時代の流れで各業態には変化の波が押し寄せています。
ガソリン車や製鉄の需要減少、無視できない環境問題への世界的方向性(SDGs)など、いくら個人や企業が自分の都合を押し通しても結局持続不能に陥ってしまいます。
価値の転換ができるかどうかがカギ!
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「ウチは変われない」では済まされない未来
現在の社会は、一見コロナによって引き起こされた問題が多いと思われるかもしれません。
確かにそれもありますが、ほんの数年前倒しになっただけで、いずれ来る未来だったと僕は思っています。
そもそもの要因になっているのは
- 日本の人口減少
- 世界規模の環境問題
ではないでしょうか。
そしてこれは何年も前から確定していた事実であり、この本質的な問題から目を背けて各企業が目先の利益を追わざるを得なかった資本主義構造も要因ともいえるでしょう。
ただ上手くいってきた時代もあった訳で、そのおかげで今があります。
つまり、大切なのはいつでも“これからはどうするか”です。
「過去とは違ってしまった」と嘆くのではなく、主体的に時代に合わせて変わっていこうという姿勢が大切ではないでしょうか。
「ウチは変われない」なんて言っていられない未来が、もうすぐそこに来ています。
環境問題⇒工場の低迷⇒局所人口減少
抗えない時代の流れがあります。
「そこを守らないとみんなの地球が危ない!」となったら、さすがに目先の利益どころではないですよね。
例えば、ガソリン車の需要は減っていきます。
ある程度趣向性もあるので少数は残るかもしれませんが、すでにガソリン車を禁止するという国も出てきています。
この背景には「環境問題」があります。
これ以上二酸化炭素を増やせないので、ガソリンを燃やすのを止めましょう!ということです。
ガソリン車なんて、日本の一大産業ですよね。
これがどう頑張っても売れなくなる。
「ガソリン車に乗ることが悪」のような風潮が始まってしまうからです。
すると、エンジンは必要ない、部品も必要ない、技術者もいらない、製造者もいらない、雇用が減る。
工場は要らなくなり、工業地帯だった町は廃れていきます。
局地的に人口がなくなり、維持できなくなる自治体も出てくるでしょう。
実際に僕が住む隣町でも学校の統廃合が急激に進み、人が戻ってくる気配がしません。
むしろ今は工業地帯から田舎に人が戻っていくような現象が見られています。
環境問題などの変化に適応できないことで、町すらなくなってしまう。
この解決のためには水素の開発やテクノロジーの発達がキーになっていて、あと10年20年はかかると言われています。
SDGsのように、会社の都合を超えて地球の都合が優先されつつある世の中です。
遺産に変わる製鉄
これと同じことは、実は過去にも起こっています。
例えば日本の世界遺産『岩見銀山とその文化的景観』があります。
その当時日本は全世界の銀の3分の1を算出していたという価値がありました。
しかし今は世界遺産として、当時の伝統的な技術や文化を知らせる景観が残っていることに価値があります。
それから『明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業』も世界遺産です。
比較的新しい文化が世界遺産に登録されたことに驚く人もいるでしょう。
しかし、すでに製鉄所が『遺産』なのです。
次々に閉鎖され、日本を支えた製鉄という産業が衰退した。
だから遺産と言う価値に転換する。
今度は工業です。
いずれ工業地帯全体が“文化的景観としての遺産”と言われるようになるかもしれませんね。
時代に合わせて変わることの出来た会社だけが生き残ることができる。
個人もそれは同じです。
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古き良き伝統は滅びない?
遺産になれば生き残っていけるのか?
伝統は伝統のままで滅びずに残っていけるのか?
残念ながらそれは不可能。
形を変えて生き残らなければいけないんです。
特に価値の変換が必要です。
例えば先に挙げた世界遺産は、本業としての役割を終え遺産として残っています。
しかしそれでも、本業をしていた頃のように人の雇用を守り続けるほどの価値ではありません。
京都などは古い文化と新しさが融合し、売れる商品や価値をつくり上げている会社が多いのではないでしょうか。
「やっぱり着物はいいな」と思ってもらえる仕掛け。
失ったシェアを取り戻す仕掛け。
過去の技術を応用した別業態への転換。
そんな転換に成功した商品が生き残り、雇用が守られます。
能の世界でも常に新しさが追求されたり。
名産品や農産物も売り方を変えたり取られる手数料を削減したり。
いくら『古き良き』でも、昔と同じやり方では必ず消滅してしまうんです。
価値の転換と方向修正
これからの世界と今までの世界では何が違うんでしょうか?
今まで日本社会では、競争により革新を起こしてきました。
これは確かに先進国への大きな推進力になったでしょう。
しかし、これからはSDGsのように世界的な規模で約束事が成されています。
つまり、今までのように好き勝手出来ない世の中になってしまったということです。
環境問題などの世界的方向性に合わせないと結局生き残っていけません。
今までは会社の都合でよかったが、これからは共通の問題があるのでそこに合わせていく。
方向修正が必要です。
自動車であれば二酸化炭素の出ない技術。
電力であればソーラーパネルで森林を伐採しないやり方。
伝統的な価値が失われるなら、伝統を駆使して新しい価値を生むこと。
独自の技術を応用した独自の新しい商品開発。
価値の転換です。
価値の転換と方向修正
「ウチは変われない」と言っている場合ではない未来が、すぐそこまで来ています。