世の中はめまぐるしく変わり、社会人としての在り方も変容しつつある。
会社のブランドに頼れる時代は終わり、これからは自分だけの【キャリアブランド】が必要になる。
だけど“自分らしさ”ってどうやって見つければいいの?
ヒントは違う角度の自分の掛け算!
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オリジナリティを生む価値
社会の変化は本当に激しい。
今までは終身雇用の名残があり、入社さえすれば定年まで安泰という考えもありました。
しかし、中小企業を筆頭にこの常識は崩れ、大手までもがリストラや雇止めしている。
原因は様々あれど、いち個人としてどう立ち回っていくべきなんでしょうか?
中小企業で社会のリアルに向き合い続け、キャリアコンサルタントとなった僕はこう思います。
小さなマーケットでいい。
自分らしさ、自分のオリジナリティを持つこと。
僕はこれを【キャリアブランド】と呼んでいます。
近未来の社会が人に求めるのは、その人の【キャリアブランド】です。
いろんな『自分』を発見してあげる
自分らしさともいえるキャリアブランドを考える時には、いろんな自分を発見してあげることをお勧めします。
たとえば、『オレ・ワタクシ・ぼく』を振り返ってみませんか?
『オレ』って実はさ
『オレ』は本当の自分だと思ってください。
会社に所属したり、家庭があったり、色んな事情は人それぞれあります。
それらを取っ払った時に、「自分って一体何者なんだっけ!?」ということです。
本当の自分は何に喜び、何を望みますか?
「本当はこうありたい人間なんだ!」
嘘偽りない自分は、どうありたいのか。
一番自分らしい部分とも言えますね。
だけど、みんな素直な気持ちを伏せて頑張っているものです。
自分一人では生きていけないですからね。
素直な自分、無理して頑張ってる自分。
どちらかを取るのではない。
両方の自分が大切です。
自分は本当はどうしたいのか。幸せなキャリアを創造するために必要な自己理解。
『オレ』
「実は人見知りで、コミュニケーションは苦手だ。」
「実は楽観的で、数字とか追求とか好きじゃないんだ。」
「実は大きな野心があって、この町を変えたいと本気で思っているんだ。」
『ワタクシ』こういう者でございます
次に、社会的な自分です。
名刺を渡す時のちょっと古い決めゼリフ、『ワタクシ』こういう者でございます。
何も難しくありません。どんな仕事をしているか(してきたか)ですね。
社会での仕事、経験、世間一般で言えば“できるほう”なこと。
社会的な自分が担ってきた役割。
社会人というのは、金を稼いで生計を立てていきます。
つまりやることは、価値の創造です。
自分が何者であっても、社会で生きていくには何かのお役に立たないといけない。
社会の歯車の一つとして回らないといけないんですね。
自分はこの社会で、何ができる人間なんだろうか?
『ワタクシ』
「営業に3年間携わってきた者です。」
「接客なら多少の心得がある者です。」
「事務処理なら苦にならない者です。」
『ぼく』はこんな子だった
3つ目は、過去の自分です。
あの頃の『ぼく』は、こんなだったなあと振り返ってみましょう。
一番忘れてしまっている自分かもしれません。
過去の経験、体験、考えていたこと、夢だったこと、見たこと聞いたこと知ったこと。
過去の自分の変遷。
一番忘れやすいのに、一番多く情報が眠っている自分です。
自分は常に一定ではなく、経験や体験を経て成長し、価値観も変わってきたはずです。
僕もいろんな方の話を聞いて、「それってもっとアピールしていいことですよ!」ということがたくさんある。
今まで生きてきた全てが、宝の山です。
実は『自己理解』のほとんどが過去の振り返り。
ここまでの人生の道がキャリアそのものです。
『ぼく』
「なんだか落ち着きのない子だったなあ。」
「部活でめちゃくちゃ燃えてたなあ。」
「旅行に行ったあの島、最高だったなあ。」
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かけ合わせの【キャリアブランド】
『自己理解』は現在と過去
【キャリアブランド】は、今の自分だけで考えてもなかなかオリジナリティが出てきません。
現在と過去のかけ合わせ。
『オレ×ワタクシ×ぼく』をかけ合わせることで、限りなく自分だけのブランドが生まれる。
たとえばアパレルブランド。
『皮の財布』なんてどこにでもありますね。
それはただの『ワタクシ』の役割です。
そこに、職人がどういう思いで作ったのかという『オレ』の想い。
さらにどこで生まれ、誰がつくり、何のためにあるのかという『ぼく』のストーリーが加わる。
こうして愛着の湧くブランドが出来上がります。
現在は過去があることで引き立つものですね。
目標!『自分だからできる』
【キャリアブランド】の目標は、『自分だからできる』というレベルを目指したいものです。
すでに使命感のようなものを感じますよね。
ここまでのブランドが見つかるまでは、きっと長い道のりになるでしょう。
『ワタクシ』は経験が必要ですからね。
だから焦らなくて大丈夫です。
『オレ』は目の前の人の役に立てることが喜びなんだ。
だから『ワタクシ』がやってる接客が好きだ。
だって『ぼく』は昔から、友達の世話焼き係だったから。
どうですか?
言葉にしたらなんてことのない「接客業で働く」ということが、とてもドラマチックであることに気づくと思います。
転職においてはマッチングに繋がり、仕事への喜びにも繋がる自己理解です。
『接客の仕事は、自分だからできることだ!』
とっても素敵な響きですよね。
【キャリアブランド】は何も特別なことをするだけの意味に留まりません。
あるべき場所に収まることができれば、自分も喜んで働けるし価値を享受する側も喜ぶ。
ストーリー性のある専門性は、これからの時代に活きてきます。
もちろん、「特別でありたい」という場合にはもっと力を発揮します。
僕はそんなに特別ではありませんが、
『オレ』は人の個性が見えるのが好きなんだ。
『ワタクシ』は人事の仕事に10年携わったプロだし、問題意識を強く持っている。
そういえばあの頃の『ぼく』の家には、いつも友達がたくさんいたなあ。
だからキャリアコンサルタントは、自分だからできることなんだ。
僕はこう思えることで、とてもやりがいを持って仕事が出来ています。
そしてこんな僕に共感してくれる人がいることで、社会のお役に立つことができます。
マーケットは小さく
「マーケット」とは分かりづらい表現ですが、自分が活躍する広さだと思ってください。
ここを広く考えすぎると、なんだか自分が小さく見えてしまいます。
だけど人が生きていくだけの価値を生むために必要な広さは、実はそんなに広くない。
仲間内でキャリアブランドを発揮すれば、「○○と言えばあいつだ!」と仕事が回ってきます。
会社内でキャリアブランドを発揮すれば、「この部署はお前に任せるぞ!」と出世が近づきます。
何かの理由で転職しないといけなくなっても、キャリアブランドがあれば容易にマッチングができます。
日本の中でオンリーワンを目指す必要なんてありません。
仲間内で、会社内で、同業種内で。
マーケットを限定すれば、必ず自分の収まるべき場所が見つかります。
自分が気持ちよく働いていける範囲を見つけましょうね。