2020年春。
つくば市の小学校で『教育大綱』が交付された。
「一人ひとりが幸せな人生を送るために」とタイトルされた内容は、
キャリアコンサルタントとして、つくば市に住む親として、とても参画したいと思うものでした。
実現しよう!つくばのあした!
(僕の個人的考えです)
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『つくばが目指す考え方』=キャリアコンサルの目指すところ
子供が学校からもらってきた『つくば市教育大綱』。
キャリアコンサルタントとしては興味津々です!
いきなり冒頭から「これはいい!」と思わされることが書いてありました。
つくばで目指す考え方の転換
①「教え」から「学び」へ
一斉・一方向教育から個別・双方向の学びへ
②「管理」から「自己決定」へ
受動から能動へ
③「認知能力偏重」から「非認知能力の再認識」へ
知識偏重の教育から全人教育へ
まさに、このブログでも何度も書いてきたキャリア教育そのものだと思いました。
教えと学びは違う。
今社会で問題となっているのは、簡単に言うと「自分がない社会人」です。
教えというのは与えられるもので、そこに自分の意思はない。
学びはもっと主体的もので、まず始めに「わたしは」がある。
自分の「ああしたい」「こうしたい」があるものです。
さらに現代社会では、職業選択ができないことが問題になっています。
自己決定力が乏しいんですね。
どうしても、「どうしたらいい?」「何が正解?」と周りに求めてしまう。
今まで管理されていたのに、いきなり「自分で考えろ!」と言われる。
多くの社会人は、このギャップに悩みました。
自分で決められる若者を育てようとしているんですね。
また、知識偏重は過去の終身雇用の爪痕。
入社すれば安心、そのための学歴を持てば安心。
しかし今の時代、従来のテストでは測れない力が社会では求められている。
「やる気」とか「やり抜く力」とか、「リーダーシップ」などの実態として社会で必要なものです。
僕もこの考え方には大賛成だし、子供を持つ親として、キャリアコンサルタントとして、自分も参画したいと強く思いました。
つくばの教育の柱は『自己理解』と『他者理解』
また、『個』について書かれているのがとても共感できました。
僕もこのブログの想いは『みんなが自分の色で光る世の中にしたい』というもの。
同じ想いを自分の住んでいる市が冊子にしてまで発信してくれている。
こんなに嬉しいことはないですね!
やはりこのブログでもたくさん書いてきましたが、『自己理解』について書いてあります。
興味ややりたいこと、強み・弱み、将来のイメージや自分ができること。
キャリアの主体を自分自身で持つためには、自己理解が何より大切ですよね。
そして僕は、自分を知るためには他人との違いを知らないといけない、
他人を否定することは自分の輪郭をぼかしてしまうことだと思っています。
これについても『他者を知る』と書かれていました。
多様性を活かしきるには、個性をつぶし合っていてはいけない。
「自分はこう」「あなたはこう」と、お互いを認め合ってこそ人間は人間である強みを発揮できます。
他人を認めることは、自分を認めること。
違いを認めることが、個性を活かすことですよね。
また、教育では地域について触れられることが多くなってきました。
教育大綱にも、地域社会について知り相互関係を持つことが書かれています。
現代の社会人は、意外と環境問題や自分をとりまく地域社会に興味がありません。
すると、自社のことだけ考え、結局広い社会にとって利のない行動しか見えなくなったりする。
仕事って本来そういうものではないですよね。
会社を良くすることではなく、みんなの暮らしを良くするもの。
社会の中に生きている自分を認識することは、とても大切なことだと思います。
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特に新しさのある『つくばの学び』
また、持続可能な社会を実現するためにつくばの「学び」の特徴が書かれています。
特にキャリア教育と関連性が深く、実社会において個人に必要だと思うことをいくつか挙げていきます!
その他大勢に流されない「批判的精神」
「批判的精神」と聞くと、今多くの社会人は「協調性なくなるんじゃない?大丈夫?」と思うかもしれません。
しかし、本当にそうでしょうか?
- 「本当にそうなのか?」
- 「根拠はあるのか?」
- 「どの観点から見たら?」
- 「どの切り口の数字?」
- 「もっといい方法は?」
- 「それが最善か?」
- 「メリット・デメリットは?」
このような衝突・葛藤があるから人間の組織は強いんです。
違う目線で見れる人同士が協力すれば、自分だけではたどり着けない答えにたどり着けるんです。
逆に考えてみましょう。
「協調性」と言う名の我慢をしていると、新たな可能性は生まれづらい。
顕著に見えるのが、地域集落の会合などです。
誰も意見を言う人はいないし、何も言わないのが正解という雰囲気しかありません。
なぜ集まっているのかも分からないですね。
自分の考えがないと、周りに流されてしまいます。
SNSなどでよく見かけませんか?
