会社でも軽視されがちな『振り返り』。
自分一人の事となるとよけいにやる気が起きないですよね。
でも最近重要性が指摘されている『キャリアの棚卸』を定期的に行うことこそが振り返りです。
自分の過去を無駄にしないために、しっかり踏み固めて積み上げよう。
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キャリアの棚卸をしないと!?
根拠が生まれない
【期間キャリアの棚卸】と題しました。
キャリアの棚卸は転職の時に一回やればいいと思っている人が多い。
でもこれはとてももったいなくて、定期的にやってこそしっかり地盤が固められて経験を積み上げることができると思うんですね。
つまり、ありふれた言葉ですが『振り返り』を疎かにしない方がいい。
意外とこぼれ落ちている宝物は多いかもしれません。
では、定期的にキャリアの棚卸をしないことで、どうなってしまうんでしょうか?
期間キャリアの棚卸(振り返り)をしないと、根拠が生まれない。
棚卸をする上で大切なのが、『成果』を明確にすることです。
何が○で何が×だったのかを客観的に判断する。
この定量的な成果が、これから一年行動していくことの根拠になります。
やっていることに根拠を持つと、根拠のない事は排除したくなります。
漠然とやっていたこと、思い込みでやっていたこと、惰性でやっていたことなどを止める勇気を持つことができる。
必要なことに集中し、不要なことを削ぎ落し、より楽に成果を上げやすくなるということです。
ノウハウが溜まらない
また、根拠がない事でノウハウも溜まりません。
ノウハウが溜まらないと、毎回・毎年イチから考え直すようなイメージです。
せっかく引き出しの中に素敵な道具を入れるチャンスなのに、みすみす使い捨てしてしまうんですね。
期間キャリアの棚卸(振り返り)をしないと、ノウハウが溜まらない。
成果が出たことは、成果が出た理由があります。
それが自分(チーム)の大切なノウハウです。
プロセスや環境、能力や条件など、「コレがあったから成果が出た」と言うことを再現可能にする。
個人でも会社でも、一歩ずつ前に進むにはノウハウの築盛が大切です。
3歩進んで2歩下がると言いますが、ノウハウを積まない限り毎回3歩下がることになるんです。
それこそ究極のムダ。
半年に一回、年に一回でもいいから、少しだけ時間を取ってその後の期間の無駄をなくしましょう。
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【期間キャリアの棚卸】振り返り手順
全部書き出す
では、振り返りの手順です。
まずはその期間(半年~1年)にやってきたことを全て書き出します。
以下のフェーズの順にやっていきましょう。
- ①成果地点(外部)
- ②プロセス(内部)
- ③環境
ちなみに。この中身も区分した方が分かりやすいと思います。
①成果地点(外部)
たとえば個人でインターネットの物販をやっていたとします。
成果と言えば「売上」が上がった地点になると思いますが、ここではもう少し広く区分していきましょう。
1.商品名
2.販売方法
3.営業・広告
4.付加価値
など、お客様に関わる外部の情報です。
とにかく思いつく限り、ドバーっと書き出します。
②プロセス(内部)
今度は、その成果のために行った行動、内部の自分(チーム)しか知らない情報です。
たとえば、このような区分で書き出しましょう。
1.販促活動
2.商品仕入れ(開発)
3.ショップ運営
4.ルーティン
5.学び・研修
など、“実際に業務として行うこと”を書き出します。
③環境
最後に、そのために必要だったと思う環境を書き出しましょう。
このような区分があると思います。
1.仕事場所
2.仕組み
3.ツール
4.支援(仲間)
5.時間
ここでは特に、「ヒト・モノ・カネ・情報・時間」などと言われる自分(会社)の資源を書き出します。
成果を追記する
以上を全部書き出したら、今度はそれぞれの成果を追記していきます。
さらに、成果の順に並び替えをしましょう。
①成果地点は数字になりやすいので、そういうものは出来るだけ定量化してください。
『販売個数』『売上』『利益率』など、いずれか最も重要だと感じる観測地点を選んで追記していきましょう。
ただし、区分ごとに同じにしてください。
商品Aは販売個数なのに商品Bは利益率にしたら、並び替えが出来ないので「結局どの順でいいのか」が分かりません。
1.商品名…商品A【100個】、商品B【80個】、商品C【50個】・・・
2.販売方法…HP【50人】、実店舗【30人】、BASE【3人】・・・
3.営業・広告…インスタ【1000件】、口コミ【500件】、BASEお気に入り【50件】・・・
4.付加価値…割引セール【70個】、タオルプレゼント企画【30個】・・・
このように、何が良かったかを明確にしてください。
②のプロセスは少し考え方を変えましょう。
ここで言うプロセスの成果とは、『一番いい成果地点につながったもの』です。
つまり、並び替えた①のためにやっていることは何なのかを明確にしましょう。
自然と上位に大切なプロセスが来るはずです。
追記するのは、『時間』や『工数』など効率に関わる部分です。
並び替えはあくまで成果に繋がった順。効率のいい順ではありません。
③も同じで、①②のために必要だったと感じる順に並べていきます。
追記するのは、『コスト』などがいいと思います。
捨てることを決める
全て書き出し、大事な順に並び替えました。
次にやることは、『捨てる』ことです。
成果を明確にしたおかげで、『あまり役に立たなったこと』が分かったでしょう。
特に優先的に捨てるものは以下のようなものです。
1.成果が出ていないこと
2.資源がかかる割に成果が少ないもの
3.成果に繋がっていないプロセス
これで無駄な活動をせずに、成果の出ることに集中できるようになります。
多くの場合、惰性で続けていることに時間を奪われ本来やるべき活動を阻害しているので、捨てることがとても重要です。
ただ、成果が出ていることは、たとえ効率が悪くても排除しないでください。
強化(効率化)することを決める
次に、『何を強化するか』『何を効率化するか』を選択してください。
ここは何も考える必要はないですね。
1.成果が出ていることを強化
2.成果が出ているけど効率が悪いプロセスを効率化
自分の感覚よりも客観的な根拠を元に考えることができていると思います。
強化するとは、予算・回数・時間などの資源を投入すること。
効率化するとは、成果を下げずに資源を減らす方法を考えることです。
新しいことにチャレンジする
最後に、『新しいことへのチャレンジ』も1つ~3つ考えましょう。
ここも非常に重要な点です。
『だとしたら、これも成果が出るんじゃないの?』と考えることです。
振り返りのたび、必ず1つ~3つは出しましょう。
新たな仮説を打ち立て、検証の材料にしてください。
これがない限り、過去の成果に捉われた戦略から抜け出せません。
ポイントは、『捨てること』の方を多くすることです。
新しいことをやるばかりで、結局すべてが中途半端になるというのはよくある話です。
始めるためには捨てる。
捨てるためには根拠を明確にする。
振り返り=積み上げ=洗練
さて、今回は「期間キャリアの棚卸は大事です」ということと「振り返り方法」について簡単にお伝えしました。
この振り返り、『捨てる』ことが大事だと書きました。
「あれ?積み上げてないじゃん!」と思った人もいるかもしれません。
安心してください。捨てることも立派なキャリアの積み上げです。
振り返り=積み上げ=洗練
無駄なことをしないということも、重要な積み上げなんです。
また同じことを繰り返さないように、しっかり振り返りを行い、ノウハウとして溜めていきましょう。