みんなが悩む職務経歴書の『自己PR』、実はかなりもったいないことが起きているんです!
本当に伝えたいことが伝わっていますか?
考え抜いたのに伝わらない原因…採用に10年携わった元人事部長が、自己PRのポイントを教えます。
『縮小・展開』がカギ!?
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職務経歴書の『自己PR』
散らばっていたら何が言いたいか分からない
僕は人事として10年間、新卒採用や中途採用に携わりました。
今はキャリアコンサルの中で職務経歴書の添削をすることもあります。
つまり、そんじょそこらのエージェントさんよりも会社側の事情が分かるし、応募書類についてはプロ!
みなさん職務経歴書の『自己PR』って悩みますよね?
しっかり自己分析した後でないと上手く書けないと思います。
まず第一に『自己理解(自己分析)』をして言語化することが大切です。
そうでないと、情報がバラバラに散らばっていて“何が言いたいのか分からない”職務経歴書になります。
一度自己分析をして情報をまとめないと、何を伝えたいのか分からない自己PRになってしまう。
〇〇をやってきました。
〇〇の実績があります。
“だから何?”となってしまうわけですね。
それに、応募する会社に全く必要のない強みや特性をアピールしてしまうかもしれません。
これでは書類選考に通過するのは難しいですね。
強みとエピソードを整頓する
自己分析して言語化するうえでは、『強み』と『エピソード』にしっかり分けましょう。
エピソードはそんなに詳細までは書類には書きません。
(この点は最後に書きます)
ただし、面接では必ずエピソードを聞かれると思って用意しておきましょう。
そもそも『強み』には、それが強みだといえる根拠があったはずです。
何か強みが発揮されたエピソードがあったはずです。
それをいつでも表現可能なようにストックしておきましょう。
『強み』と『エピソード』を分けて出しておく。
(書類には強みを書く)
強みに連動するエピソードをアピールの引き出しに入れておく。
強みを割り出す時には、過去の自分の実績・褒められたこと・得意だと思っていることを振り返ると思います。
そこから強みを言語化したら、もう一度過去に戻ってアピソードを探しておきましょう。
そのエピソードが強みに信ぴょう性を持たせてくれます。
過去(散らばった情報を集める)
↓
強み(情報を集約し言語化)
↓
過去(エピソード)
という流れです。
まとめすぎても散らばりすぎても
ただ、今回の趣旨はそこではありません。
散らばった情報のままでは何が言いたいか分かりません。
でも実は、強みは綺麗にまとめればいいってものでもないんです。
“まとめる”とは、本来の情報量をぎゅっと凝縮することです。
つまり、余計な情報を削ぎ落していることに等しい。
「何が言いたいか」に特化した言語化なので、「なぜなのか」を削ぎ落としてしまいます。
「何がいいたいか」だけを簡潔に伝えても、その言葉自体に信ぴょう性はない。
本当かどうかは伝わらない。
綺麗にまとめた言語化は、シンボルやアイコンづくりのようなものです。
一度そのアイコンが何を指すのかを説明しないと伝わらないんですね。
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まとめすぎると真相が伝わらない
取って付けた言葉に見えてない?
頭の中で整理できる人は、言語化が得意です。
その時に気を付けて欲しいことが、“まとめすぎないこと”です。
しっかり考えて絞り出した言葉でも、信ぴょう性がないと意味がない。
何百枚もの職務経歴書を見ている人事の目線に立ってみましょう。
『主体性』とか『行動力』とか『コミュニケーション能力』なんて言葉が職務経歴書に書いてあっても、もはやびくともしません。
みんなが同じ言葉で書いていて、実際に会ってみたら全然違うじゃんかという経験を何度もしているんですね。
だから実は、人事にとってこれらの汎用的なまとめすぎた言葉は“意味がない言葉”です。
もっと言うと“疑うべき言葉”なので、面接で確かめない限り判断するわけにはいかないんですね。
もちろん、他に良さそうな文言で書いてある職務経歴書があったら、そちらを選んでしまうでしょう。
まず一度言語化したら、“取って付けたような言葉”になっていないかチェックしてみてください。
取って付けたような“ありふれた言葉”は、会社側には刺さらない。
まとめていくと、どうしても根本的な強みになります。
そしてその言語はほとんどの場合“ありふれた言葉”です。
それは嘘ではないし、根本的な強みほど良いに決まっています。
だからこそ、疑われてしまうのは本当にもったいない事なんです。
縮小した言葉を少し展開する
なので、そのありふれた言葉をもう少し『展開』しましょう。
一度圧縮した情報は、解凍(展開)してこそ本来の意味が伝わります。
情報が裏に隠れているのに言葉を縮小・短縮してしまったまま伝えてしまっては、めちゃくちゃ勿体ないんですね。
意識するのは、『コンセプトづくり』です。
全ての情報を職務経歴書に載せてしまうのは長すぎて、どこを読んでもらいたいかが分からないリスクがあります。
なので、“少しだけ”展開するのがポイントです。
圧縮・縮小した『強み』を、少しだけ解凍・展開する。
半解凍というより、ちょい解凍です。
たとえば『主体性』と言う言葉。
この言葉を思いついたのが、学生運動で仲間に対してプレゼンをして回り、仲間集めから実働までを行った経験だとしましょう。
少しだけ展開すると、『自ら仲間に働きかけ、一番先に動くことを信条にしています』と言う感じです。
2つの言葉、どちらが信ぴょう性が高いでしょうか?
主体性の中でも特に力が発揮されたポイントでいいんです。
それを過去の経験体験そのままではなく、“つまりどういうことか”の言葉にしましょう。
その経験の、つまり何がすごいの?何がいいたいの?
綺麗にまとまった強みの、つまりどんなことができるの?
商品のコンセプトを作るとき、「いい商品」と書くことはありません。
何がいいのか、つまり何が良さそうなのか、必ず“ちょい展開”しているはずです。
「続きは面接で」
もう一つ大切なことは、全てを書類に書こうとしないことです。
だからエピソードなどは、さわりだけ書いて「あとは面接で」ぐらいのノリがちょうどいい。
なぜなら、文章にするだけですでに情報量は落ちているからです。
すべて書こうと思っても、しょせんは文章。
熱や表情が見えないのに、それが全てと思われるのはリスクが高いです。
「おっ?」と気になる言葉に強みを言語展開し、全てを書こうとしない。
面接で「自己PR」に書かれていることについて、もう少し詳しく教えてもらえますか?と聞かれるぐらいがいいんです。
また人事の立場を考えてみましょう。
目の前の人がしゃべっているのと、まだ会ったこともない人が書類に書いていること。
どちらに信ぴょう性があるかなんて明白です。
自己PRの言語化
- 散らかった情報はまとめる。
- 綺麗にまとめすぎないで、ちょい解凍(展開)する。
- 「続きは面接で」を意識する。
これを意識して作ってみましょう。