急に考えを変えたりする人。
人は『怒り』や『美しい言葉』に賛同したくなってしまう習性があります。
だけどそれが正しいとは限らない。
本当の正しさとは、自分の考えに沿ったものですよね。
ポイント
『自分を持つ』ことが許される。
『自分を持つ』ことを許す社会がこれからの新しい社会。
「非認知能力」は生きる力
2020年から小学校で始まった新学習指導要領のテーマは『生きる力』です。
これ、今の学校だとなかなか難しいとは思います。
だけど実際社会で起きている問題を見たら、IQよりも必要なものだと思います。
なぜ学校では難しいのかというと、テストで測りづらいから。
つまり『非認知』だからです。
- 挑戦する
- やり抜く
- 自分で考えて動く
- 責任を持つ
- リードする
- ルールを作る
- ルールを変える
- 教える
- 一人ひとりが楽しめるようにする
こういったことを“遊びの中で”高めようと。
なんてすばらしいんでしょう・・・
これは、“教えられる”ものではないんですよね。
学校の教室でスクール形式でこれをやれと言われても、先生が困るだけです。
僕が人事で仕事をしていた時に、どうやって社員を成長させるかを考えていました。
すると、気づいたのは「成長させることはできない」ということ。
できるのはただ環境を与えることだけです。
仕事で必要な創造性は、勉強の中にだけあるわけではない。
現実社会で本当に多い、「ちゃんとルール作ってくださいよ」という社員。
僕は思います。
「なんであなたは作ろうとしないの?」と。
面倒だとは思います。責任を持ちたくないのも分かります。
だけど、そんなに人の作った型の中だけで行動して、自分の想いは反映されるのかなと。
遊びの中で、まさに自分の行動に“あそび”をつくる。
これは必ず社会で役に立ちますね。
僕も子供たちができるワークをたくさん考えたいと思います。
「変えていいんだ」
「自分がやるんだ」
「楽しいな」
そう思いながら仕事をできる社会人が生まれてくるビジョンを持つと、本当にワクワクしますね。
挑戦と自己肯定感
これはぜひ、大人たちに知っておいてほしいものです。
現代社会での問題。
「リスクを取れない」こと。
若者のことだと思いますか?
もちろんそれもありますが、僕が一番感じているのは中年層です。
終身雇用は徹底して安定を求めました。
そして安定の場所を手に入れたらそこに留まる。
これが今、問題になっていますね。
リスクを取らないことは、頑張らないことです。
しかしこれを若者にも求めてしまったらどうなるか?
安定を目指すことは正解を持つこと。
「アレはダメ」「コレもダメ」と挑戦する機会を奪ってしまいます。
挑戦をしないとどうなるか。
失敗が減ります。
失敗が減るとどうなるか。
失敗が怖く、失敗のダメージが大きくなります。
自己肯定感が弱くなってしまう。
「最近の若者は挑戦しない。」とか
「そんな小さなことでくよくよするな」と言う前に。
まずは大人が挑戦して間違うことから学んでいるかを確認するということ。
大人が変われば、子供は絶対変わると思いますよね?
子供は好奇心・挑戦心のかたまりですから。
失敗(挑戦したこと)を賞賛すれば、自己肯定感は上がっていきます。
つくばは学校の体制・環境を変える
無理のある体制を変える
今の学校の体制についてもしっかり書いてあるのが「さすがだな」と思いました。
学校の環境を変えるのは、容易ではありません。
かなりのエネルギーがかかる。
だけどこの根本を変えないといけないと、すでに取り組んでいる。
僕も是非ここには協力したいなと思います。
先生は文部科学省からの通達どおりに、やらないといけないことがたくさんある。
だけどもうさすがに、これ以上は・・・と僕でも思います。
教育の現場と日本の目指す教育にあるギャップ。
埋められるのは第三者の存在。
僕はそんな存在であれたらと強く思います。
市では学習方法や環境を用意しようと、すでに動いている。
あとは・・・
参画しよう!保護者として、地域社会として
あとは、僕たちが参画すること。
僕はキャリアコンサルタントとして、また、元人事部長として社会の実態を見てきて
やりたい事がある。
変えないといけないと思うことがある。
同じ想いのつくばがもっと好きになったし「つくばに何かしたい!」と思います。
これはつくば市に限ったことではないと思います。
キャリア教育は、社会の実態を知っている人こそができる教育です。
保護者や地域社会が教育に参画することで、どんなに社会はよくなるだろう。
忙しさとか、参画できない理由も変えていきたい。
出来ることから、自分の周りから始めていきましょう!