昨日に引き続き、僕にできることを考えてみます。
中小企業として成長していく上で必要な項目がたくさんある。
必要とはいえ、実際にすべて取り掛かるのは難しいので選ぶことにはなるが。
今まで受けてきた研修や、導入したコンサル。
そこに自分とチームと会社の成功体験・失敗体験。
エマジェネティックス・アソシエイトとしてのチームづくり、個性づくり。
そしてキャリアに関する理論、カウンセリング技術や個人の活かし方。
自分自身がずっと会社で実践してきたからこそ、包括して良しも悪しも知っている。
少しリアルを理論上に当てはめて整理してみます。
前回の記事はこちら
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『キャリア』独自能力で利益を。自覚集団へ【中小零細企業の成長①】
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【自社理解】会社の自覚・キャリア形成
『キャリア形成』というのは、おそらく伝わりづらい。
『自覚』と言ったほうがいいかもしれない。
キャリア形成における2軸の自覚
2軸の自覚
【横軸の自覚】
今現在置かれた状況、自分の特性や強み・弱みに対する自覚。
【縦軸の自覚】
過去・未来への自覚。自分はどうなりたいのか、どんな趣向があるのか。
会社=人の集まり
会社すべての人の自覚を促すことが、会社の自覚と捉える。
さらに会社の“人”を大きく3つに分ける。
社員 管理職 社長
[自己理解]社員の自覚・キャリア形成(社会性・主体性)
社会性
主に横軸の自覚によって高まる。
- 他者から見た自分はどう映っているのか。
- 学生と社会人の違いは何なのか。
- 自分の能力はどうなのか。
- 自分の特性は何なのか。
謙虚さやコミュニケーション能力の向上が期待できる。
足の引っ張り合いが起きない土台を築く。
意外とこのロスを減らすだけで利益は生まれる。
向上方法例
セミナー形式(お金を頂く自覚、学ぶ自覚等)、ワーク形式の集合研修(各コミュニケーション系、自己管理等)、個別カウンセリング、適性診断テスト
「気づき」重視
主体性
主に縦軸の自覚によって生まれる。
- 自分は何をしたいのか。
- なぜこの仕事をするのか。
- なぜこの会社に所属するのか。
- 何を目指すのか。
主体性が生まれれば、目標を目指した仕事をするようになる。
業務改善、利益向上、生産性向上が期待できる。
仕事が楽しくなる。
向上方法例
個別カウンセリング、社長・会社理念との想いの擦り合わせ、横軸の確認、目標管理プログラムによる成功体験
熟考を促す。役割意識を促す。
自己の確立(理論上のスタンス)
「アイデンティティ」とも言うもの。
ある程度成長した後でも、「なんでこんなことしてるんだろう?」と我に返る
社内で活躍していても、“自分がまだ何か充実していない感覚”で退職してしまう人がいる。
「心理的な成功」を得られないからだ。
アイデンティティが拡散すると、混乱・孤立・停滞・絶望の順に各ライフステージで心理的危機が訪れる。
故に会社の生産性は落ちる。
これは磨けば磨くほど光り、充実感を得やすくなる。
仕事の達成感や与えられた役割などの経験と、縦横の自覚で醸成されていく。
社内が明るくなる。
アイデンティティを確立した社員集団を目指す。
アイデンティティが確立されると、忠誠心が生まれる。
会社への忠誠ではない。自分が信じたものへの忠誠。
ある価値観を信じること。「仕事がんばろう」「自分はこれでいいんだ」という状態になれる。
詳しくは関連記事で解説しています。
アイデンティティの関連記事
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【社会人1年目】なんで若者は悩むの?アイデンティティって何?
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向上方法例
キャリア理論勉強会、個別ワーク(混乱を紐解く)、個別カウンセリング(自己との対話)
理論上への自己の配置(客観視による自己発見と、自己承認)
[自己理解]管理職の自覚・キャリア形成(品格)
管理職の存在は、部下の成長や離職率に大きく影響を与える。
現在の中小・零細企業の非常に重要なポイント。
責任(影響力)の自覚
主に横軸の自覚。社会性の上位。
- 自分は部下にどんな影響を与えているのか。
- 自分は会社にとってどういう存在なのか。
自己の影響力に自覚を持つことで、上司によるマイナス影響要因を減らすことができる。
部下と社長のつなぎ役としての精度が上がる。
チームが正しく機能し、正しく利益を上げる。
向上方法例
個別・少人数・セミナー形式集合研修(無意識の影響ポイント、利益を押し下げる上司等)、ケーススタディ(部下の前で社長の愚痴を言う上司等)
気づき重視
品格
主に縦軸の自覚。主体性の上位。
自己と会社の「在りたい姿」の融合。
- 自分はどうあるべきなのか。
- 会社の中でどうあるべきなのか。
- 会社をどうしていきたいのか。
理想の社会人像となるような管理職を目指す。
憧れとなる存在がいる会社は、社員の目的意識やエンゲージメントに大きく影響。
利益を上げ続ける会社には、強い管理職の存在が必要。
向上方法例
個別カウンセリング、社長との対話、部下との対話、実力向上(部署数字、目標達成、施策)、チームトラスト(信頼)、経営参画意識(会社理念と自己理念、1~3か年営業利益計画)
右腕の意識・社長の代弁者意識、学び続ける・向上し続ける意識、謙虚さ
[自己理解]社長の自覚・キャリア形成(想い)
社長に正解はない。
孤独を解消し、寄り添い・問いかけ・対話によって、想いが発現したり方向性が明確になる。
孤独の解消
主に横軸の確立を目指す。
- 社内での孤独をどう受け止めるか。
- ストレス・不安の原因は何か。
- 社員に対してどう在りたいか。
一人の人間として、社会や自社内での自分を認める。自己理解を深める。
時に社長としての立場を演じることを受け容れられる、前向きに転換できるような安心・安定の場を築く。
方法例
個別カウンセリング、キャリア理論勉強会、社長交流、コーチング
社外での対話、仲間・同志づくり
想い
主に縦軸の確立を目指す。
- 自社商品が社会に与える価値は何か。
- 自分は何を求めているか。
- 自分の使命は何か。
- 何を目指すか。
自分の扱う商売の想い。自分の行動の想い。
自己のキャリア形成、ひいては会社のキャリア、地域社会や業界のキャリア形成。
方法例
個別キャリアカウンセリング(商売、会社の意味付け)、想いの発信(理念、評価)、目指す場所の設定(経営計画、営業計画)、キャリア理論勉強会
存在意義の自己定義、承認
社長個人への支援が、本来の願いや望みへの指向性を強くする。
基本的に社長はいつも不安だし、危機感があり、ストレスフルで孤独なもの。
そのような、エネルギーを消耗するマイナス要因を少しでも軽くし、いきいきと社長業をする。
社長自身すら気づいていなかった理想やアイデア、方向性などを明確にすることができる。
次回、予告
また長くなってしまったので、後半を次の記事に持ち越します。
人だけが主体性を持っても、武器がないと戦えない。
次回は仕事を広域で捉える、環境・仕組み・進め方などについて。
【仕事理解】職場・環境・仕組み・仕事の進め方
- 『環境実力』を上げるのが社長の仕事
- 知恵を生む情報の回し方(武器)
- コミュニケーション(動機付け要因)
- 評価(衛星要因)
続きの記事はこちら
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職場の『環境実力』社内での社長の仕事【中小零細企業の成長③】
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