これから突入していく『個性の時代』は今までのように甘くない。
それぞれの個人が持つスキルや能力がダイレクトに生活に影響する、まさに全員経営者に近い状態へ。
そんな社会に向かおうとしている子供たちに明るい未来を手に入れてもらうのがキャリア教育だ。
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終身雇用の教育がもたらした問題
社会への変化対応が難しい
『個性の時代』というとなんだかいい感じに聞こえませんか?
今までよりも個人を尊重してくれそうな優しい予感。
でも、それは真実だけど軽く考えている証拠。
個性を尊重されるということは、個人のスキルや能力がとても大切になる。
尊重されるからには自分にも責任が伴う、主体性の時代とも言えるでしょう。
この時代はすでに始まりつつあります。
変化は止めようもなく、ほとんどの人が思っていたよりも早く進行しています。
今まで「終身雇用」の名のもとに、安定を求めてきた社会人たちは大変です。
終身雇用に向いた教育を受けていた人材が、社会で次々とキャリアストップしている。
社会の変化に個人が適応しなければいけないが、追い付いていない現状。
当然のことです。
今の教育は「変化に対応するための教育」です。
しかし今社会に出ている人達が受けてきた教育は「安定するための教育」だからです。
「みんな同じ」が通用しない
終身雇用がなぜ実現していたのかというと、経済が成長していたからです。
その大前提として、人口が増え続けること。
人口が増えるから、働き手が増えるから、そのサービスを買う人がいるから、世の中に出回るお金が増えるんですよね。
だけど今は真逆です。
人口が減っているということに対応していかなければいけません。
何が違うでしょうか?
人口が増えて仕事が増え続ける・手が足りないということは、同じことをやってくれる人が必要なわけです。
つまり、過去の社会では言われたことをやってくれる人が欲しかった。
いま社会は、言われたことしかできない人は求めない。
「みんなと同じ」が通用しない。
ミッションに対する主体性や、事業の目的意識。
個々の能力・スキルが求められるようになります。
何かが出来る人材にならないといけない。
そしてその根本は、“何かがしたい人材”であるべきです。
全員に同じものを目指させ、全員に同じことを教える時代は終わったのかもしれません。
正解がない社会に戸惑う若者
この社会には、正解がありません。
そもそも正解というのは、ルールがあってこそ存在するものです。
しかし日本は初めての人口減少時代に適応することに必死です。
僕たちのような世代はキャリア教育なんてなかったので、相変わらず終身雇用の正解を押し付ける上司もいるでしょう。
世の中の変化を感じながらもどうしていいか分からず、ほとんどの人が手探りで社会を進んでいる。
だけど、これは今までの常識が通用しなくなるというだけのこと。
本来、世の中は変わり続けている。安定を求める時代が特別であっただけ。
正解はないが、それが本来の人間社会。
どうしても変化のただ中にあれば戸惑いが生まれます。
しかし、新しい社会の常識に入ったということをまずは受け入れましょう。
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強みを伸ばす『個性の時代』
子供の興味を抑えない
『個性の時代』に向けて、いま子供たちにはどんな方針で教育をすればいいのでしょうか。
先ほど“何かがしたい人材”と書きました。
自分の取り組んでいる仕事に主体性を持って自ら変化を起こしていかないといけない。
そのためには「やりたいことをやる」のが一番ですが、現代人はこれが仕事と結びついていないことが多い。
やりたいのは遊びであって、仕事ではない。
だからやりたいことを仕事にしたくても、いつまでも出来ないわけですね。
今までの教育で「やらなきゃいけないこと」と「遊び」が分かれていたからです。
子供たちの中では、この根本を変えたいですよね。
子供の興味を伸ばし、社会への還元方法とつなぐ教育。
子供の興味に大人がもっと興味を持つ。
子供の興味というのは、恐ろしく強力です。
インターネット社会では、すぐに大人をしのぐプロフェッショナルな知識を得られます。
しかし、まだ“仕事と結びついていない”から大人はそれを抑えようとする。
社会に出たら、どんなことにも主体的に取り組んでその中から得たヒントを社会に還元していく必要があるのにです。
せっかく子供が何かに興味を持ったらなら、「どうしたら仕事に換えることが出来るか」を大人が一生懸命考えましょう。
興味を抑える前に少し立ち止まって考えましょう。
主体性というものは、社会人にとって一番重要なものだからです。
子供でも“全部はいらない”
学校ではたくさんの勉強をします。
終身雇用では受験勉強がとにかく大切だったので、広範囲の知識を頭に詰め込む必要がありました。
しかしこれからは変化対応の時代なので、せっかくの知識も社会では役に立たないことばかりです。
アクティブラーニングが取り入れられ、大学入試も変わりつつあります。
ってことは、そんなに広範囲の勉強をする時間がもったいないと思いませんか?
興味のある分野に絞り子供同士や大人も入れてディスカッションしながら、主体的に深い学びを得ていった方が社会では絶対に役に立つ。
現段階ではまだ入試も変化しきれないので、学校での出題範囲も狭くするわけにはいかないでしょう。
だけど、いま社会にいる人のほとんどは“役に立たない知識”を勉強した時間がたくさんあると分かるはずです。
だからキャリア教育では、何を学ぶかよりもどう学ぶか。
“学び方”の方が大事なわけです。
全部を勉強する必要はない。
それよりも、基礎となる学び方や主体性、自分自身の個性を手に入れることに注力したいですね。
子供も自分を知る・つくる
これからの教育方針として大切なことは、子供の個性を伸ばすことではないでしょうか。
もっと社会を意識して言うのなら、『独自能力』です。
今までの社会では、会社に独自能力が必要でした。
競争社会を生き抜くために独自性を磨き、個人はその看板を背負って働いていました。
しかしこれからは、会社に頼れない個人の時代になっていきます。
自分には何が出来て、何が出来ないのか。
自分の行動や思考の特徴はどうなのか、何に向いているのか。
他の人と違うところはどこなのか。
自分はどんな役割を担うことができるのか。
小学生や中学生のうちは、まだこれをつくり上げる時期でもあります。
他の人と同じである事よりも、他の人との違いこそ発見し、伸ばし、社会貢献に繋げていけるようにいていきましょう。