「ウチにはしっかりした理念があるのに、なぜか社員のモチベーションが上がらない。」
そんな時、理念が絵に描いた餅になっている可能性がある。
そうなってしまう原因は、理念の“見せ方”にある。
ただ未来を見せるだけではダメ!
理念は『柱』で見せる。
『理念』だけでは絵に描いた餅になる理由
「理由」なき理想
「理念が“絵に描いた餅”になっている。」
会社の問題としてよく言われることです。
この原因は会社の体制や取り組み、それぞれの一貫性など様々あるが、そもそも最初から“見せ方”がマズイ場合がある。
『平面』で見せているから『絵』になる。
そのまんますぎるんですが、紙に書いたような平面で見せているから、それは薄っぺらいよねということです。
もちろん物質的な話ではない。
『未来だけ』『希望だけ』『望みだけ』を見せることは、平面的なんです。
それでは本質を捉えられない。
つまり、“理由”が必要なんです。
理由の延長線上に理念があるから初めて、社員は自分と重ねてみることができたり、歩む場所を特定できたりする。
立体的でないと“ベクトルが生まれない”んです。
問い「どうして?」への答え
例えば誰かが「○○したいんだ」と言ったら、「ああ、俺も俺も!」とすぐ返す人がたまにいます。
まだ“理由”を話していないにも関わらず、上からかぶせる形になる。
このコミュニケーションがなぜ気持ち悪いかとうと、『ホントに意味分かってて言ってんの!?』となるからですね。
早とちり、拡大解釈、過小評価、漠然、思い込み。
いろんな相違がまだ存在しているかもしれないのに、勝手に終わらせようとしてしまう。
人に興味がないからかもしれないし、“めんどくさいから”かもしれません。
友人とのコミュニケーションだったら問題ないかもしれませんが、会社と社員なら話は別です。
理念を「早とちり、拡大解釈、過小評価、漠然、思い込み」されていませんか?
人それぞれの回答を、勝手に持ってしまっている。
ひとつの太い柱であるはずの理念が、何本もの細い糸になってしまっているということ。
これを回避するには、
「○○したいんだ」に対して、「どうして?」と聞くことですよね。
その理由を聞いて、深いうなずきと共に理解をしていくものです。
スポンサーリンク
軸を与える『原点』
『原点』=『衝動的想い』
だから理念は、平面ではなく立体。
始まりの点、原点から見せていく。
これ、あくまでも点です。
この一点がなかったら、今の会社はなかったという原点のことです。
衝動的に得たなにかしらの『想い』から始まっているはずなんですよ。
(そもそもそれがないということは、薄っぺらいということ)
よく、理念を想いと表現している場合がありますが、僕にはどうもしっくりこない。
理念は未来にあり、未来に対する気持ちは『願い』だと思うからです。
つまり、
『想い(原点)』→「歴史」→『願い(理念)』
という連なり。
この一本の連なりを見て、社員はようやく“本当の理念”を捉えるわけです。
なぜこの会社が始まったのか、この会社が向かっている所はどこなのか?
今はどのあたりを走っていて、何をしなければいけないのか?
何をすればいいかが分かれば初めて、“主体性”も生まれてきます。
会社は未来をつくるためにあるので、どうしても未来の事ばかりを語りたくなります。
でも社員が知りたいのはそれだけではない。
「いつ、だれが、どんな想いで、何をはじめたの?」
「ああ、昔は大変だったんだな」
「今の環境はとてもありがたいな」
「この人の想いにとても共感するな」
「社長も昔は自分と一緒だったんだな」
そうやって原点を知ることで、じわりじわりと会社と自分が一致していく感覚を得ていきます。
会社の原点を知る人間と知らない人間では、10と100ぐらい理解度が違うと思っています。
理念は『柱』で表現する
『軸』を示すイメージです。
「会社の軸はここにあるけど、寄ってきてくれるかい?」と。
それぞれに思い思いの場所で動くのではなく、「同じベクトルの中でやっていこうよ」と。
ベクトルとは、原点から始まった流れが、過去にどこを通ってきて、いまどこを通っていて、未来のどこを目指しているのか。
未来だけ見ていたら、出発点が違うからベクトル(矢印の方向)はズレる。
これが原因となって、「なんだかみんなまとまらないなあ…」となってしまうんですね。
まさに理念は、平面の絵で見せれば絵になってしまうということです。
本当はその裏に、計り知れない想いや苦しくても通ってきた道があるはず。
それらを自己開示し、立体的に『柱』で見せることで、社員は本当の姿を捉えてくれます。
創業からを振り返ってムービーをつくったりするのもいいでしょう。
ホームページに載せているだけでは、なかなか伝わりません。
社員は「どうして?」なんて聞いてくれないですから。
もっと積極的に会社の歴史をさらけ出すこと。
意外なほどに社員が理解を示してくれるのが分かるはずです。
オンラインサロン・メンバー募集中→『つくば親と子のキャリア教育アカデミー』