2020年新学習指導要領が変わる。
僕はキャリアコンサルタントとして、元人事部長として、社会でのキャリア教育不足を問題と感じています。
今回の改訂では「キャリア教育」が教科され、とても嬉しいですね!
中でも僕の目を引いたのが、
小・中学校で『特別の教科』として始まる【道徳】です。
新しい時代にキャリアを築ける人間になるために、とても大事なことだと思います。
なぜ、これからの時代に【道徳】が大事なのか?
キャリア教育、生きる力を身に付ける教育とは?
【道徳】とは?
【道徳】
社会生活を営む上で、ひとりひとりが守るべき行為の規準(の総体)。自分の良心によって、善を行い悪を行わないこと。
ウィキペディア
道徳(どうとく)は、道徳的規範(どうとくてききはん)や道徳性(どうとくせい)などのこと。倫理(りんり)はいくつかの意味をもち、道徳を表すことが多い。モラルとも称される。
人間が無意識の内に世の中に存在するものと認識している正邪・善悪の規範。個人の価値観に依存するが、多くの場合は個々人の道徳観に共通性や一致が見られる。社会性とも関わる。
どうでしょうか?
“めちゃくちゃ大事”だと思いませんか?
後にも書きますが、社会では必須だと思います。
知識ではなく、「考え方」としてです。
だから、『特別の教科』なのではないでしょうか。
また多くの場合、人によって道徳観が全く異なるということはない。
だからこそ犯罪は犯罪になり得る。
考えてみれば不思議ですね。
違う国でも、だいたい道徳は同じようなものかもしれません。
そして新しい学習指導要領【道徳】の目標はこのように記されています。
特別の教科「道徳」の目標
よりよく生きるための基盤となる道徳性を養うため,道徳的諸価値についての理解を基に,自己を見つめ,物事を多面的・多角的に考え,自己の生き方についての考えを深める学習を通して,道徳的な判断力,心情,実践意欲と態度を育てる。
よりよく生きるため。
自己理解を深め、人として大多数が善しとする価値基準で考え行動する。
個人の時代と言われる今、一人ひとりの道徳が大切です。
新しい教育!特別の教科【道徳】の詳細
ではここに、新しい【道徳】の指導要領の詳細を載せておきます。
A 主として自分自身に関すること
[善悪の判断,自律,自由と責任]
〔第1学年及び第2学年〕
よいことと悪いこととの区別をし,よいと思うことを進んで行うこと。
〔第3学年及び第4学年〕
正しいと判断したことは,自信をもって行うこと。
〔第5学年及び第6学年〕
自由を大切にし,自律的に判断し,責任のある行動をすること。
[正直,誠実]
〔第1学年及び第2学年〕
うそをついたりごまかしをしたりしないで,素直に伸び伸びと生活すること。
〔第3学年及び第4学年〕
過ちは素直に改め,正直に明るい心で生活すること。
〔第5学年及び第6学年〕
誠実に,明るい心で生活すること。
[節度,節制]
〔第1学年及び第2学年〕
健康や安全に気を付け,物や金銭を大切にし,身の回りを整え,わがままをしないで,規則正しい生活をすること。
〔第3学年及び第4学年〕
自分でできることは自分でやり,安全に気を付け,よく考えて行動し,節度のある生活をすること。
〔第5学年及び第6学年〕
安全に気を付けることや,生活習慣の大切さについて理解し,自分の生活を見直し,節度を守り節制に心掛けること。
[個性の伸長]
〔第1学年及び第2学年〕
自分の特徴に気付くこと。
〔第3学年及び第4学年〕
自分の特徴に気付き,長所を伸ばすこと。
〔第5学年及び第6学年〕
自分の特徴を知って,短所を改め長所を伸ばすこと。
[希望と勇気,努力と強い意志]
〔第1学年及び第2学年〕
自分のやるべき勉強や仕事をしっかりと行うこと。
〔第3学年及び第4学年〕
自分でやろうと決めた目標に向かって,強い意志をもち,粘り強くやり抜くこと。
〔第5学年及び第6学年〕
より高い目標を立て,希望と勇気をもち,困難があってもくじけずに努力して物事をやり抜くこと。
