今回は障がい者雇用について触れていきます。
実は私は「精神・発達障害者しごとサポーター」でした!
講習を受けて『障害者職業生活相談員』の認定を受け、採用・就労支援の両方を行っていました。
経験をもとに、採用と就労の実態をお伝えします。
これを見ていただいているのは障がいを持ったお子さんの親、もしくはご自身だと思います。
私の経験をもとに、実態と現実的として大切なことをお伝えします!
ポイント
今回は発達障害について書いていきます。
また、就職フェスタには絶対に行った方がいいのでそちらも紹介します。
大切なのは就職前の情報収集、企業とのコミュニケーションです!
発達障害(軽度精神障害)の子との仕事
はじめたきっかけ
ご存じの通り、「障害者雇用率制度」というものがあります。
従業員の雇用人数に応じて障害者雇用人数が法定されています。
実態
私が障害者雇用をする前に、私がいた会社では前例がありませんでした。ちなみに法定雇用人数は3人。
以前は「そこまで守る必要あるの?」という程度でしたが、次第にハローワークからの勧めが強くなってきました。
そこで「これはいよいよ本気だな」と感じはじめてからようやく、障害者雇用に乗り出しました。
小さな事業所で業種の幅が狭いほど、雇用に乗り出していないのが現状です。
「ウチはまだ」と、準備が整っていない会社はまだまだ多いです。
採用した経緯
発達障害のAさんを雇用した経緯ですが、まず地元にある障害者支援センターを探して電話したことがはじまりです。
そのセンターでは職業訓練を行っており、訓練の様子を見学することもできました。
何度もお邪魔して、センターの方には本当にお世話になりました。
見学と理解
見学やセンターの方とのコミュニケーションを通して、様々な障害ごとに合った仕事があることが分かります。
【どんな仕事があるか】を自社から伝える。
【どんな障害の子がいてどんな仕事が向いているか】をセンターの方から教えてもらう。
マッチした人材がいれば紹介してもらい、さらにその子の特質を理解するために企業とセンターの方で情報交換します。
お分かりかと思いますが、これを多くの会社と一日で直接できるのが就職フェスタ(合同企業面談会)ですので、後ほど紹介しますね!
実態
お互いの理解が深まれば、自社の見学・面談に進んでいきます。
ご両親には何度も自社に来てお話させていただきましたが、これが本当に大事でした!
職場の環境を見ていただくこと、一緒に働く人を見てもらうこと。
また、自社の人間が理解を深めるためにご両親という存在は欠かせないと思います。
携帯電話の番号も交換し、就職後も常にコミュニケーションを取っていました。
センターの方とも常に連携し、企業・本人・センター・親の4者で雇用をすすめていきました。
仕事について
私にとってはじめての障害者雇用でしたが、センターの方やご両親の言うように“伝え方を工夫”すれば全く問題はありませんでした。
実態
Aさんの場合、「上下関係を把握しづらい」「大きな音に敏感」「色や絵が好き」などの特性がありました。
対人コミュニケーションではとにかく周囲の理解が大事だと思い、一緒に働く人への特性の理解を徹底的に行いました。
最初は社長であってもため口OKでした(笑)が、次第に敬語は出来るようになってきました。
サボり癖もあったため、休憩時間などをしっかり取り決めました。
本人には日記を書くようにすすめ、言いづらいことはそこに書くように言い、毎日見せてもらいコメントを書きました。
気になることがあればご両親に電話します。また、センターの方が月に1回面談に来てくれていました。
Aさんは、明確に指示をすれば必ずやってくれます。
「そこまで言わなくても」という部分まで言うと、確実な仕事になります。
採用の仕事においても特性を活かし、学生さんに送るハガキに絵を描いてもらっていました。
やはり大事だと思ったのは本人の理解者とのやりとりです。
企業は放っておくと今までと同じようにやってしまいます。他の人と同じように求めてしまう。
だからしっかり本人目線でできているかの定期的な確認が必要です。
センターの方がいなくても、企業と親の間では定期的なコミュニケーションがあったほうがいいと思います。
まずは就職前に企業の方と会うことがはじまりです。
就職において大切なこと
一緒に働く人からの理解
長く働くためにはこれが本当に大事。「障害者職業生活相談員」の講習は一緒に働く人全員が受けたほうがいいと思ったほどです。
理解がないとあっという間に問題になってしまいます。
これを本人のせいにするような会社には絶対に行かない方がいいですね。
支持の出し方
Aさんの場合は、1~10まで細かく伝える。目に見える形で時間ややることを掲示する。
日記などを活用して、出来ていること、出来ていないこと、素晴らしいこと、やってはいけないことを明確に伝える。
のようなところでした。個人の特性に合わせて、企業と一緒に考えてみましょう。
日記は本当におすすめです!
