「ウチの社員は思ったより仕事ができないなあ…」と思ったら、もしかしたら社員だけのせいではないかも!
人は“環境適応”の生き物です。
会社の環境次第で、持っているパフォーマンスの半分も発揮できなかったり倍以上発揮したりするもの。
いざ、環境整備!
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【物的環境】で変わるパフォーマンス
『デスク周り』の環境整備
人間は環境によってパフォーマンスを変えるものですが、意外と“環境の方に順応”してしまう。
例えば、パソコンのモニターがもともとそこにあるから、体を前のめりにしたり首を下げて見る。
すると、人が無理な体制を続けるから肩がこりますね。
そうではなく、人が楽な姿勢を維持できるように周りの環境を整備する。
肩が上がらないように、首が下がらないように、目線が真っすぐ向くように、腰が曲がらないように。
- モニターの位置
- 椅子の高さ
- 椅子の背もたれ角度
- キーボードの位置
- 冷暖房の位置・温度
もともと使っているままでなく、“一番人のパフォーマンスが上がる”ように設定しましょう。
脳に酸素が回る合理的な正しい姿勢を維持できれば、思考はスッキリして効率が上がります。
それなのに、意外と人は環境に合わせてしまうんですよね。
「この位置にあるから」とか「このパソコンを使うから」とか。
道具に使われず、道具を使う環境整備を会社で用意してあげたいですね。
『動線』の環境整備
職場での『動線』もかなりの盲点です。
モノを取りに行くのに倉庫に移動したり、報告するために上司の部屋に行ったり。
なるべく短く済ませるように部屋の位置取りを決めるのはもちろんのこと、場合によっては壁を壊すのもありですよね。
普通、家でも事務所でも“壁を壊す”という発想はありません。
部屋の位置を交換するのもかなりのきっかけがないと出来ないでしょう。
だから盲点になりがちなんですね。
物を置く位置も大事です。
常に使っている物は移動せずにとれる位置。
よく使う物は部屋の中のキャビネット。
たまに使う物は倉庫。
それだけで月間何歩の削減になるか、何分の削減になるかを出してみるのもおもしろいですね。
『タスク・情報ツール』の環境整備
社員が使う『ツール』も重要です。
特にチームのタスクを管理するソフトウェアや、スケジュールを共有するシステム。
情報を得るためのツールはお金をかけて導入するものが多いため、会社によって差が生まれやすい。
しかも「自分たちが遅れている」「効率の悪いことをしている」と気づきづらいもの。
常に最新のツールを検討したり、改良することが会社の競争力を高めます。
個人ではもちろんですが、タスクはチームで管理していないと、抜け漏れや遅れが発生します。
しかもやっていなかったり遅れた時に、ごまかすことが出来てしまう。
スケジュールも個人任せにしておくと、曖昧になったりいつまでも効率の悪いやり方が抜けなかったりします。
ソフトウェアの導入や、スマホの支給は社内インフラになりつつあります。
だけどただ増やすだけだと、個人が勝手に使いやすいものだけを使うので余計にごちゃごちゃになる。
会社が厳選し、社員にはそのツールを使わせるような教育も同時に必要になりますね。
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【情報環境】で変わるパフォーマンス
『目標』の環境整備
環境は物的なものばかりではありません。
よりレベルの高いものが『情報環境整備』です。
代表的なものが『目標管理』。
個人目標ではなく、チームや部署・会社全体の目標です。
- 会社がどこに向かっているのか。
- そのために自部署はどの数字を追うのか。
- そのために今期はどこを目標とするのか。
- そのために今月はどこまで進めるのか。
- そのために今自分は何をしなければいけないのか。
大きな目標から掘り下げて、今自分が何をすべきかを特定することです。
全体の中のどの役割を自分が全うしなければいけないのかをしっかりと意識出来るものが良いですね。
さらに、チームの力は方向性を定めるほど強くなります。
『選択と集中』です。
アレコレと手を出し過ぎると、掘り方が浅くなります。
成果が出づらい。
だから会社はわざと、「ここだけをやりなさい!」と指示をする。
すると明確な分、やらなかったら言い訳が効かない。
成果の出やすいものから順に重点方針とし、目標を設定していくといいです。
評価すべき達成ラインは高すぎてもやる気を失いますが、「達成したらすごい!」と思えるラインがいいですね。
それから掲示を嫌がる人は多いですが、目標は嫌でも目に入るところにあるのがベストです。
常に今、何を自分がやるべきか、それが何に繋がっているのかを意識出来るのが素晴らしい目標管理です。
『評価』の環境整備
どのように『評価』されるかも、人のパフォーマンスに大きく影響します。
これも会社の情報環境整備のひとつ。
評価はモチベーションを上げるためのものだと思われがちですが、やってみると意外と“リスクヘッジ”です。
社員の不平不満をなるべく減らすことが、総合的なモチベーションアップにつながるからです。
一時的なモチベーションアップ施策はすぐに燃え尽きるのでおススメしません。
こんな感情をなるべく減らすのが、評価制度の目的です。
- 「頑張っても意味がない」
- 「自分だけ頑張るのもバカバカしい」
- 「あの人の方が評価される意味が分からない」
- 「この会社にいても夢がない」
- 「もう評価されることはないだろう」
人はそもそも、誰かに評価されたくなんてありません。
だけど評価制度がないと、“納得して働けなくなる”のも人間。
評価されないのなら、なるべく楽をしたいともうのが普通の人間です。
他の会社より頑張れる社員の集団にするのが何より大切。
マイナス領域に社員の感情を持っていかないための、上級情報環境整備です。
人は“環境適応”の生き物
環境は様々にあり、物的や情報だけでなく“周囲の人”も環境です。
人的な環境は、物的や情報の環境整備や採用などの総合によって結果が出てきます。
いや~な人達と一緒には働きたくないですよね。
そんな中にいると、自分までいや~なヤツになってしまいそうだから。
でも、おそらくそこしかなかったらなれてしまうのが人間。
もし自分がスラムに生まれていたら。
もし自分が少数民族に生まれていたら。
人間はその置かれた環境でしか生きていけない。
逆に言えば、どんな環境でもたくましく生きていけるのが人間です。
環境に順応することは、人間の得意な生存方法。
しかし、変えられるものは変えた方がいい。
環境に合わせるだけなく、自分に環境を合わせてみましょう。