将来への不安、自分は何がしたいのか…
キャリアプランを考えたくても、全然まとまらない状態になっていませんか?
プランを考えるにはまず事前情報の『リサーチ』が必要。
キャリアの場合それは『自己分析・自己理解』と言われるもの。
情報の整理の仕方はこれ!
ゼロから計画は生まれない
「PDCA」の“P”の前
キャリアプランがなかなか立てられなくて困っている人は多いと思います。
実はほとんどの人が“いきなり計画から”立てようとするんですが、それはかなり難しい。
仕事を進める上で『PDCA』を聞いたことがあると思います。
プラン→ドゥー→チェック→アクションのサイクルを回していけば上手くいくということですね。
しかしこれは、“はじめる上で”の重要な行動が抜けています。
プランの前に『リサーチ(RESEARTCH)』が必要。
情報ゼロの状態から計画は決して立たない。
プランが出来るのは、その前に「DCA」があるからです。
行動して、結果を調べて、次の行動を洗い出しているから計画が立てられる。
でも最初にはその情報がないので、行動をしていない以上調べる以外にないんですね。
それにA(アクション)とP(プラン)の間にR(リサーチ)を入れるのも有効。
周囲の情報を集めるので、計画がより的を得たものになるんです。
どちらにしても、Pの前にはRがある。
リサーチ=『自己理解・自己分析』
キャリアプランを考える上でのリサーチとは何でしょうか?
それがよく聞く『自己分析』になるわけです。
キャリアコンサルタントは似たような意味で『自己理解』と呼んでいます。
つまり、自分の情報を棚卸し、まずは見えるように並べる所からがスタートです。
キャリアプランを考える前に、自分にまつわる情報をとにかく出す。
(言語化する)
もし何もない状態でプランを作ったらどうなるでしょう?
『適当な計画』になってしまうことは間違いないですね。
自分に出来ることを無視し、本当にやりたいことからはかけ離れていく…。
普段はなかなか自分に関して振り返ることはしないし、あまり見たくないものです。
だけど一生を左右するキャリアを考える時ぐらいは、真剣に自分と向き合いましょう。
私たちキャリアコンサルタントは、そのお手伝いのために存在します。
ごちゃごちゃになる理由
自己分析を進める上で、ごちゃごちゃになってしまうことはありませんか?
「結局何がしたいんだろう…」と。
これはほとんどの場合、細分化しないことが原因です。
「自分は何者なのか?」と考えても漠然とし過ぎている。
「自分は何がしたいのか?」といきなり答えを出そうにも、ここまでの事前情報がないと決定できない。
だから、ひとつひとつ見ればいいんです。
キャリアプランに必要な情報は、細分化してひとつずつ出していく。
細分化することで深掘りもしやすく、「実はこれも強みと言えるじゃん!」と気づくこともあります。
それに自分の中身が徐々に紙に書き起こされていくと、とてもスッキリしていくことを感じるでしょう。
頭の中だけで考えると、どうしても情報を統合しようとしてしまいます。
すると、思い出して分けて統合してを繰り返すのでごちゃごちゃになるんですね。
言語化して書き出して、見れば分かる状態にしておくのが一番簡単です。
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【キャリアプラン】用の情報整理
①ベースとなる情報整理
では、どんな風に情報を出していけばいいでしょうか?
『ジョブカード』の項目を参考にして、まずは以下のようなものを書き出してみましょう。
キャリアプラン(ベース情報)
1.価値観、興味、関心事項
2.得意なこと、努力していること、苦手なこと
3.将来取り組みたい仕事
4.仕事を通じて達成したい目標
ジョブカードでは「キャリアプラン」と書かれていると思いますが、ここでプランニングを意識する必要はありません。
あくまで1.2.3.4とひとつずつ考えて書き出してみましょう。
1.価値観、興味、関心事項
ただ興味がある事を書くだけだから簡単です。
仕事として出来る出来ないとか、一切考えずに書いてください。
いつも見ているテレビとか、好きな遊び、芸人さん、何でもいいんです。
思いつく限り、思うままに書いていきましょう。
2.得意なこと、努力していること、苦手なこと
自分が得意だと思うことを書いてみましょう。
自分なりに努力していることでもいいです。
逆に苦手だと思っていることも書きましょう。
ここもやはり、思いつくように書いてください。
人と比べたり、「きっとできない」「でもやっぱり」と考える必要はありません。
3.将来取り組みたい仕事
そうです。何も考えず、思うままに書いてください。
出来るか出来ないかは一切関係ありません。
大きすぎる夢とか、小さすぎる希望とか考えてはいけません。
「将来こんな仕事をしている自分は何かいいな。」ということを書きましょう。
4.仕事を通じて達成したい目標
では、仕事を何のためにやるか・・・。
そんなふうに難しく考えず、純粋に仕事から得たいものを書いてみましょう。
スキル?資格?生活?お金?人脈?世界を飛び回る?家族?信用?名誉?
たくさん、たくさん、あるはずです。
②職務経歴を深堀り
次に、よく転職の際に利用する『職務経歴』ですが、ジョブカードの場合少し違います。
職務経歴
職務内容、学んだ事、得られた経験
まずは職務内容を書きます。
いつ、どの会社で、どんな仕事を担当してきたかですね。
転職の際にこれしか書かない人がいますが、実はそれだけでは足りない。
ジョブカードの場合、ここから深掘りするようになっています。
その職務内容から『学んだこと』はなんですか?
その職務内容から『得られた経験』はなんですか?
を、それぞれ書くわけです。
これによって、より自己理解がしやすく(自分の隠れたキャリアに気付きやすく)、より他者に伝えやすくなるんです。
すべての職歴には、必ず学びがあり経験と言えるものです。
「自分は何も特別な事はしてこなかったから」と思っている人ほど、とても素晴らしい経験をたくさん見つかったりするものです。
③職業能力を確かめる
そして見落としがちなのが『職業能力証明』です。
職業能力証明
免許・資格・認定
学習歴・訓練歴
確かに『免許・資格・認定』があればそれに越したことはありません。
「履歴書に書けるようなものではないから」とは考えないでください。
どんなに些細だと思っていることでも、自信を持って記入しましょう。
最も見落としがちなのが、『学習歴・訓練歴』です。
自分はどんな教育を受けてきたのか?
自分はどんな学習をしてきたのか?
それこそ学生時代にまでさかのぼり、とにかく書いていきましょう。
新人マナー研修、物理、飛び込み営業訓練、マーケティング、歴史、などなど。
思い付きで買って読んだ本などはありませんか?
受けたけどしばらく忘れていたセミナーや勉強会はありませんか?
それらは必ず自分の血や肉になっているはずなんですね。
もしRPGゲームなら
こんな感じで、自分の情報をまずは書き出してみてください。
計画を考えるのはそこからです。
あなたはRPGゲームをやったことがありますか?
ゲームはほとんどの人がクリアできるから面白い。
途方もない目的も、じわじわ強くなりひとつずつ課題を解決し、いつしかハッピーエンディングを迎えます。
「リアルな人生よりはイージーだ」と思いませんか?
なぜ簡単なのかというと、“情報が整理されているから”です。
キャラに性格(価値観・興味・関心)があり、ステータス(得意・苦手)があり、目的(将来)があり、そのためのプロセス(目標)がある。
先々でスキル(学び・経験)を身に付け、武器(資格証明)を手に入れる。
クエストが用意されていて、クリアすると自動的に答えに近づいていく。
もし情報が一切整理されていないゲームがあったら、何をしていいか分かりません。
自己分析・自己理解によって自分の情報を出すこと。
キャリアはいつもそこから始まっていきます。