人は意外と自分の仕事の幅を限定してしまっている。
僕は人事関係の仕事を10年以上やってきましたが、
「まさか自分がこんな仕事をするなんて!」といまだに思うことがあります。
自分の「特性」が分かっていても、それを「仕事」と結びつけるのはなかなか難しい!
特性が分かったらどうすればいいのか?
僕の例を紹介しますので、あなたも考えてみてください!
小さいころから自覚していた僕の『特性』
「人事で仕事するなんて思っていなかった」
のが正直なところ。
だけど、今はこの仕事に使命感すら感じています。
もし僕が若いころに「自分はあの仕事しかない」と思っていたら、めぐり合わなかったかもしれません。
では僕はどんなだったかと言うと…
- 人前で話すのは苦手
- そんなに友達付き合い好きじゃない
- どこか斜に構えてる
- しっかりした仕事とか興味ない
- カッコつけたい
- 無口
といったところです。
自分でも謎すぎるぐらい、“人事とは遠い存在”だったと思います。
とてもではないけど、人事をやる自分は想像できませんでした。
音楽が好きだったので、音楽に関係する何かで仕事がしたいとぼんやり思っていた程度。
今思えばそれも安易すぎるんですが、当時の僕には何も思いつかなかったのが現実です。
僕が何となく自覚していた自分の特性は、
「あまり人と接しない仕事がいいだろうな」
「スーツ着て人前に出るよな仕事はしないだろうな」
そんな風に思うには十分でした。
では、どうして僕は人事関係の仕事にやりがいを持って取り組めるのか?
あなたもぜひ、自分の可能性の“表と裏”を考えながら読んでみてください。
『人事』として活きた僕の特性
僕の勝手な考えではありますが、逆に考えると以下のようなことが人事に合っていたと思います。
人に流されない
あまり友達付き合いを重視するタイプではなかった。
- うわさ話に惑わされない
- 人の話を鵜呑みにしない
- 人にいい顔しようとしない
- 感情に引っ張られない
人事は、人と触れ合うことが多いです。
例えば誰かが“悪口”を言っていたとする。
いちいち悪口に全部乗っかりまくる人・・・
全然人事に向かないですよね?
実は、「友達付き合いはそんなに好きじゃない」という特性は
「人から共感を得られなくてもそんなに嫌じゃない」とも言えます。
特に人事部長ともなると、会社の代弁者としての存在になる。
うかつに会社の悪口なんて言えませんよね。
それから、共感と流されることは違います。
「共感」は人事的なスキルでもある。
相談を受ける時には、その人の言うことを多角的な面から考えてあげないといけない。
しっかり受け止めて理解することが「共感スキル」。
共感して流されてしまうと、ただ悪口を増長するだけです。
分け隔てなく接することができる
特定の人の前で態度を変えることはしなかった。
相手が上司だからと言って、すべてが正しいと思うわけでもないし、ゴマすりもしたくなかった。
自分が上司の“お気に入り”にはなりたくなかったし、お気に入りの自分の部下を作りたくもなかった。
結果的に、全社員からアルバイトさんまで、分け隔てなく接するようになっていました。
役職や社員・バイトで偉い・偉くないはない。
なんだかこう言うと、“人事っぽい”感じがしませんか?
斜に構えているとか、
友達付き合いがそんなに好きじゃないとか、
しっかりした仕事に興味ないとか、
カッコつけたいとか・・・
複合的な要因の結果としてそうなったのかな~と思います。
もしかしたらですが、
「人が好きだから人事やりたい」
「人と常に接していたいから人事やりたい」
というのはミスマッチの可能性があるかもしれませんね。
(接客や営業の方が向いている可能性もありますね)
口が堅い
無口なもんで。
いや、無口だったもんで。
今は結構しゃべるのも好きになりました。
だけど昔から根っこにあるのはあまり変わりません。
あまりベラベラしゃべるのは好きじゃなかった。
無口な人って、頭の中ですごく考えるんですよ。
基本的には「今ここで言わないと」と思うことしか言わない。
無駄なことは話したくないと、どこかで思っている。
それが相手の秘密や、他に知られたくないことだったらなおさら。
口が軽いのは人事にとって致命的。
そんな人に誰も相談なんてしてくれません。
つい口に出してしまうのは、“間が持たない・沈黙が耐えられない”とか“今、目の前の人からの信頼がほしい”と思ってしまうからではないでしょうか。
僕は沈黙なんて平気だし、目の前の人に媚びようともしませんでした。
「八方美人」は人事に向いているかというと、必ずしもそうとは言えないかもしれませんね。
人を「信じて」事を「疑う」
これは少し表現が難しいです。
簡単に人の言うことを真に受ける人は、実は人を信じる力が弱いんじゃないでしょうか?
だって、
誰かの悪口を聞いたら、自分も一緒になって誰かのことを悪く思うということですよ?
見てもいないのに人の話だけで誰かを疑う。
これが人を信じると言うことでしょうか?
僕は違うと思います。
人の気持ちは信じる。その人の感情は間違いのない真実です。
その人の中では。
だけど、事実は違うかもしれません。
人の言ったことをすべて事実として受け取ると、フィルター越しのなんだか正体のよくわからないものを“事実”として決めつけてしまいます。
人を「信じて」事を「疑う」
この考えがあると、人を嫌いになりません。
そもそも人を嫌いになってしまったら、人事としての資質に欠けると言わざるをえません。
『特性』を活かす仕事をするには?
「そのまんま」以外の仕事もあるよ
例えば人事で言えば
- 「人が好き」
- 「人に関わる仕事がしたい」
- 「心理学が好き」
- 「人と話すのが楽しい」
- 「コミュニケーションが得意」
などが「そのまんま」の特性と言えますね。
だけど、僕の例で言えば全く逆だったんです。
およそ人事とは程遠いと思われる特性が、実は人事で活きた。
「そのまんま」以外にも目を向けることが大事です。
なかなか難しいことですよね。
では、どうすればいいかと言うと
せめて“表と裏”は考えておくということです。
可能性の“表と裏”
例えば
表「人が好き」
裏「周囲に人がいないとモチベーションが保てない」
周囲に人がいる状態。
人事は人に囲まれているようで、時に孤独にも耐えられないと務まらない。
人が好きだからと言って、人事が向いているとは言えない。
表「コミュニケーションが得意」
裏「口下手な人とは気が合わない」
人事はコミュニケーションが苦手と自覚している人の気持ちこそ理解してあげないといけない。
いい相談者になるのは、他人の気持ちを分かってあげられる人です。
コミュニケーションは、ただ会話のやり取りが素早く適切に行えることだけではありません。
こちらの記事にも書いたように
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自己表現性【社会人コミュニケーション能力】明るいだけが〇じゃない
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人の特性は強みであり弱みでもある。
表裏一体であることを知ると、今思っている自分の可能性よりも倍以上の未来が見えてくるかもしれません。