今回は大きな流れになりつつある「働き方改革」の中にあって、なぜ改善されない会社が多く存在するのかです。
僕は長年、労働条件の向上に取り組んできました。社長とケンカする原因はだいたいこれでしたよ!
ある程度規模がある会社の経営者と労働者には、絶対的な壁が存在します。
採用や人事をやっていると、どうしても「こんなんじゃ来るわけないじゃん(採用できるわけないじゃん)・・・」という条件があります。
長期的に存続可能な会社にするため、“労働条件の整備が必要不可欠!”と思って頑張っていました。
変わらない原因は、経営陣の考え方にあります。
しかし、社員ばかりがワガママを言うわけにはいきません。
会社は社長のものです。
だから労働者は条件が合わない場合、“会社を変える”必要があるということです。
転職するときの指針にしてくれたら幸いです。
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厚生労働省様、「働き方改革」がんばってます
まず、大きな流れを無視してはいけません。
政府は「働き方改革」の名のもと、これまでにない施策を打ち出しています。
ポイント
【政府】
労働者の数を増やさないとヤバい!
そのために働く環境を整えないとダメか!
ということで、社会保険の適用範囲を広げたり(正規雇用を増やしたい)託児所に助成金を出したり(主婦に働いてほしい)、あの手この手を打っています。
この波に乗れている会社は最高です!ぜひ、そういう会社に転職すべき。
しかし、苦しんでいる会社が多いのも現実です。
【中小企業】
「社会保険なんて出したら店つぶれちゃうよ!」(飲食店)
「これ以上労働時間削ったら会社つぶれるよ!」(営業)
「どこかで聞いたことあるぞ」なんてことになっていないことを願うばかりですが、改革の手はもうすぐそこまで迫っています。
キツイのは重々承知。でも日本だって待ったなしです!変わらないといけないんです。
参考
こちらは厚生労働省のページです。
36協定(残業に関する労使の取り決め)や就業規則。求職者の支援。パワハラに関すること。ストレスチェック。
あらゆる“働く問題”を解決しようと動いています。
さて、注目して欲しいのはこちら。「雇用・労働」の中にある、
厚生労働省のページに見えないくらい、広い年齢を対象とした見せ方をしています。
様々な改善の取り組みを紹介したり、自社を診断してもらったり、経営者や社員に知ってもらう。
そしてより大きな流れにしようという意図が感じられます。
『実態を把握しよう』
『経営者が決断しよう』
そうすることで改善されていきますよ!
ということが書いてありますね。
実は、僕が感じていた“休日・休暇が増えない、残業が減らない理由”そのままなんです。
これに取り組まないと日本の未来は危うい。本当に的を得ているんです。
なぜそれでも変わらない会社が多いのか?
休み少ない、残業多い理由「実態が把握できていない」
経営幹部は現場を知らない
『現場を知る』とは、経営陣にとって並大抵の努力ではできません。
注意ポイント
経営者は経営者の仕事で忙しい。
「現場を見てくれ」と言ったところで同じ仕事をするわけではない。
チラっと見ただけ、少し話を聞いただけで、社員と同じ気持ちを理解することは難しい。
規模が大きくなるほど、経営者は“驚くほど現場を知らない”。
わざわざ『驚くほど』と言っているのにも意図があります。
ポイント
経営者と労働者はそもそも相反する立場である。
(労働者を安く使えば経営者は儲かる)
社員は過度に期待してはいけない。
現場のことは現場の人間しか知らない。
これが普通だと、まずは思ってほしいです。
現場を見てくれる、理解しようと努めてくれる社長がいるのは幸せなことです。
「何がそんなに辛いんだ・・・楽なはずだろ・・・」案外、社長はそう思っていることが多いです。
反発する磁石
現場と経営層は、反発する磁石のように寄り付かない・寄り付かせないという性質を持っています。
例えば、社長が店長に対して「最近どうだ」と聞いたとします。
店長は多少の問題があっても「順調です」と答えたい。
当然ですよね?(ちゃんと自分がやってますよ。)と言いたいんですね。
社長とは“口うるさい”ものです。自分の会社ですから当たり前ですよね。
少し問題があると気になって仕方ありません。
ここで社長が“何も報告しない”店長を評価するとどうなるか?
“問題を報告した”店長を怒るとどうなるか?
勘の良い方なら分かったかもしれませんね。
ポイント
店長は問題を報告しなくなる。
問題を隠すようになる。
経営者が何も知らないまま、事態は悪化していく。
でも、誰が悪いか?店長でしょうか?
