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保護者も先生も知らない【キャリア教育】②親がつくる子供のアンテナ

2020年5月21日

2020年から強化された『キャリア教育』の実態を、親や社会人は知らない。

キャリア教育が強化される原因を、先生は体感したことがない。

今パラダイムシフトしようとしている社会に大人がついていかなければ、困るのは子供たち。

終身雇用にしか通用しない常識がここにもそこにも散らばっています。

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【前回】保護者も先生も知らない【キャリア教育】①社会で何が起こってるの?

なぜ?強化される【キャリア教育】

  • 職業選択が困難な社会人
  • 「氷河期×終身雇用」の問題
  • 「キャリア」の捉え方の問題
  • どうしたい?どうなりたい?がカギ

学校に頼っていいことなのか?

  • 先生は忙しすぎる
  • 社会の問題を把握しているのは誰?
  • 『第三者へ』教育体制は更新が必要

詳しくはこちらへどうぞ。

学校と社会のキャリア教育①
保護者も先生も知らない【キャリア教育】①社会で何が起こってるの?

続きを見る

 

社会の行先『終身雇用の爪痕』

抗いようのないグローバル化に伴い、日本の終身雇用の仕組みが崩れています。

今までとは『安定』の常識が変わっています。

では、どんなところに『終身雇用の爪痕』があるのでしょうか?

現代社会の変化の抵抗となる点、ボトルネックを見てみましょう。

 

学生と社会の接続問題

まず、学生はいつから社会人になりますか?

学校を卒業して、就職したらその瞬間社会人と言われますね。

だけど、人の変化はそんなに急に起こるものではありません。

 

学校と社会は分断されていてはいけない。

「“気が付いたら”社会人になっていた」ぐらいのゆるやかな変化になるはずなんです。

 

しかし現実は、「社会人なんてなりたくねぇ~」と思いながらその日を迎えてしまう。

だから職業選択も難しいし、戦力化も遅くなる。

 

この要因に、『終身雇用』があるんですね。

 

入社してから“何事もなく過ごせば”、年功序列で定年まで安定した収入が得られる。

これが終身雇用の理想としたモデルです。

すると、『いい会社に入社すること』に焦点があてられる。

そのために『いい大学に入ること』が重要になる。

いつしか『学歴がないと』いけなくなり、大学が増える。

教育で重視されるのは『試験に受かること』となる。

変化し続ける社会で生き抜くことよりも、試験の対策の方が重要なんです。

終身雇用における学歴社会の弊害です。

 

そもそも日本の教育は、開発部門の競争に負けないように『知識』を重視してきました。

結果、今の日本はどうなっているでしょうか?

教育が功を奏し、ひと昔前に製造業を中心に世界有数の発展を遂げました。

その後、時代に合わせて変化できたでしょうか?

 

時代の変化に、教育(人材)の変化が追い付いていない現状です。

コミュニケーション能力や社会人基礎力がおろそかになり、企業と人材のミスマッチが増えた。

人不足の中で人余りの時代が到来した。

 

キャリアストップ=変化非対応

学生と社会の接続の問題は社会人になった後も残ります。

たとえば、“製造業で技術職”になるために勉強をしていきた学生がその仕事に就く。

時代が進み、テクノロジーの進化でロボットが出現、技術職がいらなくなる。

転職しようにも、同じ職でしか転職できない

特化型の人材というのは、このような問題が起こることがあります。

 

業種ごとに、人材の需要は変化していくんです。

製造業に人が必要な時代もあれば、接客業に人が必要な時代がある。

業種間の人の移動が難しいから、人不足も人余りも解消されず、個人のキャリアはストップしてしまう。

 

また、転職しなければキャリアは止まらないかというと、そうでもありません。

社内で変化(成長)を止めてしまう人材が多く存在する。

これも『終身雇用の爪痕』です。

入社してある程度の地位に就けば、あとは“余計なことをしない”のが終身雇用の正解という訳です。

 

しかしそんな人材を抱えた企業の未来はどうでしょうか?

その企業に入社した若者はどう思うでしょうか?