[真理の探究]
〔第5学年及び第6学年〕
真理を大切にし,物事を探究しようとする心をもつこと。
B 主として人との関わりに関すること
[親切,思いやり]
〔第1学年及び第2学年〕
身近にいる人に温かい心で接し,親切にすること。
〔第3学年及び第4学年〕
相手のことを思いやり,進んで親切にすること。
〔第5学年及び第6学年〕
誰に対しても思いやりの心をもち,相手の立場に立って親切にすること。
[感謝]
〔第1学年及び第2学年〕
家族など日頃世話になっている人々に感謝すること。
〔第3学年及び第4学年〕
家族など生活を支えてくれている人々や現在の生活を築いてくれた高齢者に,尊敬と感謝の気持ちをもって接すること。
〔第5学年及び第6学年〕
日々の生活が家族や過去からの多くの人々の支え合いや助け合いで成り立っていることに感謝し,それに応えること。
[礼儀]
〔第1学年及び第2学年〕
気持ちのよい挨拶,言葉遣い,動作などに心掛けて,明るく接すること。
〔第3学年及び第4学年〕
礼儀の大切さを知り,誰に対しても真心をもって接すること。
〔第5学年及び第6学年〕
時と場をわきまえて,礼儀正しく真心をもって接すること。
[友情,信頼]
〔第1学年及び第2学年〕
友達と仲よくし,助け合うこと。
〔第3学年及び第4学年〕
友達と互いに理解し,信頼し,助け合うこと。
〔第5学年及び第6学年〕
友達と互いに信頼し,学び合って友情を深め,異性についても理解しながら,人間関係を築いていくこと。
[相互理解,寛容]
〔第3学年及び第4学年〕
自分の考えや意見を相手に伝えるとともに,相手のことを理解し,自分と異なる意見も大切にすること。
〔第5学年及び第6学年〕
自分の考えや意見を相手に伝えるとともに,謙虚な心をもち,広い心で自分と異なる意見や立場を尊重すること。
C 主として集団や社会との関わりに関すること
[規則の尊重]
〔第1学年及び第2学年〕
約束やきまりを守り,みんなが使う物を大切にすること。
〔第3学年及び第4学年〕
約束や社会のきまりの意義を理解し,それらを守ること。
〔第5学年及び第6学年〕
法やきまりの意義を理解した上で進んでそれらを守り,自他の権利を大切にし,義務を果たすこと。
[公正,公平,社会正義]
〔第1学年及び第2学年〕
自分の好き嫌いにとらわれないで接すること。
〔第3学年及び第4学年〕
誰に対しても分け隔てをせず,公正,公平な態度で接すること。
〔第5学年及び第6学年〕
誰に対しても差別をすることや偏見をもつことなく,公正,公平な態度で接し,正義の実現に努めること。
[勤労,公共の精神]
〔第1学年及び第2学年〕
働くことのよさを知り,みんなのために働くこと。
〔第3学年及び第4学年〕
働くことの大切さを知り,進んでみんなのために働くこと。
〔第5学年及び第6学年〕
働くことや社会に奉仕することの充実感を味わうとともに,その意義を理解し,公共のために役に立つことをすること。
[家族愛,家庭生活の充実]
〔第1学年及び第2学年〕
父母,祖父母を敬愛し,進んで家の手伝いなどをして,家族の役に立つこと。
〔第3学年及び第4学年〕
父母,祖父母を敬愛し,家族みんなで協力し合って楽しい家庭をつくること。
〔第5学年及び第6学年〕
父母,祖父母を敬愛し,家族の幸せを求めて,進んで役に立つことをすること。
[よりよい学校生活,集団生活の充実]
〔第1学年及び第2学年〕
先生を敬愛し,学校の人々に親しんで,学級や学校の生活を楽しくすること。
〔第3学年及び第4学年〕
先生や学校の人々を敬愛し,みんなで協力し合って楽しい学級や学校をつくること。
〔第5学年及び第6学年〕
先生や学校の人々を敬愛し,みんなで協力し合ってよりよい学級や学校をつくるとともに,様々な集団の中での自分の役割を自覚して集団生活の充実に努めること。
[伝統と文化の尊重,国や郷土を愛する態度]
〔第1学年及び第2学年〕