店長も悪いですが、そんなに自己犠牲を払える人が本当にいるでしょうか。
社長の受け取り方次第で、現場の風通しが変わります。
この現象はかなりの確率で起こっています。
店長は社長に“現場の真実”を見せたくない。口うるさく言われたくない。任せてほしい。
社長の方も、好き好んで現場に行くのは小さな会社がほとんどです。
多くは社長が現場に行っても知らない人が多い。
自分がどう思われているか分からない。
そして分からないことも多く、口を出しても見当はずれのことが多い。
自然と足が遠のき、知らない人が増え、分からないことが増え、より現場に行きづらくなる。
社長の方も、できれば現場に任せてうまくいけばそれが一番いい。
休み少ない、残業多い理由「社長が重要視していない」
上記の理由よりもより根本に近い問題です。
社員の立場未経験
社員の立場を社長が理解していたら、すぐにでも変わるかもしれません。
変わらないにしても、理解があれば社員は納得します。
しかし社長が社員になることは許されず、しかも少し現場を見たぐらいでは上辺しか理解してあげられません。
だから店長などは“社長に正しく報告するスキル”が重要になってくるのですが、評価が怖くてできなかったり色々な壁があります。
ポイント
2代目3代目であっても創業者であっても、経営者と労働者の間には意識の隔たりが存在する。
社長がくだらないと思うことが、労働者にとって転職するほど重要なことだったりする。
労働者にとってくだらないと思うことが、社長にとって経営を左右するほど重要なことだったりする。
社長が社員の立場に立つのは恐ろしく難しい。
だから社長は意識的に、戦略的に、そうするように心がけないといけないんですね。
『任せる』=『放置』
現場のことは現場でやれというスタンスです。
『任せる』ことは素晴らしいことです。
自分が指示したいのをグッとこらえて社員の成長を待つ、長期的な視点です。
本来、放置とは別もの。
チェックも何もせず、責任も部下にある状態が『放置』。『放置』を『任せる』と勘違いしているのはダメ。
しかし、いざ労働条件の話となると必ず社長は口を出します。
現場を見ていない社長が真実を知ることはできず、真実を知らないのに決断をしなければいけない。
結果、「まだ変えなくていいだろう」になります。
ポイント
現場が苦しんでいるのに何も変わらない状態になる。
退職者も増えさらに現場が苦しむ。
放置していると悪化の一途をたどる。
国の方向性を軽視
厚生労働省のページのように、政府は「働き方改革」の大きな流れをつくろうとしています。
『改革』ですから、今までの延長線上ではありません。痛みも伴って、大きく変化を遂げることを求められている。
しかし昔かたぎの社長は、抜け道を探そうとします。
確かに、今までそれで大きく利益を上げた会社はたくさんあります。
昔は、飲食店で規定通りアルバイトにまで社会保険を適用している会社は少なかった。
飲食店の今は、“ルール無視ありき”の収益構造の上に成り立ってきました。
上場企業や労働組合のない規模の会社の場合、「政府がどこまで本気か分からない。ちゃんとやったらバカみるぞ!」と思うんですね。
しかし、それはやはり人口増の時代の考え方。
しっかり未来を見据えるなら、「改革を起こさないと未来がない。」と気づくはずです。
「そんなことしたら潰れる!」という会社からは早く抜けたほうがいいです。本当に潰れますから。
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休みを増やす、残業減らすには?「現場にしか真実はない」
声を大にする
幹部や店長など社長に近い人物ほど、ビビって声を上げられません。
自分が損をしますからね。
そんな自分のことしか考えられない上司は願い下げで大丈夫です。
海外では「ストライキ」を行う会社もあります。
利用者に迷惑がかかるのもおかまいなくです。
ポイント
まずは声にできる限り。表現できるかぎりの言葉を使って真実を伝えることです。
(いきなりストライキはダメですよ)
同じ思いを持つ社員と協力して会社の中で“大きな流れ”を作ってください。
必ず『会社のために』という大義名分を忘れてはいけません。
「自分のために」ではダメ。自分本位は良くないし、絶対に変わりません。
つまり、会社のために自分は犠牲になる覚悟が多少なりとも必要です。
これで変わりそうかどうか判断がつきます。変わらないなと思ったら転職です。
見てもらう。感じてもらう。
同じ立場に立って考えてもらうことです。
ポイント
社長は現場に行きづらいもの。
分かってあげた上で、社長が来やすい環境を用意してください。
簡単に言えば、社長と仲良くなる。
本当は社長も現場がどうなっているか気になって仕方ありません。
自分の会社の社員が自分を受け入れてくれるなら、そんなに嬉しいことはありません。
社長だって人間なんです。
社員に何を言われるか、ビビッてる社長だっています。
その上でやっぱりダメだ。と思ったら転職です。
さいごに
仕事がつらい。休日・休暇が少ない。残業がおおい。
そう思ったら、やるべきことは『真実を伝える』ことです。
なぜ自分はつらいのか、腹の内はどう思っているのか。本当に理解すれば社長も動いてくれるかもしれません。
現実・現場を変えたい。なら現実・現場を訴えましょう。
それができない状況なら、今回挙げた原因に当てはまっていないか確認してください。
もし当てはまっていて“変えられそうにない”なら、時間を無駄にせず転職を考えてください。
僕はちょっと無駄に戦いすぎました。(笑)
社員のボトムアップによって決断がなされる会社が見つかるとベストですよ!
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