企業内キャリアコンサルを導入する時に、ほとんどの経営者が不安に思うこと。
「社員にとってはいいけど、会社にとってはデメリットが大きいんじゃない!?」
元人事部長キャリアコンサルタントとして言いたい…誤解です!
時代の先を見据えればメリットだらけ。
個人が主体性を持つ会社の不安
「辞めちゃうんじゃないか」
企業内のキャリアカウンセリングというのは、社員さん一人一人にキャリアコンサルタントが個別面談を行い、お仕事のモヤモヤや今後のキャリアについてカウンセリングをするものです。
すると経営者としては、「自分のやりたいことに気づいて辞めちゃうんじゃない?」という不安があります。
でもコレってよく考えれば逆効果なんです。
特にこれからの時代は。
なぜかと言うと、若い人を中心に社員さんは「会社が80歳まで雇ってくれる」とは思っていません。
人生100年時代と言われていますよね。
今までのように終身雇用を期待している人はほぼいないんですね。
そうすると、どういう時に社員さんは会社を辞めたくなるか。
「この会社にどっぷり浸かってしまったら、自分の将来のキャリアが危ない」と思った時に辞めたくなります。
そう、今までとまったく逆なんです。
「この会社なら定年まで働ける」ではない。
「この会社なら自分のキャリアの役に立つ」と思える会社で働きたいんですね。
会社が社員のキャリアの自由を奪うほど、社員はモチベーションを落とす。
「言うこと聞いてくれなくなるんじゃないか」
それから個人がキャリアに主体性を持つと、「会社の方針に背く社員が出るんじゃないか」「会社の指示に従ってくれなくなるんじゃないか」という不安もあると思います。
これも心配無用です。
個人がキャリアに主体性を持つというのは、今の環境を自分のために使っているという感覚を持つことでもあります。
つまり、今までは「何でこの会社にいるんだろう?」と疑問やモヤモヤを抱えていた社員が、「自分のキャリアのためにこの会社にいるんだから、自分のために頑張ろう」と思えるようになる。
逆に考えてみましょう。
会社の方針に背く社員は多くの場合“主体性がない”社員です。
自分は何をしたいのかを持たない社員は、嫌なことがあると文句を言いたくなり、周囲のせいにする傾向がある。
積極的に会社の方針に異を唱える必要は、主体性を持つ社員にはないんです。
それに、本当に「会社と自分の生き方は全く違う」と思ってしまった社員がいるとしましょう。
その人を騙し騙し社員として雇っておくメリットはそんなに大きいでしょうか?
辞めるべき人だけが辞めるという意味でも、会社にはメリットが大きいはずです。
自分のキャリアに主体性を持つ社員は、会社の方針も自分の目的とリンクさせる。
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個人がキャリア主体を持つ会社のメリット
「ここにいる理由」を持つ
人生100年時代とかVUCA時代とか言われている現代では、 社員は将来を真剣に考えています。
何が起こるかわからずどう変化するかわからない未来に自分は適応していけるんだろうかと。
終身雇用が崩れ、会社に所属しているだけで安心感を得ることは困難になっています。
そこで安心を得られるのは、自分自身が成長しているとかスキルが身に付いているとか将来使えそうな実績や経験が積めているかどうかです。
社員は常に「この会社にいる理由」を考えている。
だけどキャリアコンサルタントから言わせると、「ここにいる理由」を得るためにはあまりに情報不足です。
キャリアの基礎知識、時代背景、そして何より『自己理解』をしないと始まらないのに、人の特性についてや他者理解について現代の社会人はほぼ教育を受けていません。
つまり、「ここにいる理由」を持たせられるのは会社ではありません。
本人が自分で答えを出すしかないのです。
企業内キャリアコンサルは、カウンセリングとともにその答えを出すため必要な情報を与えていくものなんですね。
「自分のため」に頑張る
会社には社員のモチベーションの問題があります。
常にモチベーションが起きないように取り組みをしたり、上司はマネジメントに奔走することになります。
モチベーションが低下する要因の一つには「働く意味」を持たないことがあります。
これ、会社からすれば、本人が「働く意味がわからない」と言っていたらどうしようもないですよね。
激しい上司の方だったら「だったら辞めちゃえよ」と思っているかもしれません。
でも、働く意味は自己理解をしないとなかなか持てません。
逆に言えば、自己理解さえできれば「働く意味」に芽生え、自律自走して勝手に高いモチベーションを保ってくれるようになる。
「辞めちゃえよ」と切り捨てる前に、キャリアカウンセリングをすれば化ける可能性があるんですね。
外圧によるやる気ではなく、内面から来る欲求に気付くからです。
「自分のため」に頑張る社員が増える。
どうですか?
誤解だということが分かっていただけたでしょうか?
これから先、個人と会社はもっとwinwinの関係を目指していくことになるはずです。
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