我が国や郷土の文化と生活に親しみ,愛着をもつこと。
〔第3学年及び第4学年〕
我が国や郷土の伝統と文化を大切にし,国や郷土を愛する心をもつこと。
〔第5学年及び第6学年〕
我が国や郷土の伝統と文化を大切にし,先人の努力を知り,国や郷土を愛する心をもつこと。
[国際理解,国際親善]
〔第1学年及び第2学年〕
他国の人々や文化に親しむこと。
〔第3学年及び第4学年〕
他国の人々や文化に親しみ,関心をもつこと。
〔第5学年及び第6学年〕
他国の人々や文化について理解し,日本人としての自覚をもって国際親善に努めること。
D 主として生命や自然,崇高なものとの関わりに関すること
[生命の尊さ]
〔第1学年及び第2学年〕
生きることのすばらしさを知り,生命を大切にすること。
〔第3学年及び第4学年〕
生命の尊さを知り,生命あるものを大切にすること。
〔第5学年及び第6学年〕
生命が多くの生命のつながりの中にあるかけがえのないものであることを理解し,生命を尊重すること。
[自然愛護]
〔第1学年及び第2学年〕
身近な自然に親しみ,動植物に優しい心で接すること。
〔第3学年及び第4学年〕
自然のすばらしさや不思議さを感じ取り,自然や動植物を大切にすること。
〔第5学年及び第6学年〕
自然の偉大さを知り,自然環境を大切にすること。
[感動,畏敬の念]
〔第1学年及び第2学年〕
美しいものに触れ,すがすがしい心をもつこと。
〔第3学年及び第4学年〕
美しいものや気高いものに感動する心をもつこと。
〔第5学年及び第6学年〕
美しいものや気高いものに感動する心や人間の力を超えたものに対する畏敬の念をもつこと。
[よりよく生きる喜び]
〔第5学年及び第6学年〕
よりよく生きようとする人間の強さや気高さを理解し,人間として生きる喜びを感じること。
人事部長が断言する!新社会の生き方
では、なぜ元人事部長として社会の現実を見てきた僕が【道徳】を大切だと思うのか。
道徳性がないことで起きた様々な問題を知っているし、
新しい時代にはさらに重要になってくる確信があるからです。
本物・真実・明るみ
SNSが一般的になるにつれ、「個の時代」と言われるようになってきました。
誰もが全世界に向けて発信できる時代。
また誰もがそれを受信できる時代。
テレビやラジオなどのメディアを通さずに情報を得ることができる。
本当は隠したいものも、すべて晒されてしまうわけです。
だから僕はこれからの時代を「真実の時代」だと思っています。
偽物はすぐにバレてしまう「本物の時代」です。
ごまかしがきかない時代で生き残っていけるのは、本物だけ。
悪いことや実力のないこともすぐに明るみに出る。
実力のない幹部は給料をもらえなくなり、
人間性のない社会人もまた淘汰されやすい時代です。
会社に必須『倫理観・モラル』
例えばこちらにも書きました。
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自覚とは、人の人生に影響力を持つ者の道徳そのものです。
道徳は、社会人にこそ必要なんです。
正しく自分と他人を相互理解することは、倫理観でありキャリア教育でもあります。
お局さんの問題もそう。
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ポイント
どんな知識や武器も、使い方次第で善にも悪にもなる。
その使い方が道徳です。
道徳性なき者は衰退する
会社員として、道徳性のない者は昇進すべきではない。
それは個人事業主でも同じです。
これからの時代、ものを買う基準は「その人への信用」が重視されてきます。
怪しいものには手を出さない。
これはすでに常識です。
嘘つきから買う人はいない。
嘘つきには生きづらい世の中。
道徳は、生きる力を身に付ける教育だ。
大人は子供たちが学んだことを「本当だ」と思えるように、自分自身が道徳を大事にしないといけないですね。