春が近づき小学生も新しい学年に変わるころ。
春休み前に手渡される『通知表』。
みなさんお気づきだと思いますが昔とずいぶん違いますね。
自分たちと同じならなんとなく導くことも出来るけど、新しい通知表の何が親にとって大切?
超重要、家庭のキャリア教育。
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【家庭のキャリア教育】親が教えられることは?
通知表はなくてもいい
そろそろ通知表の季節。
小学校では2020年から『生きる力』の名のもと、新しい学習指導要領に変わりキャリア教育が強化されました。
それに伴い、通知表の表記も変わっています。
親にとって唯一ともいえる、学校での子供の様子を客観評価で見ることができる通知表。
気になりますよね。
じつは通知表は作らなくてもいいものです。
実際に存在しない学校もあるようですが、ほとんどの学校ではわざわざ作ってくれているでしょう。
これがないと親が子供をどう導いていいのか分からないことが多い。
とてもありがたいものだと思って受け取りましょう!
では、新しい通知表で親にとって何が一番大事なのか?
今回はそこがテーマです。
変わる教育の目的を親は知らない
その前に、大事なようでそうでもないことは『何を教えられたか』です。
算数の掛け算・分数や、社会で習う歴史、音楽でプログラミングを使う、などですね。
たとえば英語を習う時期が早まっています。
普通に考えると、親としてはどう捉えるでしょうか?
「将来英語は必ず使えるから良いことだな!」と思うかもしれません。
確かにここ数年、英語はとても重要でしょう。
でも、科目の名前は『外国語』です。
つまり英語が大事だから英語を習うという以上に、他に意味があると思いませんか?
実際、翻訳機能は年々強化され、このままいくと本当に誰もが日本語さえできれば英語に変えられる時代になるかもしれません。
では外国語を学ぶことは無意味なのか?もちろん違います。
“文法が違う”からです。
文法を理解していなければ、機械に間違った翻訳をさせてしまうかもしれません。
また、グローバル化していく社会、外国人も増えている日本で、論理的にスムーズなコミュニケーションを交わすうえで支障になります。
単語などを覚えるよりも、いくつかの異なる文化圏の“言葉の仕組み”を知ることの方が重要ということです。
そんなの親にはうかがい知ることは出来ないので、一生懸命単語を記憶させてしまうでしょう。
同じことはプログラミングや道徳など、あらゆる科目で言えることです。
親の世代と子供の世代では、2回も学習指導要領が改訂されています。
別ものだと思った方がいいんですね。
なぜ教育が変わるのかを知らずに、親の早とちりで教え込むと本来のねらいとズレが生じる。
なので、基本的には『何を教えるか』は先生や塾に頼った方がいいでしょう。
専門的な分野なら教えてOK
ただし、現在その分野の最前線で活躍している場合、先生よりも深い学びを与えることができます。
たとえば理科など、専門的に研究している仕事をしている方なら、先生が教えるよりもずっと面白さを伝えることができるはずです。
学校では多くの種類の学びを与えないといけないので、なかなか深い学びを与えるのは難しい。
でもそれに特化した親なら、じっくりと時間をかけて日々の生活の中で伝えていくことができます。
植物の育て方のちょっとした違いで、美味しい野菜を届けたり地球の環境を良く出来たりすると子供が知ったらどうでしょう。
具体的に知ることができたら、勉強と価値、学びと仕事が繋がります。
これはとても良いことなんですが、学校ではそこまでの時間はないんだということを知っておきましょう。
それに先生はどうしてもクラスのみんなに対して一律に教えることしかできません。
子供の個性や導きたい方向に合わせて教育するには、個別指導か家庭教育になるということですね。
もし自信のある分野があれば積極的に子供に伝え(教えるというより伝える)、学ばせたいものがあれば家庭教師などを検討するのもひとつでしょう。
【家庭のキャリア教育】最も重要な主体性
役割がある!先生にできること・親にできること
ということなので、先生・親にはそれぞれ役割があるということです。
これからの時代は学校と家庭(地域社会)の両方が教育に作用することが大切だと言われていることも付け加えておきましょう。
興味のネタがゴロゴロ転がっているのは学校です。
だけど、その興味を掘り下げてあげることができるのは家庭。
学校では全員に同じ機会を与え、家庭で個別のキャリア教育をする。
この役割分担が今後は大切になってくる。
現在の構造のなか、全てを学校で担うことは出来ないんです。
新しい学習指導には「地域社会との連携」と明記されていることがそれを物語っています。
『主体的に学習に取り組む態度』
ようやく本題ですが、親は通知表の何を最も重視すればいいのか?
それは、各教科にある項目のひとつ『主体的に学習に取り組む姿勢』です。
子供がどんな分野に興味があり、何を「学びたい」と思っているのか知ることが超重要。
強化に捉われず、どんな分野に興味を示しているのかを一生懸命考えてあげましょう。
少し前までは「関心・意欲・態度」だったものを、なぜわざわざこのような言葉に変えたんでしょうか。
それは、今回の学習指導要領では『学び方』を重視しているからです。
何を学ぶかと、どう学ぶか。
関心の先の、学び方です。
なぜなら、社会では自分のキャリアに対して主体性を持たない社会人が根本的な問題となっており、自ら学ぶ姿勢が足りないからです。
今後の社会は、会社が個人を守れる終身雇用の世界ではありません。
会社に頼るという今までの常識を打ちこわし、自分の力で生き抜いていく力が求められている。
スキルは会社が授けてくれるものではなく、自らの勉強と実践によって手に入れるものです。
いまはその転換期を迎えているんです。
つまりこれからは、人生に対して主体性があるということ、自分のキャリアを自分でしっかりと握っている感覚を持つこと。
変わり続ける世の中で会社軸ではなく自分軸、柔軟なようで筋の通ったたくましいキャリアを形成すること。
自ら学びたいと思い、学び続けられる何かがあるということが大切だということです。
『何がしたいか』が生きる力だといっても過言ではありません。
『学び方』が人生100年時代で最大のポイント
長期・個人のキャリア形成を考える上で、個性の発揮はとても重要です。
この個性は特性から現れるもので、何に興味があるのか、どんな思考回路がストレスなく通過しているのか、どんな環境でパフォーマンスを発揮するのかということです。
スキルは簡単に真似できますが、特性は真似できません。
特性を発揮するだけでブルーオーシャンです。
自分らしくいられる分野や環境で働くことが大切なんですね。
僕たちの時代のように、我慢してでも頑張れば成果の上がるような時代ではありません。
努力と興味が戦えば、興味の圧倒的勝利です。
親は子供が楽しく働ける分野、環境を探してあげましょう。
そのうえで、通知表の『主体的に学習に取り組む姿勢』がものすごいヒントになります。
学びたいと思っているものを学ばせること、『主体的に学びに向かう姿勢』が人生100年時代の最大のポイント。
その環境を一番用意してあげられるのは、一番近くで個別で見守っている親なのではないでしょうか。