会社の問題を考える上で、どこにでもあるのにとっても重い『裸の王様』問題。
自分の恥ずかしい姿が見えていない社長という構造、一体だれが作っていて誰が悪いのか?
ありふれた問題の当事者は社長だけではないかもしれません。
新時代のキャリアは民ではない?
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社長が陥る『裸の王様』
おだてられても気づかない?
あなたの会社ではこんな言葉を聞いたことはないでしょうか。
「ウチの社長は裸の王様だからな!」
社長は社員からおだてられているけど、実はとても恥ずかしい態度をしているということ。
でも周りの人はそんなことを言うと評価に響くので言えないという構造ですね。
結果、社長本人はおだてられていることにも気づけなくなってくることがある。
会社の社長に限らず、若者から見た“ある程度権力を持った”年長者全般にこの危険はあると思っていいでしょう。
おだてられても気づかないとどういうことが起きるか?
社員が社長をおだてる理由は単なる優しさでしょうか。
いいえ、おそらく自分の評価や悪く思われないためでしょう。
つまり、社内の評価がねじ曲がる可能性が高いということです。
まともな社員は常に言いたいことが言えずにフラストレーションを溜めていく。
そして、ゴマすり社員が昇進していく環境に耐えられなくなった優秀な社員は辞めていきます。
それでも社長は「それで正解」と思ってしまうから怖いんですね。
分かっているけど抜け出せない?
さらに、社長としても“おだてられていることに薄々気づいていても抜け出せない”ことがあります。
「おだてるな」と言ったところですぐに止むわけでもない。
「本気で言ってんのか?」と問いただしたところで「実は・・・」と言える社員は少ない。
そして、一番は「あんまり求められても完璧にはなれそうにない」と思う社長が多いのではないでしょうか。
だから甘んじて、裸の王様状態を受け入れているということです。
「悪いことは全部直すから、何でも言ってくれ!」と、あなたが社長なら言えるだろうか?
残念ながら、社長だからと言ってそんなにタフな人ばかりではありません。
それに中小企業程度であれば、会社は社長のものです。
裸の王様でいることで精神が保たれるのであれば、そちらを選ぶのではないでしょうか。
多少のワガママは叶えられて当たり前でもあるんです。
社長だって人間なのよ
社長だって人間である。
神様ではないから、社員の思っていることを全て見抜けるわけではない。
社員が求めることを全て受け止めることも出来ないし、変わるにも限界がある。
だけど、どこかで諦めのスイッチが入ると一気に裸の王様現象は加速してしまいます。
社長が「もうムリだ!俺にもう何も求めるな!」とはっきり言ってしまったら…。
社員たちはもう何も言えない環境になってしまいます。
そうなる前にバランスを取っておくことが大切なんですね。
社長が諦めのスイッチを入れないように、求め過ぎや急ぎすぎには注意が必要。
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社員がつくる『裸の王様』
ちょっと言いづらいからって保身に走る?
ということは『裸の王様』問題は社長が一方的に原因なわけではなく、おだてあげてしまう社員にも原因があるということです。
ホイホイ社長や上司をおだてる人を見ると、嫌な気持ちになる人も多いでしょう。
しかもそんな人たちが評価されてしまえば、それが正解になり、よりゴマすり人口は増える。
これに抗いながら会社に居ることができる社員は相当なツワモノ。
ほとんどはバカらしさを感じて転職を考えると思います。
この最初にゴマすり人間を増やさないことが大切だと思いますよね。
ただ、社員としては社長に高圧的に出られたりちょっと嫌な顔をされたりすると、ほぼ間違いなく怯えます。
自分の人生を握っている人だからです。
目の前にライオンが現れて、「絶対勝てない…」と思ったらどんな行動を取るでしょうか。
エサになりそうなものを探したり、「どうどう…」と落ち着かせたり、なんとかなだめる方法を探すと思います。
ライオンにケンカを売られたからといってすぐに買う人はなかなかいません。
保身に走る行動は人間として当然ともいえる。
それが悪循環に陥った時に『裸の王様』問題は加速する。
どこかで誰かが「ゴマすりになってるぜ」「今の環境は良くないぜ」とブレーキを掛けることが大切なんです。
この会社の自浄作用が機能しなくなった時が危ういんですね。
“まいってる人”にどう接する?
社長にも完璧を求めてはいけない。
なぜなら、社長も追い込まれてしまうからです。
「窮鼠猫を噛む」という言葉が社長には適用しづらいと感じているかもしれませんが、先ほど書いたように社長も普通の人間です。
あまり「変われ!変われ!」と言われると、「もうムリだよ!」と言わないといけない時が来ます。
精神的にまいってしまっている人に、同じことをするでしょうか。
「いいから頑張れ!」なんて言わないですよね。
王様に「服着てないですよ!」「ズボンはいてないですよ!」「靴下!」「上着!」なんて立て続けに言っても、一気に切れる訳がないんです。
だから時には、待ったり、何も言わないことを選択したり、嘘をつかない範囲で社長に優しくすべき時があるはずです。
でもでもでーもです。
やっぱり社員だって人間なんですね。
そうそう簡単に行かない構図だから、いろんな会社でこの問題は起こるんです。
社員だって人間なのよ
社員からすれば、いつでも首にカマを当てられている状態とも言えます。
つまり、社長と社員という関係である以上、すでに社長は畏怖すべき存在であって、無条件で怖いものなんです。
こびへつらう人を見ると、あさましいもののように思われてしまいますが、人間社会はそんなに単純ではありません。
漫画のように怒りがヒーローのような力を目覚めさせることはないわけです。
今でこそ『裸の王様』なんて言えますが、過去の歴史を振り返ればこれが言えること自体が幸せである事が分かるでしょう。
正義感が自分を殺す時代もあり、相当な覚悟を持っていないと“ゴマすり”から抜け出せない時代や場所もある。
混沌としたこの環境の中でも、うまくやってきた人間はとても素晴らしいバランスをつくり上げているなあと感じずにはいられません。
ただ!ただです。
やはりゴマすりする環境はイヤだ!と思う人は増えています。
これはとても健全であり、目指すべき姿であり、今こそ平等な社会を獲得するための努力を必要とする時だと思っています。
僕もその一人であり、フリーランスの道を選んでいます。
これから『裸の王様』ではいられない
最後に今回のメッセージとしては、「うまくやりましょう」ではありません。
理想を目指す方向です。
その理由は、もちろん僕自身が望んでいることでもあるし、みんなが望んでいるということもある。
でも一番は、時代がそのようになっていくからといった方がいいでしょう。
個人が民ではなくなるからです。
民というのは、ある意味自分の人生を王様に預けて生活を保障してもらっている人。
少し大げさに言えば、一人ひとりが自分で稼ぐ時代が人生100年時代です。
構造は王様と民というような絶対的上下関係ではなく、いくらか対等な立場に変化していきます。
社員の責任や主体性が求められる時代になってくるということです。
個人の人生を握っているのは社長ではない。
自分のキャリアのたずなを握っているのは自分自身。
だから社長と自分の主張が相反した時には、怯えることなく対立する姿が理想です。
相手がライオンなら、自分もライオンです。
社長にとっては、気分は楽になるかしれませんが、人材戦略は今まで通りいかないものがある。
個人にとっては、終身雇用の神話に頼らず新しい価値観で生きていく必要がある。
それでも、“ゴマすり”がきらいな僕たちは、きっと新しいこの世界を望んでいたはずです。
楽しんで成長していきましょう。