企業では相変わらず【離職問題】が大きいですね。
特に中小企業では人材の流出が激しい。
離職を防ぐ方法は、条件を良くしたり給料を増やしたり“お金がかかること”ばかり。
だけど、「それでも辞めるんだよなあ…」と悩んでいる経営者の方も多いはず。
条件を良くしても、マイナスの領域を抜け出すだけでプラス領域にはなりません。
僕が人事の時に意識していた、“辞めづらくなる”方法がこれです!
「思い出」は離職を防ぐ
「思い出」づくり。
これ、本当にバカにならないぐらい効果を発揮します!
「辞めようかなあ」と思った時に、ふと楽しかったあの時を思い出す。
「もう少し頑張ってみよう」に変える思い出をつくってあげること。
では、どんな思い出が効果的なのか、僕の経験上「ベスト3」を紹介します。
【辞めたくない3位】良い仕事をした時の思い出
- 何か大きな成果を上げて貢献した。
- みんなの前で表彰をされた。
- 上司からすごく褒められて、社員の手本として紹介された。
こんなこと、ありませんか?
大きな「成功体験」として、ずっと心に残るような出来事。
「良い仕事をしたな!」と思えることは、また次の成功の希望を与えてくれる。
それこそ一生ものの思い出になりますね。
その体験ができた会社ですから、特別な会社です。
ポイント
“みんなの前で”がポイント。
一瞬で自尊心が満たされて、喜びがあふれ出ます。
「またそういう体験がしたいな」と思ったら、離職を防ぐばかりか自立して動いてくれるようにもなります。
褒めるべき仕事は見逃さずしっかり褒める。
これは上司の腕の見せ所です!
【辞めたくない2位】イベント・社員旅行の思い出
社員旅行は思い出のかたまり!
「また来年も行きたい」と思えるような思い出の宝庫ですね。
ただし、研修旅行のような“縛られた”旅行になってしまうと、その辺で飲むのと変わらなくなってしまいます。
せっかくお金をかけて旅行に行くなら、「楽しい思い出」にしてあげないと効果半減。
旅行に行かせる会社の態度は「慰安旅行」のように労ってあげる形だと、社員はとても感謝してくれます。
旅行に行った時の上司の振る舞いなども大事ですね。
それから、イベントも色々あります。
- 運動会
- クリスマス会
- ハロウィンパーティー
- ボランティア活動
などなど。
ポイントは、やはり社員にとって嫌なものにしないこと。
強制で一発芸をやらせるとか、運動が嫌いなのに走らせたりとかはしないほうがいいですね。
ボランティア活動などは、社外に出てプレッシャーを感じることなく楽しく取り組めて、社員同士で思い出も作ってくれるし会社のイメージアップにもなるのでおすすめです。
【辞めたくない1位】くだらないことの思い出
僕の実感で、ダントツの1位がこれです。
くだらないことが最高の思い出になる。
何気ない仕事の中で。
休憩時間や昼食の時。
何気なくやり取りして笑ったこと。
ふとした瞬間に思いついた面白いこと。
お金をかけて大きなイベントをするよりも、社員同士の普段のコミュニケーション量を増やす方が「くだらないこと」が生まれやすい。
無駄な時間と思って削ってしまったら、離職が増えてしまうかもしれません。
この「くだらないこと」は、普段は意識していません。
だけど、「辞めようかな」と思った時に頭をよぎる。
「楽しかったなあ」と。
目に焼き付いた誰かの変顔かもしれないし、大笑いしながら上司のモノマネをしたことかもしれない。
仕事以外で楽しめた時間が、会社への愛着を生んでくれます。
それは会社の雰囲気として感じることになり、社員が会社を好きになる要因にもなるんですよね。
共通の体験を生む
社員の離職を思いとどまらせる。
そんなにお金をかけずにできることもあります。
「共通の体験」を生むこと。
同期と
新入社員のうちに思い出をつくることはとても大切。
入社してすぐ感じる会社の雰囲気であり、人生でたった一度の同期との思い出です。
多少“くさくても”いい。最高のシチュエーションをつくってあげましょう。
合宿なんかは最高ですね。
ただ合宿するだけでなく、いくつか“山場”をつくってあげましょう。
僕はよく、「ミッション」という名のもとに新卒同士で考えさせて色んなことをやってもらいました。
「自転車で全店舗を回って挨拶する!」とか
「全員が一発で3ポイントシュート(バスケ)を決める!」など。
研修という名目で、やっていることは思い出作りです。
何年もやっている僕ですらすごく楽しかったし、絶対に忘れません。
上司と
離職を防止するなら、上司との良い思い出を意図的につくるといいと思います。
とてもいい制度だったなと思うのは、「食事ケーション」です。
【食事ケーション】
上司と部下が食事に行く。
お金は会社が出してくれて、どこに行くかは自由に決めていい。
毎回同じところには行かないので、色んなお店に行く。
普段話せないことまで話せるし、次の日は「美味しかったね~」など話題になる。
(上司は説教を言わないようにとか気を遣わせないようにとか、配慮は必要)
食事に行かなくても出来ることはあります。
例えば、一緒に休憩する。
たったそれだけのことを、毎日積み重ねてみましょう。
何も意識しなくても、ただ同じ時を仕事以外で過ごす。
何かしらの思い出が必ず生まれることになりますよ。
コミュニケーションは質より量だということが分かると思います。
仲のいいメンバーと
それから、同期・上司以外でも触れ合いたい人と触れ合える時間を与えてあげましょう。
気の合う人、合わない人は、残念ながら存在します。
気の合う人と触れ合えない環境だと、ストレスが溜まってしまいます。
下手に「同じ部の人と親交を深めなさい」とか「好き嫌いするのが悪いところだ」などと言ってしまうと逆効果です。
人の合う合わないは、ある程度仕方ありません。
どうしようもないことをどうにかしようとするのではなく、意図的に“思い通りになる”時間も与えてあげることです。
屈託なく笑える場面をつくる
すべての場面において、意識してほしいのがこれです。
心から笑える場面を提供してあげる。
素の自分を出せる時間が会社の中にある。
これはとても貴重なことです。
会社を辞めようかと考えるとき、人は離職した場合のリスクも考えます。
「辞めると何を失うんだろう」
楽しかった時間。
屈託なく笑えたこの環境を、本当に手放していいんだろうか?
いい人たちに囲まれ、幸せだった記憶。
思い出すのは、笑っている誰かの顔やその時の自分の気持ちです。
『笑顔』をふんだんに社内で咲かせる意識。
“ただ楽しいだけ”の時間に、実は大きな価値があるんじゃないでしょうか。