キャリアを知る者

キャリアアップしたい キャリアとは何か

『キャリア』を知る者が企業に与える価値【共通認識】で利益は上がる

2019年11月29日

『ひとつながりでない社会が、生産性を下げている現状がある』

そんなふうに今思っています。

 

長く中小企業で人事に携わり、多くの問題に直面してきました。

会社を離れ、キャリアについて学んだ時に自分がいかに無知だったか反省するとともに、解決への道が繋がってきたように感じます。

『教育』ー『社会』ー『企業の利益』ー『個人の利益』これを繋ぐものが

広域で捉える『キャリア』だと考える。

すると、多くの社内の問題が事前に解決されるべきものに見えてくる。

この記事は

  • 企業にとっての『キャリア』の価値
  • 『キャリア』共通認識不足による具体的問題
  • 企業に価値を生む“繋がり”

企業の【利益と損失】

なぜ企業は『キャリア形成』に価値を感じないか

単刀直入に

利益にならないからです。

 

例えば、外部の者が社員にキャリア相談をしようとする。

すると、まず考えるのは

「そんなことして何の意味があるんだ?」

「むしろ転職するリスクの方が高いのでは」

「個人よりも会社の利益を考えないとダメでしょ」

といったところです。

僕も恥ずかしながらそう思っていました。

 

『個人がキャリアに主体性を持つこと』

企業にとって利益とつながっていない。

特に中小企業に、こんな“よいこと”をしている余裕はないんです。

 

しかし、ここが根本的に間違っていました。

『キャリア』はそんなに狭いものではない。

学んでみると

『キャリア』とは、もっと広域のものだった。

 

損失の構造を示す

僕が改めて思うこと。

個人のキャリアの悩みは会社の損失!

ということです。

僕はここをもっと中小企業に訴えていきたいと思っています。

 

個人が悩みながらモヤモヤ仕事をしていると、様々な要因によって生産性が落ちます。

生産性ダウン

思考停止により成長機会・改善機会を損失

不平不満勢力の強まりで活動限界値が低い

モラルの低下問題による損害

離職による損失

代表的で分かりやすいものは離職でしょうか?

せっかくお金をかけて育てた社員。

『キャリア教育』

することで退職するリスク

しないことで退職するリスク

実はどちらが高いでしょうか?

キャリア教育の浸透度合いは、会社の成熟度と同じニュアンスです。

そのぐらい広域に影響するものだと思っています。

 

『知識』は『利益』と繋がってはじめて価値が出る。

この繋がりを理解してもらうことが大事。

では、「退職」という損失において、具体的にどんな事例があるか。

僕の実体験、いってみましょう!

 

【事例1】金をパクッてクビになる

先日ある飲食店で、長く働いていたアルバイトが店のお金を盗ってクビになる事件が発生しました。

なんと1年以上も前から常習的にやっていたそうです。

アルバイトはもちろん悪いですね。

やってはいけないことをしました。

しかし店側はそれだけで終わってはいけないはずです。

盗られる環境をつくっているのは店側だからです。

 

僕は数々の不正問題と向き合ってきました。

起こるたびに、「もう二度と起こしてはいけない」と決意しあらゆる環境を整えてきた。

だからこそ言えますが、これは店長の怠慢です。

こんなに単純でありふれた問題を、1年も放置です。

 

あろうことか、店長は誰でも盗れるところに財布を置き、他のアルバイトから「危ないですよ」と指摘もされていた。

つまり、犯罪を誘発し、関係のない人まで疑いをかける行為を店長自らがしていた。

個人にだけ働きかけをしても、根本的に解決しない。

 

さらに、もしこのアルバイトに対して

事前にヒアリングできていたらどうでしょうか?

お金がなくて悩んでいることを誰かに相談できていたら。

お金を増やす方法、キャリア等について話ができる機会があったら。

他に方法があるのに、わざわざリスクを冒して悪いことをしようとは思わない。

もっと個人のキャリアに関心があれば、こんなことにはならなかった事例です。

 

この店に不足していたのは

  • 店長の危機管理
  • 従業員のモラル
  • 個人のキャリアへの関心
  • 個人の悩みを打ち明けられる機会

 

【事例2】将来が不安で辞める社員

これは今現在、退職理由でものすごく増えてきた理由だと感じています。

会社での未来が見えず、諦めざるを得ない。

 

