仕事を探している障がい者の方に向けて、障がい者雇用に関する会社の取り組みについて書いていきます。
僕は中小企業で障がい者雇用をはじめた経験があります。
入社して人が長く続けられるために、様々な取り組みを行ったので大事だと思う部分を紹介します。
障がい者の就職は、会社の環境をしっかりチェックすることから始まります!
この記事は
- 障がい者雇用をはじめた中小企業が行った取り組み
- 自分にはどんな環境が必要か考える
ご家族とのコミュニケーション
まず入社前から“ご家族とのコミュニケーション”は大事でした。
特に発達障害・知的障害の場合は、ご家族はとても心配されますよね。
注意
職場で直接教育や指示を担当する人と、すぐに連絡を取れる状態にすること。
互いに不安なことや誤解をうやむやにすると、本人が一番苦しむことになる。
例えば家庭で何か嫌なことがあった時に、気分が落ちていることがあります。
「どうした?」と聞くと、よく話してくれる。
しかし、ここで会社はよく誤解をして捉えてしまいます。
逆も同じです。
会社で「無視をされた」「怒られた」という話を家庭でする。
でも、実は本人が敏感なだけということがよくあります。
会社が勉強不足なのは間違いありませんが、多くの人がいる会社で全員が適切な行動を取れるわけではない。
見ていない以上は分からないから、誤解を生まないため、本人を適切な方へ導くためにご家族とのコミュニケーションが必要です。
障がいに関する勉強は絶対
僕も何度もセミナーや勉強会に参加しました。
精神・発達障がい者の「しごとサポーター」でもありました。
障がい者雇用に関する情報は会社に持ち帰り、社長や管理職全員に共有します。
職場となる事業所に関わる人にはすべて、直接伝えに行きました。
会社がどのぐらい“勉強熱心か”を感じ取りましょう。
勉強をしていれば多少の専門用語などは通じるはず。
また、障がい者に対する教育の仕方なども心得ています。
障がい者雇用については、ハローワークが各事業所に“催促”をしています。
残念ながら、“やならければいけない”からやっている事業所もある。
そういった場合は環境が整っていないことが多い。
教育の進め方やコミュニケーションの取り方を会社側が心得ていることはとても大事です。
それは勉強をしている量に比例する。
ポイント
「障がい者職業生活相談員」や「しごとサポーター」が選任されている会社が望ましい。
障がい者雇用するなら定期面談は必要
定期的な面談をしているかどうかも確認したほうがいいと思います。
何かあってからの“不定期”ではダメ。
何もなくても時間を取ってくれている環境がいい。
定期的な面談であれば、面談に向けて言いたいことをゆっくり整理したりできます。
さらに、こういったコミュニケーションを楽しみにしてくれるようになります。
面談とは、評価や課題を伝えるものではなく「最近どう?」というオープンな会話ができる面談です。
ある程度時間もゆっくり取った方がいい。
時間が短いと、「特に何もないです」で終わってしまいます。
雑談を含めた日常会話の中から自然と考えていることを言ってもらえるような時間がいいですね。
また、面談はご家族や施設の方とも繋がりのある人がした方がいい。
本人の置かれた状況を一番理解してあげている人の存在が、安心感を与えます。
ポイント
本人がオープンに話ができる環境はあるか、どんな人がコミュニケーションを取ってくれるのかを確認しましょう。
発達障害の子と交換日記
発達障害の子とは、交換日記をやったことが効果的でした。
就業時間の終わり15分を、日記を書く時間にしていました。
今日できたこと、できなかったこと、不安に感じたこと、相談したいこと。
内容は職場や障害によって変わっていいと思いますが、ご家族も職場の人も全員が見るものにしたほうがいいと思います。
本人はとても楽しみにしてくれていて、毎日ウキウキして日記を持ってきてくれました。
似顔絵を描いてくれたりしたのも覚えています。
特に、話すより書くことが得意な人には効果的。
僕も、その子には交換日記を始める前に確認しました。
「書くほうが得意だったら、日記とかどう?」って感じです。
で、やってみたらすごくよかった。
注意
ただし、ちゃんと会社の人が返答してくれないとダメ。
毎日でなくても、一日一言でもいいから、そこにしっかり時間を割いてもらえること。
ポイント
交換日記はかなりおすすめ!
これができる環境が職場にあれば、相当熱心に向き合ってくれているはずです。
人に合わせた給与・評価制度づくり
これは統合失調症の社員が転職してしまった原因にもなりました。
注意
活躍できたとしても、給料が上がる仕組みが整っていないと将来性を見失う。
今後を考えると当然だけど、障がい者雇用の給料は全体的に少ないのが現状。
ダイバーシティが進み、活躍した分だけ対価がもらえる環境がある会社が理想。
僕がいた会社では、面談の中でこの問題に当たりました。
しかし、給与や評価を変える仕組みはなかなか整わない。
そうこうしているうちに、本人にはタイムリミットが来てしまう。
障がい者雇用の場合、長く働く可能性が高いと思います。
であればなおさら、長期的な目線で会社を選ぶことが大切。
「とりあえず働けるところで」ではなく、多様性を受け容れようとしている会社を探す。
ポイント
ダイバーシティとは、多様性を受け容れることです。
色んな人がそれぞれの色で活躍する。
これは障がい者雇用に限ったことではありません。
今までの画一的な常識を変えてここに取り組む会社にこそ、明るい未来があります。
今現在、会社に制度が整っていることが一番。
そうでなくても、柔軟性があり、様々な属性の人が働いている会社がいいと思います。
就職活動をする時、面接などではしっかり自分の特徴を伝えられること。
もしくは施設の人やご家族に伝えてもらうこと。
自分のことは隠さず、受け入れてくれる環境を求めていきましょう。
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