個人のキャリアストップは、会社全体のキャリアを止めます。

 

『学校・大学・社会・家庭』で同時多発的変化を

これから先、キャリア教育がうまくいったとしましょう。

世の中に、しっかり自分を持った主体性に溢れる人材が出てくる。

だけど“それが正解だ”と知らない大人たちが、新しい世代をつぶしてしまいます。

 

情報を更新しないと、大人たちは良かれと思って古い時代の正解を押し付けます。

せっかく日本を良くしようと“全員が思っている”のに!です。

 

だから、会社でもそうですよね。

情報の共有は一気に、全員。なんです。

どこかの変化が遅いと全体の変化が遅くなる。

『学校・大学・社会・家庭』すべての場面で、同時多発的に変化を促すことが大切。

 

そのために僕は、色んな場面でキャリアの重要性をお話したいと思っています。

 

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子供の『興味領域』と『キャリアアンカー』

ではいよいよ、子供たちにはどんな教育が望ましいのかという話に入っていきます。

まず、職業選択において知っていただきたい重要な観点が2つあります。

『興味領域』『キャリアアンカー』

 

子供の興味領域

高校生ぐらいになれば、ある程度『興味領域』は定まっています。

もちろん変わる可能性もありますが、職業選択する前に必ず検討しておくべきでしょう。

 

人の興味領域は大きく6つに分類できると言われています。

その頭文字をとって『RIASEC(リアセック)』と言います。

 

「ホランド」という心理学者が提唱した理論で、様々な心理テストなどの基礎的考え方になっています。

RIASEC

R『現実的領域』Realistic

I『研究的領域』Investigative

A『芸術的領域』Artistic

S『社会的領域』Social

E『企業的領域』Enterprising

C『習慣的領域』Convensional

 

詳しくはこちらで解説しています。

興味領域で楽しく働く
自分に合った仕事?【6つの興味領域】私は何に興味があるんだろう?

続きを見る

 

この興味領域を一番判断してあげられるのは、親ですよね。

 

意外と自分では分からなかったりします。

それに、この興味領域とどんな仕事が結びつくのか?

意識して就活できる学生は稀です。

 

「あなたは研究的領域に興味がありそうね。」

「お前さ、社会的領域ってどう思う?○○とか、○○とかさ」

と働きかけると、自然と仕事と自分の特性のマッチングを考えるようになりますね。

 

ここで大切なこと。

親が決めないでください。

子供に問いかけてください。

 

ポイントは、ASK(アスク)です。

問うことです。

 

これによって、主体性や自己理解を深める習慣が身について行きます。

『自分のことは自分が決めていいんだ』と思わせてください。

 

子供のキャリアアンカー?

次に、『キャリアアンカー』です。

働き方に関してどんな価値観を持っているかです。

大きく分けて8つあると言われています。

 

キャリアアンカー

どのような働き方を好むか

専門・職能別能力 特定の分野で能力を発揮し、自分の専門性や技術が高まることに幸せを感じる
全般的経営管理能力 集団を統率し、権限を行使して、組織の中で責任ある役割を担うことに幸せを感じる
自立・独立 組織のルールや規則に縛られず、自分のやり方で仕事を進めていくことを望む
保障・安定 一つの組織に忠誠を尽くし、社会的・経済的な安定を得ることを望む
起業家的創造性 リスクを恐れず、クリエイティブに新しいものを創り出すことを望む
奉仕・社会貢献 社会的に意義のあることを成し遂げる機会を、転職してでも求めようとする
純粋な挑戦 解決困難に見える問題の解決や手ごわいライバルとの競争にやりがいを感じる
生活様式 個人的な欲求や家族の願望、自分の仕事などのバランスや調整に力を入れる

 

詳しくはこちらを読んでみてください。

【転職者必見】あなたの『キャリアアンカー』は?才能・欲求・価値で適職に

続きを見る

 

このキャリアアンカーを考える上でネックが一つあります。

それは、「やってみないと分からない」ことです。

キャリアアンカーは働きながら醸成されていく価値観。

 

でも、8つもあるキャリアアンカーを一つ一つ試すことなんてできるのか?

という現実的な問題がありますね。

やってみないと(検証しないと)分からないことは事実ですが、すべて試す必要はありません。

 

「働き方にはこんなに種類があるんだ」と教えてあげること。

子供の中に『これかも』という狙いを作ってあげることです。

 

それに、親であれば今までの子供の生活を背景まで含めて見ています。

どのキャリアアンカーが好きそうか、ある程度分かってしまうかもしれませんね。

「あなた本当はルールとか嫌いじゃん?自分で自由にやりたいのかな?自立・独立とかどう思う?」という感じで。

 

キャリアアンカーを考えるための手伝いをすること。

就職してからもキャリアアンカーについて考える機会を与えること。

これは先生にできることではない。

親だけができるキャリア教育ですね。

 

ポイント

「そうかも」「これかも」と考えられる、機会を与えること。

子供の中にアンテナを立ててあげれば、自分で発見できるようになる。

 

次回はいよいよ、親ができるキャリア教育についてです。

親ができる【キャリア教育】

  • 『キャリア』を知る
  • 限定しない。広げる。
  • 環境づくり=プランド・ハップン
  • 『自己理解』できる子供に

 

子供の可能性
保護者も先生も知らない【キャリア教育】③親ができるキャリア教育

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宮内 利亮

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