子供たちの未来、社会は一体どうなっているでしょうか?
どんな仕事があるのか、どのぐらい変化が激しいのか。
一つ言えることは、『どんな社会が来ても強く生きていける子供たちにしてあげること』が全ての親の願いです。
仕事を楽しむ方法は子供のうちから!?
キャリア構築理論
3つのキャリアをつくる“主観的”概念
今回のテーマは『キャリア・アダプタビリティ』。
そしてこれは、『キャリア構築理論』3つの概念のうちの一つです。
- 職業パーソナリティ
- キャリア・アダプタビリティ
- ライフテーマ
キャリア構築理論の考え方は説明するのがちょっと面倒なんですが、簡単にいえばこう。
仕事に意味を生み出すのは自分だぜ!
じつは3つの概念はめちゃくちゃ“主観的”。
「自分がそう思えばいい!」という前向き理論です。
『職業パーソナリティ』
主観的な職業の適性。
客観的に自分に向いているかどうかを判断するものではありません。
「自分はこの仕事に向いている」と思えること。
『キャリア・アダプタビリティ』
今回の『子供に教えたい』テーマ。
4つの次元がある。
自分から仕事に合わせていく力。
ライフテーマ
自分の人生を一本のストーリーの主人公だとしたときに、一体何を求めて生きていくか。
この人生の価値観を、仕事の意味とリンクさせる。
でもこれって、真理ですよね。
人から何を言われようが、結局は自分がどう思っているかでしかないんです。
多くの仕事を楽しめれば最強
仕事を楽しめるかどうかは自分次第!ということです。
もちろん、どんな仕事でもすべて好きになれる人は少ないと思うので限界はある。
しかし、どんな仕事も「いやだ、めんどう、好きじゃない」と言っていたら社会で生きていけなくなってしまう。
楽しめる仕事が多いほど、社会が有意義な場所になりマイキャリアは充実する。
自分の人生の目的とリンクしていて、自分に合っていて、充実して働けると仕事が楽しい。
「仕事が楽しい!」と思えるには『キャリア構築理論3つの概念』が必要です。
そしてこれは“いくら探そうとしても”見つからない。
最初から楽しい仕事なんてないし、待っていれば向こうからやってきてくれるなんて幻想を持っていてもしかたない。
キャリアはすでに用意されているものでもなければ、探せば見つかるものでもない。
自分で構築する必要があるんです。
同じ仕事をずっと続けられる社会ではない!
それに!
なぜこれが今大切だと思うのかというと、世の中の変化がとんでもなく早いからです。
コロナの影響が真新しい出来事ですが、それだけではない。
技術革新によってなくなる仕事、生まれる仕事がある。
今大人気のWEBマーケティングやプログラマーを勉強できる機関なんて、僕が学生の頃はありませんでした。
現在小学校で始まったプログラミング授業ですが、はたして子供たちが社会に出ることにそんな仕事なんてあるんでしょうか。
仕事のしかた、職業自体も常に移り変わっている。
ずっと同じでいられるわけがない。
変化はどうしようもなく、予期せず起こります。
その時にいちいち「もうだめだ」と絶望していたら、自分の歩みたいキャリアは歩めません。
だから多くの仕事を楽しみ、主体的にしたたかに社会を生きていける子供たちになって欲しいですね。
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『キャリア・アダプタビリティ』4つの次元
では、子供のうちから教えたい『キャリア・アダプタビリティ』の4つの次元がこちらです。
- 関心
- 統制
- 好奇心
- 自信
『関心(Concern)』を子供に
関心と言っても、とても広いですよね。
ここでは『自分のキャリアへの関心』と捉えましょう。
未来志向であること。
自分のキャリアですから自分で考えないと始まらない。
だけど、ほとんどの場合高校生になっても現実的な社会人生活は見えていないのが現状ではないでしょうか。
原因はまだまだ“自分事でない”ところにあるかもしれません。
将来の自分をリアルに想像できる機会を与えてあげましょう。
「将来何になりたいの?」という投げかけはもちろんのこと、親や周囲の大人たちが仕事の話を積極的にすることもいいですね。
