定年は必要・不必要

会社で起きる問題

【定年制】の『必要・不必要』をキャリアコンサルタントはどう見るか

定年制の必要・不必要についての話題を見つけたので、元人事部長キャリアコンサルタントとして思ったことを書いていきます。

形だけ残しているより、働くことや社会で生きることをもっと真剣に考えた方がいいのかもしれませんね。

あなたはどう思いますか?

【定年制】必要56.2%、不必要43.8%について

「全国の男女20~60代1100人に聞いた」という情報だけなので、この数字の正確性や意図は分かりません。

しかし、おおむねそんな感じなんじゃないかなあと思います。

 

正確には、

「必要」「どちらかといえば」…56.2%

「不必要」「どちらかといえば不必要」…43.8%

なので、“意思を持たない人”の存在も多いのではないかと思います。

 

つまり多くの人が、『わりと、どうでもいいかな?』と思っているんじゃないかと。

 

人事をしていた僕から見ると定年制度はただのお飾りで、“生産性が落ちたときに辞めさせやすい制度”と思っている社長は多いでしょう。

だけど実際は辞めさせないといけない時は辞めさせるんですよ。

“体が動かなくなった”なんていったら契約が成り立たないので、定年どうこうは関係ない。

人事が考えるのは、降格や給料カットなどの生産性どおりに配分する仕組みや、年齢を重ねても成長を続ける仕組みなど。

活躍できる人には、定年後も継続雇用をお願いします。

一律に辞めさせる・辞めてもいいなんて、他に考えることが山ほどある人事にとっても割とどうでもいい話です

 

キャリアコンサルタントとしての僕からすると、あってもなくても個人がやることは変わらないべきだと思う。

定年を意識してしまうと「ここまでやればなんとか生きていける」という“実体のない目標”を描いてしまいます。

しかし実際はその後何十年も活きるわけで、老後にウン千万というお金が必要ともいわれている。

それに、定年が何歳になるかなんて、分かりっこないんです。

たとえ義務化されても、それが出来る出来ないは会社によりますから。

それは会社の都合があるので、個人がとやかく言える問題ではないと思うんです。

不確実なものを目標にするのは、キャリアコンサルタントとしては避けてほしい

 

まとめて言うと、

定年制度は大雑把すぎる。社長の自由にすればいい。

という感じですね。

 

未来型ワークスタイル

働き方の自由化

例えば、定年を導入する・しないは会社の自由でいいと思うんです。

それが40歳でも、80歳でも、会社の思いを実現するために在ればいい。

それを国ですべて一律にしようとすると、どうしても形骸化してしまいます。

 

今までは定年制度があることで、“長く安全に”働いてもらうことができたかもしれません。

“余生を年金で過ごす”という幻想があったかもしれません。

これが現実的か?というと、どうしても時代に逆行している感が否めないですよね。

 

ひとつの形で言うと、80歳まで雇ってくれる会社はないから、個人は専門性を高めていき、一人が数社と専門分野のみで契約ができるようにする。

現時点でいうフリーランスのような働き方が主流になる社会など。

これをハローワークのキャリアコンサルタントが仲介してやったっていいじゃないですか。

求人広告費もかからず、自由度の高いマッチングシステムがあって、企業側も“社員を囲う”という競争から逃れられれば。

 

今でさえ、会社機能をアウトソーシングする会社は増えています。

これの進化版で、働き方がもっと自由化してもいいと思うんですよね。

 

もしも原始時代で、年老いていく長老たちが村にいて、まだ体が十分に動くなら、たぶん“できる仕事”を割り当てる。

それを国単位でやってもいいですよね。

公務員で括らないで、誰でも出来ることは誰かの生命線にしてあげるとか。

 

なんにしても「定年をどうこうしよう」という問題ではないと思っています。

 

ベーシックインカム

みんなが定年後に期待しているのは、“ベーシックインカム”です。

だから定年まで頑張って、その後はゆっくり過ごそうという思考が根付いていました。

 

これが今後は難しい。だからこそ定年も伸びる。

だったら、いっそベーシックインカムを全国民に少しでも適用出来れば、働き方はさらに自由化して雇用の流動性も高くなる

“仕事を途切れさせてはいけない”という鎖を断ち切ることができるんです。

 

どうしても社会は、「月収・月払い」で回っています。

「今月の収入」と言うのが大事なんですよね。

例えばこれを全て“年で考える”ようにしたら、たぶん働き方は変わります。

 

ベーシックインカムと言っても、たとえば“夏の間はハワイで過ごす”という生活が可能になる環境のようなものです。

このような「個人の主体でキャリアを考える」ことが大切だと考えます

「会社にずっと所属していること」が安定ではなく、

「社会に価値を提供し続けること」が安定

というパラダイムシフトですね。

 

スポンサーリンク

 

『ここまで』は誰が決めるのか

ということで、個人にとって「ここまで働く」という時期は自分で決めないといけない

会社では、会社で働いていられる年齢を決めればいい。

 

それを見て個人は自分のキャリアを考えればいいわけで、一番存在してほしくないのは『実態のない定年』です。

変な取り決めが国にあるせいで個人のキャリアを考えられなくなる危険が増えてしまうなら、定年は自由化させたほうがいいのではないでしょうか。

 

だから今回のような「定年についてどう思いますか?」と聞かれても、個人は「それはどうでもいいです。いつまで働くかは自分で決めるので。」という答えが一番いいのかもしれませんね。

 

 

一緒に勉強しましょう!

オンラインサロン・メンバー募集中→『つくば親と子のキャリア教育アカデミー』

つくば親と子のキャリア教育アカデミー

 

  • この記事を書いた人
  • 最新記事
プロフ切り抜き3

宮内 利亮

《『ココナラ』のキャリア相談実績No.1》 はたらく悩みを解決! 【国家資格キャリアコンサルタント×元人事部長×特性分析アソシエイト】 宮内 利亮を詳しく知る⇒下の「キャリアコンサルタント宮内利亮について」からどうぞ

-会社で起きる問題

Copyright© ヒカリカタ!あなたの町の人事屋さん|元人事部長キャリアコンサルタントによる・働く悩み応援サイト , 2024 All Rights Reserved.