「人は見かけによらない」
昔から言われているこの言葉。
軽く考えている人がほとんどです!
人の特性は、目に見えるものと見えないものがある。
「あの人は何考えてるか分からない」が普通。
行動だけ見て人を判断したら“分かったつもり”の場合がほとんどなんです!
人の思考回路は驚くほど違う!
頭の中まで覗くにはどうしたらいい?
「行動特性」と「思考特性」はベツモノ
このカテゴリーでは何度か取り上げたように、
人には行動特性と思考特性の二種類があります。
行動は目に見える。
でも思考は目に見えない。
この当たり前すぎることを、軽く見てしまう。
思考が行動に現れると思い込み過ぎているからです。
あながち間違いではないが、行動に現れづらい思考特性もある!
では、例えばどんな人がいると思いますか?
みなさんも探してみてください。
大声で身振り手振りの大きいキッチリさん
普段のコミュニケーションでは
- いつも声が大きい
- あっけらかんとしている
- はっきりものを言う
- 大きな身振り手振りで話す
すると、だいたいの人は『細かいことは気にしない人だ』と思います。
そして、そんな人に仕事を頼もうと思います。
「○○さんは、細かいこと苦手だよね!だから打ち込み作業じゃなくて、荷物運びお願いするよ!」
『え?私、細かい作業、めっちゃ好きですけど??』
なんでー?って思いますね。
実はこういうことです。
対人社交的なことはあまり重視しない思考特性。
構造的で緻密な進め方を好む思考特性。
表現は大きくする行動特性。
自己主張をしっかりする行動特性。
「構造的で緻密な進め方を好む考え方」が見えていなかったんですね。
「対人社交的なことはあまり重視しない考え方」は少し当たっていたかもしれない。
思考特性は少なからず行動特性に影響は与えますが、それが全てではないということです。
また、この人は「自己主張をしてくれる人」だったので『そんなことないよ』と言ってくれました。
もし、自己主張をしない人だったら?
「違うのに…」と思いながら、いやいや仕事をすることになってしまいます。
物静かなアウトロー
もの静かな人の場合もそう。
普段は
- 口数が少ない。
- あまり異を唱えることはない。
- 自分から自分の意見を言う人ではない。
与える印象は『自分の意見を持たないから言うこと聞いてくれる人』といったところです。
そんな人を含めて会議をしている時。
「○○さんも、この決定で大丈夫だよね」
『いえ、私は違う意見です。』
えっえー!!意外!となる。
なぜでしょうか?
対人社交的なことはあまり重視しない思考特性。
いい悪いがはっきりした、分析型の思考特性。
表現は少ない行動特性。
自己主張をしっかりする行動特性。
勝手に「周りに合わせてくれる」と思ったら大間違い。
実は頭の中では、人にどう思われてもそんなに気にしない。自分が分析した結果を信じている。
さらに、表現は少ないので、自己主張をする機会が少なく見落としていた。
この人の場合も自己主張をしてくれました。
では、自己主張しない人だったら?
もうお分かりですね。
こんな感じで、「人は見かけによらないなあ」となるわけですね。
だけど、実はそれって“ごく当たり前のこと”なんです。
ポイント
頭の中を見てもいないのに決めつけてしまうことは、実はかなり多い。
しかもそれに気付かせてくれる人は、自己主張をしてくれる人だけ。
主張をしない人は言わないので、知らないうちに嫌な思いをさせていることになります。
目に見えるのは「行動特性」
まず、これだけは覚えておきましょう。
目に見えているのは「行動特性」です!
思考が全て行動に現れると思ったら大間違いです。
「思考特性は」目に見えない!
頭の中は見えない。思考回路は見えない。
とても当たり前のことですが、まだ情報が足りません。
思考特性には【分析】【構造】【社交】【コンセプト】の4つ
行動特性には【自己表現性】【自己主張性】【柔軟性】の3つ
がある。
このうち、目に見えるのは行動特性の3つだけ。
しかも、思考特性には組み合わせがあります。
2つ~3つの特性を持つ人が最も多く、1つだけの人もいる。
行動から想像して思考特性を見分けるのは、ものすごく難しい!
分かったつもりだと思った方が賢明です。
頭の中を分かったつもりにならない
例えば、以下のようなことを見分けられますか?
あるセミナーで受講者として話を聞いているとします。
- 今のは確証がないな…どこの誰が発表した?データは?気になる…(分析型)
- え?今なんて言った?書いてある通りに進んでいないから分からない!手順通りにいってよ…(構造型)
- 話してるこの人、なんかウソっぽいなあ。(社交型)
- 文字ばっかりだな…図で書いてくれないと分かんないな。(コンセプト型)
そうです。分かるわけがないですよね。
本当は、おおざっぱに言えば4種類の捉え方がある。
これを知らない発表者は、自分だったらこうしてほしいという基準だけでセミナーを進めてしまいます。
そうすると、全く気が付かないうちに理解できる人と理解できない人が出てしまう。
人の特性を知り、4種類に対応できるようにすれば事故は少なくなる。
「アスク」がとっても大事です
「アスク」とわざわざ横文字で書いたのは、かっこよくて覚えてもらいやすいから!
「質問する」ことです。
- 人がどんな思考を持っているのか?
- 今何を考えているのか?
- こんな時、この人はどうするの?
分かるわけがないんです。
だから、出来ることは一つ。
分からないなら、本人に聞くんです。
- 今の説明、どう思った?
- 私はこう思うんだけど、あなたはどう思った?
- その、「つらい」ってどんな感じなの?
とにかく質問することです。
そうすると、自分の中の「当たり前」が音を立てて崩れてきますよ!
みんなが相互理解するには?
社内ではみんなが相互理解できている状況が望ましいですよね。
そのために大切なことは
・自分がどう思われているか知ること。
・自分の考えを周囲に分かってもらうこと。
・他人の考えを理解すること。
この3つです。
- 行動特性は人から聞く
- 思考特性は自己開示する
自分がどう思われているかは、人に聞いてみないと分かりません。
行動特性は自分では見づらいものです。
自分がどう思っているかは、言わないと分かってもらえません。
思考特性は他人からは見えないものです。
全員がこれを意識している会社は強い!
職場の相互理解を進めるために、まずは「アスク」しまくってみましょう。