決して前向きな話だけではなくていいと思うんです。
軽く愚痴とか人間関係のめんどくささとかを言ってもいいでしょう。
子供にも悩み相談しちゃいましょう。
大切なのは、「いずれ自分はその場に行くんだ」というリアリティです。
チャンスが在れば、是非職場に連れて行ってあげましょう。
百聞は一見に如かずです。
『統制(Control)』を子供に
英語で「コントロール」の方が分かりやすいかもしれません。
責任は自分、キャリアは自分でコントロール出来るものだと思えること。
「責任は自分にある」という主体性が大切なんですが、ちょっと語弊が生まれやすいので注意です。
決して頭ごなしに何でも怒ることではありません。
「お前のせいだ」ではない。
「お前でも出来る」です。
自分が行動した結果がどのように影響しているのか。
また、自分には何が出来たかを考えさせるのもいいでしょう。
子供は“与えられること”に慣れてしまっています。
これからいかに抜け出すかが大人への、主体性を持っていく道なわけです。
- 「自分で決められる」
- 「自分で変えられる」
- 「自分がやればいい」
そんな感覚を与えてあげましょう。
中学を指定校だけでなく、受験などの検討をさせてもいい。
関心を持った職業の見学に行って、インタビューをさせてもいい。
今日の晩御飯のメニューを考え、買い出しに行かせてもいい。
学校の取り組みに参加させるだけでなく、“自分だけの行動”をつくってあげましょう。
小さな行動実績を積んでいくこと。
整理整頓や掃除をさせることも効果があるはずです。
『好奇心(Curiosity)』を子供に
好奇心も非常に広い意味になってしまいますが、ここでは仕事に就いての好奇心です。
職に好奇心を持つこと。
どんな仕事をやっていても、つまらなくなる人と楽しめる人がいます。
それはまさに好奇心の違いです。
将来就いた仕事が楽しくなるかどうか、成果を出すまで頑張れるかどうか、この好奇心が強く影響します。
これを育むには、「やってみたい」事を増やすよりも「やったら面白かった」の方が大切です。
物事を深堀りすることや、意味を考えたり方法を考えること。
なにか職業に関心を示したら、もっと突っ込んで(嫌がらない程度に)触れさせてあげましょう。
恐竜が好きだったら、博物館に連れて行ったり図鑑を買ったり。
パイロットに憧れたら空港で見学したり。
今はネットにたくさん情報が転がっています。
また、テスト勉強が上手くいかない時にやり方を変えたりして「やった、おもしろいじゃん!」と思うこともいいですね。
諦めるのではなく、「他にも何かある」「もっと奥に何かある」と思えることです。
『自信(Confidence)』を子供に
最後は歩き出す原動力、やってみる勇気や抵抗を軽減する『自信』です。
自己効力感を持つこと。
「自分には出来ない」と思うことが多いと、当然職業選択の幅は狭くなります。
また、何か問題が起きた時に「自分には向いていないな」と諦めてしまう。
「大それたキャリアを描くのはやめよう」とどこかセーブをかけてしまいます。
子供のうちからこれはもったいないですよね。
これには成功体験を積ませることも大切ですが、それ以上に失敗を恐れさせないことも大切です。
「失敗したくない」という気持ちがあると、いざ失敗した時にダメージが大きくなります。
でも失敗にめげない強さがあれば、改善する行動に変わっていきます。
失敗なんて必ずあるものだから、失敗をしないことではなくて、失敗から学ぶことに価値を置きましょう。
大人が手伝ってあげるといいです。
失敗のリカバリー方法は、子供よりも大人の方が知っている。
皿を割ってしまったら、皿の持ち方や置き場所を考え直すチャンス。
遅刻してしまったら、信頼を取り戻すための行動を知るチャンス。
「自分には出来る」
「失敗の先には得るものがある」
「出来なくても、叶わなくても次がある。」
これら4つの『キャリア・アダプタビリティ』は、“前向きさ”と言ってしまえばそれまでかもしれません。
だけど、「前向きになりなさい」と言ってみんながなれるなら苦労はない。
社会を強く生きていくための前向きさ『関心・統制・好奇心・自信』を意識して、子供たちに接していきましょう。