「スキルが身に付かないから転職しよう」と考えている方、全然OKだけど、せっかくなので一度“何が本当のスキルなのか”を考えてみましょう!
実はスキルは仕事で得るものではない!?
人生100年時代に自分を助けてくれるスキルは一体どうしたら身に付く?
スキルのために仕事を選ぶ違和感
スキルは仕事で手に入れるものではない
仕事を重ねていくと、スキルは磨かれていきます。
しかし、ちょっと違和感があります。
そもそも仕事をはじめる以上、スキルゼロではお金はもらえない。
よく考えてみると、仕事をする以上プロでないといけないんですね。
つまり、仕事でスキルを得るということ自体がちょっとおかしな話になります。
お金を頂きながら練習させていただくわけにはいかない。
だから基本的な考え方として、「スキルを手に入れるのは仕事ではない」ということになります。
勉強しないで仕事ばかりしていると、やりたいことは出来ないという実感値もあります。
『スキル』を得るのは『勉強』
ではスキルを得るのは何か?
『勉強』ですよね。
プログラマーになるならプログラミングを勉強してからです。
では、営業に志望する時も同じように営業の勉強をしてから臨むでしょうか?
そんな人はあまりいないですよね。
なぜか仕事に就いてから学ぼうとします。
もちろん選考に受かる可能性も上がりません。
勉強には実践も含みます。
プログラミングはもちろん実践をします。でもそれは仕事ではないから実務ではない。
営業はどうでしょう?
実務は出来ないのはどの仕事も一緒ですが、実践も出来ないでしょうか?
シャドウロープレや営業研修などをすれば、実践は出来ます。
現代社会では、この勉強への姿勢が抜け落ちています。
そのため教育現場では、一日数十分でも机に向かう習慣をつけさせようとしています。
仕事だけでスキルを得ようとするのではなく、勉強によってスキルを得る意識を持つ。
『実績』を得るのが『仕事』
では仕事で何が得られるでしょうか?
将来やりたいことをやるため、自分で稼げるようになるために必要なもの。
仕事ではそれが手に入ります。
『実績』ですね。
大企業等なら、実績がなくてもネームバリューだけで「おっ!」と思わせてくれます。
誰かに仕事を頼もうとする時、どうしても実績がないよりはある人に頼みたくなります。
この実績を作るうえでは、会社という組織に頼るととても楽です。
会社はすでにお客様をたくさん抱えているので、自分で自分を売るよりもはるかに楽。
でも、いつまでも会社に頼りきりだと、自分個人を売ることが出来ません。
会社で実績を作り、自分の能力を証明する経験にしよう!
つまり、仕事はスキルを得るというよりも実績を作る場。
そう考えた方が、これから始まる人生100年時代を柔軟に生き抜いていくことができます。
経験により『感性・志向・学び』を深める
仕事の成果は『感性』で決まる
『スキル』は勉強する。
『実績』を仕事でつくる。
では仕事から学べるものはないのかというと、そうではありません。
ただし仕事でスキルを養うというのは、表面的すぎる捉え方です。
学べるものはもっと根本的なものなんです。
仕事の経験を通して深めていくことができるもの。
その一つが、『感性』です。
僕は、仕事が出来る出来ないはスキルではなく『感性』で決まると思っています。
たとえば、「ここなんかおかしいな」「まだ追求できるな」と気づく感性。
これがないと、スキルなんて何の意味もありません。
そもそも問題に気付くことすらできないのに改善は出来ないし、主体性も生まれません。
いつまでたっても言われたことしかできないということですね。
それから、「今すぐやっちゃおう」「このぐらい一瞬で終るな」と行動できることも感性だと思います。
改善できることはいくらでもあるのに、多くの人は一歩が出ずに行動できずにいます。
全然大した行動ではないと思っている“すぐやる”フットワークの軽い人。
少しの事でもおっくうで、動き出すまでに多くのエネルギーを消費する人。
どちらが良いかは明白です。
これは行動力ではなく、考え方に近いので感性。いくらでも伸ばすことができます。
所属するチーム全体の事を考えられる感性も大切です。
始めは自分の部門の中で自分がどう在るべきかを、個人的主観抜きに考えられること。
この感性が伸びていくと、いずれは地域、そして国、世界と発展していきます。
「地域の中で自分はこのように貢献していきたい」と思える感性を持つ人は、間違いなく活躍していきますよね。
会社に所属することで学べることです。
それからなんと言っても、自分が誰にどんな価値を提供するのかを捉える感性。
始めは誰しも、働いた分の時給をもらう程度の価値でしょう。
この時はお客様より、店長や社長を見ているかもしれません。
給料をくれるのは会社だと思っているうちは、まだまだこの感性は息をひそめています。
でも仕事を理解していくうちに、お金の動き方を理解していきます。
「そうか、ここがこうなっているから、自分のところまでお金が回ってくるんだな。」と。
この感性が身に付けば、独立できる日も近いでしょう。
志向~結局は『何がしたいのか』
最も大切なことはこれだと思います。
『何がしたいのか』自分の志向に気付くことです。
仕事をしていると、仕事に対する価値観が形成されていきます。
キャリア理論の中では『キャリアアンカー』と呼ばれるものです。
「こんな働き方はイヤだなあ」「やっぱりこの働き方好きだなあ」と、やってみて初めて理解できる。
仕事をしていないうちには気づけない、自分が在りたい姿です。
新卒のうちからやりたいことを探そうとする人はいます。
でもこれは、はっきり言って無謀です。
材料になるのが『興味』程度しかないからです。
興味だけのやりたいことは、「向いてないのかなあ」程度で簡単に吹き飛びます。
本当のやりたいことというのは興味だけのことではない。
仕事を通して感性を身に付け、自分が誰に対して何を提供したいのかを形成した先にしかないんです。
仕事をしないと、『自分が何をしたいのか』の志向性には気づけない。
まず出来ることを増やしたいというのは正解かもしれませんが、社会はそれで終わるようなものではありません。
もっと奥が深く、もっと面白い。
結局は何がしたいかなので、はじめからしっかり自分と向き合っていたいですね。
『学び』続けることが未来をつくる
最後に『学び続けること』です。
仕事を続けていると、同じことの繰り返しをしていると取り残されてしまうことに気付くでしょう。
世の中はすごいスピードで進化し続けているからです。
これからの世の中は、学び続けていないとどこかで淘汰されてしまいます。
そもそも社会で、変わらない仕事なんてほとんどありません。
事務職なら新しいシステムの勉強が常に必要だし、AIに出来ない仕事を学ばないといけない。
物販なら世の中のめまぐるしく代わるニーズをキャッチし、それに合わせて研究開発をしないといけない。
スキルを得たらあとは何も学ばなくていい仕事なんてほとんどありません。
だからある意味、スキルを得たらそれでOKと思ってしまうことは危険なんですね。
- 感性を磨き、
- 志向性を持ち、
- 学び続ける。
新しい時代には、会社に頼らず自分の力で稼ぐ力があった方がいい。
そのためには会社に教えてもらうばかりではダメです。
自ら学び続ける姿勢こそが、自分の未来を作ってくれます。
スキルなんて独立してからでもいくらでも勉強できます。
せっかく仕事をするなら実績を出すことを意識しましょう。
そして会社という資源を活かすなら、感性・志向・学びを深めながら仕事をしていきましょう。