世の中の採用担当はほとんどが思うでしょう…「もっと条件良くしてくんないと採れないよ!」
そして社長は思うでしょう…「その前に人採って売り上げ上げてくれよ!」と。
この相いれない思い、一体どちらが先なのか?
"どちらが"と言っている以上変わらない?
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採用だけじゃ、人事戦略はダメ!
会社全体の"繋がり"を意識する
採用のスキルを上げるだけではダメ。
それは間違いありません。
せっかく採った人材も、辞めてしまったら元も子もありませんからね。
では、これはどこからどこまで見ればいいのか?
答えは全体。企業は人なりです。
採用←教育方針←人事戦略←事業計画←経営戦略
経営を拡大、しっかりやりたい。だから人が必要になる。
採用担当などのする場合には、ここに気を付けたいですね。
「何のために人を採用するのか?」
その根っこは意外と深いものです。
で、採用を強化していくと壁にぶち当たります。
「今の会社ではこれが限界だ・・・」
なぜなら、全ては繋がっているからです。
これ以上の社員数を抱えようとすると、より卓越された経営が求められる。
まさに「卵が先か鶏が先か」状態。
経営が卓越されていれば、もっと楽に採用ができるのに・・・
どこから始めればいいの?
ではどちらが先なのか?
それは、"考えない方がいい"です。
確かに、経営が卓越されていれば社員は簡単に増える。
しかし、そんな経営が最初から可能な会社なんてどこにあるでしょうか?
そんな素晴らしい会社に、自分が所属していられる可能性はどのくらいあるでしょうか?
ほとんどの会社は、必要に迫られて、その時の状況に気付き、痛みを乗り越えて強くなっていきます。
- 「人が増えたから」
- 「最近愚痴を言う社員が増えたから」
- 「退職者が止まらないから」
その時に現れた課題をその都度解決していく毎に会社は成長していきます。
逆に、どれか一部だけを放置していたらどうなるでしょう。
評価を疎かにしていては、せっかく採用してもどんどん辞めていく。
教育を疎かにしては、採用した人材が活躍するまで長い時間がかかる。
人を巡る企業の成長に、置いておいていい課題はない。
すべてを同時進行でチェックし、同時進行で取り組んでいく。
同時進行で取り組んでいく。
特に人事戦略などの流動的な部分は、常に現状を把握しておかないといけませんね。
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採用と同時進行の人事
教育・即戦力化
企業の成長に合わせて、採用は楽になっていくものです。
最初のうちはどうしても、ムリしてお金と労力をかけて採用をする必要がある。
しかし、会社が魅力的になっていけば自然と人は増える。
これがままならないと、いつまでたっても採用は楽になりません。
まず課題に感じ始めるのは、「教育」ではないでしょうか。
- 忙しくて入社した人を放置してしまう。
- あまりお話も出来ないまま、「思ってたのと違う」と早期離職してしまう。
- 会社側が期待していた働きが出来ていない。
教育レベルが低いと、ミスマッチがそのままにされてしまう。
採用において、多少のミスマッチは必ずあるものです。
そのギャップを埋めるのが初期教育であり、徐々に会社と意識を合わせていくのが教育です。
この教育の怖いところは、"自社の状況しか知らない"ことです。
教育をしているつもりが、採用レベルに見合わない教育しか出来ていない場合が多々ある。
「期待してたのに、全然使えないじゃないか!」
「最近の若者は、文句ばっかりだな!」
そんな風に思っていたら、もしかしたら採用レベルが教育レベルを追い越している証拠かもしれません。
評価・待遇・報酬
もう少し期間を長くして見てみましょう。
ある程度会社に慣れてきて、後輩もできて仕事を教える段階になったころ。
いきなり自分より給料の高い後輩が入ってきたらどう思いますか?
評価・待遇・報酬は整備です。
花を植えたら育つ土壌が必要なように、人にも整った会社の土壌が必要です。
評価・待遇・報酬にある程度の納得度がないと、人はすぐに働く意味を見失う。
人が動く要因に、「衛星要因」と「動機付け要因」というものがあります。
衛星要因は生活上必要な条件のこと。
動機付け要因はモチベーションを維持するための精神的報酬等のこと。
そしてこれには順序があり、「衛星要因」がないと「動機付け要因」は生まれない。
評価・待遇・報酬自体は、最低限あればいいんです。
しかし、いくらそれぞれが高く設定されていても"納得いかない"状況には人は耐えられない。
完全に納得がいくなんてことは無理ですが、「そりゃないよ」と思うマイナス面が多いほど不満が募る。
大切なのはバランスです。
一つ一つではなく、結果としての社員の心情をしっかり見ておきましょう。
総合的に衛星要因を欠如させてしまっていないでしょうか?
せっかく高い給料を払っても、無駄になってしまいます。
うまい落としどころを探り続けることが、人の定着(中期的な採用)に繋がっていきます。
社風・理念の浸透
さらにその先、経営の目的を捉えて採用を考えてみましょう。
社長一人ではかなわないことばかり。
長く働いてもらうコアな人材、同じ志で働いてくれる人。
最低限マネジメントが出来る人材が必要になります。
そのためには、会社の事を良く理解し、酸いも甘いも共有したうえで頑張ってくれる理解者が必要です。
会社で長く働くためには、会社と自分のミッションが一致していることが大切。
何のための働いているかです。
「個人の働く理由」と「会社の存在意義」が合致しているほど、長く共に働いていける。
例えば『経営理念』。
他に、『事業のミッション』や『社是』など。
自分たちは何のために存在しているのかが共有されていないといけない。
そして入社後もずっとそれが守られ、変更があるなら納得のいく説明がなされないと人は離れる。
もし、理念がなかったらどうなるでしょうか?
採用する時に、「理念は今考えてます」と言われたら・・・
入社してから「思いが違った!」なんてなったら目も当てられません。
ある程度の存在理由の説明は採用者の責任ともいえるものです。
それから「理念はお客様第一です!」と言ったのに、入社したら全然違う。
お客様第一の考え方が、社員の中で共通認識になっていまいからです。
この場合も、「期待して入社したのに、この会社はまだこの程度なのか・・・」と思われてしまいます。
会社の思いをいかに社員に伝わりやすくするか。
これにもレベルがあり、会社が大きくなるにつれて様々な人が増えていくので、よりレベルアップしていかないといけません。
採用の仕事をするなら、会社全体の繋がりを意識しよう。
今上手くいかない原因は、全然違う部門の問題が原因かもしれません。