあるようです。
あまりに複雑なのか、遠いのか、
そのプロセスは意識されずに実現されている。
だから他社には真似ができないんですね。
経営者の思いに答えはあるはずだが、細部まで言語化しているものには出会ったことがない。
ポイント
普通は、「受け入れられない」プロセスしか言語化されていない。
掃除が利益に繋がるなんて思えないし、すぐに結果も出ない。
一時期やってみても、やめてしまう会社の方が多い。
意味があるのか分からないものを「信じてやり抜く」会社は本当に一握り。
人間の活動の原点
そこで、「掃除」に的を絞って考えてみました。
なぜ掃除をするといい会社になるのか。
場を清め、物を整える
場を清め、物を整えよ。
さすれば心が清められ、心が整っていく。
どうですか?
これだけ聞いて、めちゃくちゃモチベーションの上がる人はいますか?
目が覚めたように信じ切れる人がいるでしょうか。
そもそもなぜ、人間は「綺麗」「清潔」がいいと感じるのか。
なぜ「汚い」をいいと思わないんでしょう?
物がたくさん溢れかえっていた方が、所有している感覚で嬉しくなってもおかしくないのでは?
考えた結果、僕はこう思っています。
「おそれ」を無くしたいんだ。
「おそれ」るものとは何か?
生存本能を脅かすもの。
敵意、怖い危険なもの、ウイルス、お化け、などなど。
- 目に見えないもの
- 掴めないもの
- 理解していないもの
- 知らないもの
- 自分を傷つけるおそれのあるもの
掃除をしていくと、隅々まで埃を取る。
手の行き届かない場所がなくなる。
すべてが見えるし、分かる。
埃を吸い込むおそれも消える。
害のある菌が繁殖する可能性が低くなる。
自分を傷付けるおそれがあるものを排除している。
別の言い方をすればこうです。
掃除をすることで、安心を得ている。
自分のことは自分でやる習慣
それから、掃除を習慣にすると「自分のことを自分でやる習慣」が身につくと思いませんか?
身の周りを整える。
生きるのに必要なものに絞る、整理。
必要な物を必要な時にすぐに使えるように整頓。
こうして自分で生きていく手段を獲得する。
大げさに聞こえるかもしれませんが、原点はここだと思います。
例えば上司が、掃除をしない。
なぜか?
めんどくさいからですね。
掃除は部下がやることだと思っている。
この上司は自分のことを部下に預けています。
部下がいなくなったら部屋は汚れ、物は散らかり、仕事の環境が整わなくなってしまう。
つまり、自分のこと全部を自分でできない人間。
一度面倒な仕事から逃げると、後が大変ですよね。
そして掃除をするときは、考えることが必要です。
どの道具を使えばいい?
どのぐらいのスピードでやれば午前中に終わるかな?
これはあっちに置いた方が効率がよさそうだぞ。
違う洗剤の方がよかったな。
これは年に1回しか使わないから捨ててしまおう。
考えて結果が出て、また振り返って思うようにやってみる。
小さなPDCAが回り、小さな成功体験を積み重ねていく。
積み重ねた成功体験は「知恵」となり、
考えれば「何でもできる」という思考習慣をつくる。
社会人に一番必要と言われる、「主体性」のもとになります。
逆これができないと、すべてやり方を支持されないと動けない習慣が脳に出来てしまう。
自信はなく、受動的な態度になってしまいます。
僕の部署では、毎朝「即実行トレーニング」というものをやっていました。
内容は簡単。毎朝何かひとつ、整頓・もしくは整理をするだけです。
すると、少しのことはすぐに手を付ける「行動力」が身に付くし、考える力・知恵もついてきました。
「めんどくさい」と思う基準が、どんどん高くなっていきます。
改めて「いい会社」とは?
改めて「いい会社」とは何か言うならば、この2つが言えると思います。
- めんどくさいことが当たり前に出来る集団
- 幸せを感じやすい「おそれない集団」
めんどくさいことが当たり前にできる集団
ちょっとやそっとなことでは「めんどくさい」と思わない。
「やったほうがいいかな?」と思ったらすぐにやってしまう。
同じ時間働いても、数倍の業務量をこなしている。
当然生産性は高くなる。
元も子もない話をすると、
いい会社と普通の会社の違い。
いい会社の人は頑張っている。
普通の会社の人は楽して稼ごうとする。
だけど、いい会社の人達は“頑張っているつもり”はない。
平常運転のレベルが高いんです。
掃除と同じように、平常運転のレベルが高い。
幸せを感じやすい「おそれない集団」
「おそれ」が少ない。
「なんでも出来る」と思える。
知らないことが少ない状態。
絶望することもなく、愚痴を言うこともない。
知恵による成功体験で、生きていく力「主体性」を持った状態。
僕が見学の時に感じていた心地よさ。
それは、その会社にいる人たちの笑顔やナチュラルさ。
心から安心していて安らいでいる。
かつ仕事の手を抜くわけでもない。
おそれず自信を持ち、
仕事のやりがいを感じる。
幸せを感じやすい環境を自ら作り出していると思いました。
これはきっと、会社が用意してくれたものを享受するだけでは到達できない環境です。
働く人たちがナチュラルでいられる。
自分を飾る必要もなく、偉そうにすることも、主導権をとる必要もない。
それは「おそれ」をなくすことから始まるのではないか?
掃除にはその力がある。
小さな「おそれ」をたくさん取り除く。
すべてはそこから始まるのかもしれませんね。
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