本人発信の受け取り方
本人の振る舞いに対して、いちいち腹を立てたり陰口を言ったりする現場は未熟すぎます。
ですから、一緒に働く人は本人を理解する必要があります。
「ため口で話すのはそういった特性だから」と知っていてなお腹を立てる人はそういないと思います。
ご両親にとっては「当たり前」になってしまっていることの中に、本当は企業が知っておくべき大切な情報があるかもしれません。
企業に伝える本人の特性は、あらかじめ書面にしておくといいですね。
本人を理解している人とのコミュニケーション
就業してからも理解者同士のコミュニケーションがとても大事です。
問題が起きそうになったら、大きくなる前にしっかり相談し合うことです。
また、安心して仕事をしてもらうことは大事ですが、これを単なるサポートだと思ってはいけません。
- 就職支援センター
- キャリア・アドバイザー
- ご両親
- 企業の障害者担当
が連携していくことにより、価値の高い仕事ができるようになります。
特性を活かす職に就くことが大切です。
実際、Aさんの場合はひたすら資料のデータ化をしてくれたり、絵を描き続けてくれたりしました。
他の人や私がやっても、そこまで集中することはできない仕事です。
しかし、最初からその仕事があったわけではありません。
理解者とのコミュニケーションを繰り返して見つけたAさんだけの価値です。
就職前の確認
上記二つがその企業でどのようになっているか、事前に確認をしましょう。
以下のようなところが確認できるといいですね。
- 見学ができるか。
- 一緒に働く人を事前に知ることができるか。
- 担当者と親が直接連絡を取れるか。
- どのように指示しようとしているか。
どんな仕事をするかよりも、どんな環境で仕事をすることになるのかを確認してください。
紹介されるままいきなり選考に行くよりも、まずは本人やご両親の目で直接確認して雰囲気を感じることをおすすめします。
障がい者専用の合同説明会
最後に、全国で参加可能なイベント紹介します。
サーナ就職フェスタ
「サ~ナ就職フェスタ」
主要5都市(東京・名古屋・大阪・広島・福岡)で開催される 国内最大級の障がい者の合同企業面談会。
参加は入場無料・入退場自由。
障がいのある新卒学生・第二新卒・既卒者で、就職・転職を希望されている方。対象の地域は全国。
新卒学生・第二新卒・既卒者ということばをあまり気にしすぎず、20代程度であればどんどん利用しましょう。
多くの中から選ぶ
仕事を選ぶ
本人の特性によって、就業可能な仕事に限定する。
環境を選ぶ
今回の趣旨です。
イベントは、事前に企業担当を見ることができるチャンスです。
就職イベントの最大のメリットは、事前に会社の人を見ることができることです。
実際に顔を合わせて、必要であれば質問ができる、一日で多くの企業にアプローチできる機会です。
参考
サーナ就職フェスタの年間参加社数は延べ600社と業界トップクラス。大手企業から優良企業まで幅広く参加している。
相談スペースや情報収集・情報交換のスペースもあり。
転職の選択肢にしておく
一度就職を決めたからと言って、せっかく出会った他の会社を忘れないようにしてください。
開催場所は地方にはないため、少し移動の時間・手間がかかるはずです。
転職するときの選択肢になりますので、必ずとっておきましょう。
参考
エントリーはもちろん、情報収集だけも可能な就職・転職イベントです。
サ~ナ就職フェスタでしか応募ができない企業も参加しています。
理解のある会社だけが来ている
障害者の雇用・就労のための準備が出来ている会社です。
積極的に採用したい会社しか来ていません。
ここに来るだけで、地元の近くで探すよりも効率よく優良企業に出会うことができます。
参考
サーナ就職フェスタでは、手話通訳・要約筆記・点字資料・看護師・会場バリアフリー・障がい者用トイレなどのサポートがついています。
最後までお読みいただきありがとうございました!
今回は障がい者雇用。特に発達障害の方の実例紹介とイベントの紹介でした。
他の機会に、重度知的障害の方の例と統合失調症の方の例も紹介できればと思います!
就職フェスタへは以下からお進みください。
主要5都市(東京・名古屋・大阪・広島・福岡)で開催!
障がい者のための合同企業面談会【サ~ナ就職フェスタ】
また、東京中心にはなってしまいますが、おすすめの求人紹介会社を見つけたので紹介します。
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