会議やミーティングで『満場一致』になるととっても気分がいいものですね。
でも、ちょっと待ってください!
本当に全員が気持ちのいい満場一致なんて、ありますか?
そんな明らかなことを議題にする意味がありますか?
議論あっての会議、個人の意見が最も貴重?
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『満場一致』は一番あやしい
「それがきっと正しいんだろうな」
会議やミーティングで『満場一致』になると、とても気持ちがいいものですね。
だけど、今回はそんな気持ちの良い満場一致である必要なんてないよ~という話です。
そもそも、会議に出ている人数が全員コロッと意見を変えているその状況自体を考えてみましょう。
「何かしらのバイアスがかかっているな」と考えるのが普通です。
この時、少数派の意見だった人は「なるほど、きっとそれが正しいんだろうな」と思っているはず。
ここに至るまで、本当にその少数意見は同等に検討されたのか?
会議はしょせん会議なので、その場で答えが出ることなんて稀なわけです。
必ずその後の“検証”が必要になる。
それなのに一致しているのだから、「きっと・・・」なんです。
検証する前に意見を引っ込めてしまうのは、とてももったいないことだと思います。
満場一致の時ほど、「何が起こっているんだ?」と掘り下げて考える。
実はこうなのに、それでいいの?
では、どんなバイアスが考えられるでしょうか?
実はこんなことが起きているのかもしれません。
一番よく目にするのが、自己主張が強い人に引っ張られる形です。
自己主張が強いということは、自分の意見をどうしても認めさせたいので、発信量も多く語気も強くなります。
それだけ確信を持っているように見えるので、聞いていると「そうかもな」と思えてくる。
でも実際は、『自分の意見を押し通したい人』と『他人の意見を受け入れやすい人』の構図です。
意見の良し悪しに関係なく引っ張られてしまうので、マネジメント側は注意が必要。
それから、本人も無意識で根回ししたような形になっていることもあります。
会議が始まる前に「これってこうだよな~」と、意見について共感を求めてしまう場合です。
テストの前に「答えは〇〇だぞ~」と言っているようなもので、特に自分の意見が弱い人は喜んで賛同します。
これでは集団の会議というより、個人の劇場ですね。
その意見が最善かどうかに関係なく決まる満場一致の可能性は大いにある。
そんな会議でいいの?
集団である価値が下がる
会社というものは、集団で大きなことを成すものです。
大きくなればなるほどトップダウンだけでは立ち行かなくなる。
そこにいる社員一人一人の力を結集させてなんぼなわけです。
でもせっかく集団で、個性豊かな社員がいろんな意見を持っていたとしても、実際に採択されるのがほんの一部の人の考えや気づきだけだったら・・・。
偏った人の意見だけを尊重すると、会社であることの強みは半減してしまう。
だから会社が用意すべき環境は“より多くの意見・情報を拾い集める”環境です。
目立たない人や周囲の意見の方を尊重する人から意見を聴取出来るようになれば、今までの倍は情報量が増えるでしょう。
せっかく多くの人で集まっているのなら、その強みを活かさない手はないですね。
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素直な疑いを持て!
自分の気づきに率直であれ
職場では人間関係を円滑に保ったり、人それぞれを尊重したりと色々難しいことが多くあります。
でも、会議やミーティングは意見を出してこそ価値がある。
その環境は基本的に会社が用意するものですが、個人も自分の気づきに率直でありましょう。
最初に考えた自分の意見を大切にするということです。
その場に自分の他にその意見を出した人がいないならなおさら。
自己主張の強い人と争ってまで意見を通したくはないと考えると思いますが、会社にとっては選択肢を増やすチャンスなんです。
波風をあまり立てずに、それでも自分の考えたプロセスをしっかり伝えられるといいですね。
自分の気づきは会社にとっての貴重なチャンス。
むやみに捨てるものではない。
満場一致ほど疑え
場が満場一致になっている時、自分も“持っていかれている”可能性は高いです。
何かしらのバイアスがかかっているかもしれないということですね。
だから『満場一致になった時こそ疑え』と肝に銘じていくと、何が起こっているか気付けることがあります。
出来れば社員全員でこの共通認識を持っているといいですね。
みんなが『満場一致には何かあるぜ…』と考えていれば、一度立ち止まってしっかり検証することが出来ます。
それに、個人の意見も圧倒的に歓迎されるようになる。
より多くの意見に対して検証するクセをつけよう!
このような雰囲気を持った会社は本当に強いです。
誰も思い浮かばないような画期的なアイデアは、最初は批判の的になるものです。
きっと日本中で、世の中に認められればスゴイ成果を出すことになった意見がゴマンとあるでしょう。
スゴイ会社というのは、意見を持つい人がいるのがスゴイわけではない。
意見が拾い上げられ、検証されるのがスゴイんです。
小さな意見や突拍子もない意見にどん欲な社風になるといいですね。
健全な批判力
『健全な批判力』というのは、文部科学省が高校生に養おうとしている教育目標のひとつです。
建設的な批判的思考、『クリティカルシンキング』とも言われます。
「本当にそれでいいのか?」
「十分に検証されているのか?」
「もっと考えられる点はないのか?」
現代社会の多くの会社では、子供たちが思っているよりも驚くほど情緒的に回っています。
論理的に考えればもっと正解に近づくのに、「とにかく当たって砕けてみよう」と、極端に言えばそんな感じでやっている会社は少なくない。
これから先の社会、今までと同じ数の失敗を出来る社会ではなくなってきます。
社会の進んでいくスピードは加速の一途です。
その代わり、過去には膨大なデータが蓄積され、そのデータには簡単にアクセスが出来る。
『ちょっと待った!』をかける人がいて、その場で掘り下げれば、しなくていい失敗をしなくて済むんです。
保身などの批判は健全ではありませんが、会社にとって財産となる批判はとても貴重で健全なものです。
自分の気づきを大切にしてあげましょう!