具体的には

・上が詰まっていて(役職ポストが埋まっている)、昇進が望めない。

・業界の低迷、事業の縮小により、倒産のリスクを感じている。

・収入が増えることが見込めず、生活を考えると転職せざるを得ない。

そして今後会社が変わることはないと判断すると、退職を決断します。

優秀な社員ほど早く辞めていくのが、不正離職との違いです。

これは思いっきり、キャリアの悩みですよね。

 

一見、仕方のない退職に見えます。

しかし

会社がこの損失を理解していれば、環境を変えようとする。

個人のキャリア形成に関する理解不足です。

それに

健全な退職というものは、環境によるものではありません。

退職の理由が

自分の軸(キャリアプラン)によるものではないことも問題です。

 

おそらく、中小企業ではこのような事例がかなり増えているんじゃないでしょうか。

この会社に不足しているのは

  • 時代に合わせた柔軟な変化対応
  • 異動や副業の提案
  • 人のキャリア構造理解
  • 個人のキャリアに対する主体性

 

キャリアに関する理論や構造を知っていれば、何か手の打ちようがあった。

実際僕も会社にいた身として、今はそう思います。

 

キャリア構造を知る者の価値

『キャリア』に関する知識は本当に幅が広い。

例えば

RIASEC

キャリア・アンカー

ハップンスタンスラーニングセオリー

4L

個体発達分化の図式

過渡期

転機

などなど、理論だけでも挙げたらきりがないくらい。

この構造を知るだけで解決方法を考える糸口になる。

これ、社内の人間では難しいんです。

僕がそうだったように、

1社を知る者では解決できない。

広く社会を知り、広くキャリアの知識・知恵を持った人の協力が必要。

だからこそ、僕はキャリアコンサルタントを取りたいと思いました。

 

こんな広さで『キャリア』というものを捉えている人はいないからです。

そしてこれは、企業の中で必要とされる。

まずはこの価値を、中小企業の方に広く知ってもらいたいと思っています。

さらに、

学校教育

カウンセラー

中小企業診断

社労士

心理学

などのチームで包括的に企業を支援できたら最高です。

教育の現場に企業が出ることも今後は増えるでしょう。

それほど、人の『キャリア』は人生の様々な部分で重要なものなんだと思います。

 

社会に『共通認識・共通言語』を

協力・共生のため共有が必要

構造を知る者はそれを示すことができる。

しかし実務に携わっているものにしか変える力はない。

変えるべき場所、変える力がある人に、必要な共有を。

現実現場に持ち込んでこそ、『変える』という事実が起こります。

『利益』に向かう変化です。

 

そして現在の社会では、1社が強くなっても世界に太刀打ちできません。

日本は生産性が低いことで有名。

会社内だけじゃなく社会全体で。

隣の会社を出し抜いても、池の水が干上がったら終わりです。

日本が諸外国に追い付けるためには、1社でも多くの会社に理解者となってもらう必要があるのではないかと思っています。

 

「共有」の時代とも言われる今、持っているものはシェアして価値を発揮し、大きな利益を生みます。

全員が学ぶのを待ってはいられない。

学んだ者の力を借りる時代です。

 

ホモサピエンス(人類)は、そもそも『共有』の力で生き残ってきたそうです。

誰かの経験を共有することで他の者も力をつける。

現代のテクノロジーの発展で、この共有規模が大きく広がったんじゃないかと思います。

 

  • 『自己理解』
  • 『仕事理解』
  • 『人生半ばの過渡期』
  • 『アイデンティティ』

例えばこういった言葉を

『共通言語』とし

『共通認識』を持った社会であれば、とても強いのではないかと。

 

『キャリア』と企業利益への繋がり

具体的問題⇔知識(共通認識)⇔具体的解決策

会社

【ある】具体的問題

【ない】知識具体的解決策

有識者

【ある】知識

【ない】具体的問題、具体的解決策

全国に散見

【ある】具体的解決策

【ない】具体的問題、知識

具体的解決策に知識が加わることで、再現可能な汎用性の高い知恵になります。

それをもとに具体的問題を解決していくことで、よりノウハウは溜まっていく。

 

なんだか何言ってるか分からないですが、つまり

ポイント

キャリアの専門家は企業に利益をもたらす。

と思っています。

そのためには“繋がり”を意識することだと考えています。

 

大きな繋がりになればなるほど、日本は強くなっていくはずですよね。

これからの『キャリア教育』などの動きをしっかり捉えておきたいものです。

 

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宮内 利亮

《『ココナラ』のキャリア相談実績No.1》 はたらく悩みを解決! 【国家資格キャリアコンサルタント×元人事部長×特性分析アソシエイト】 宮内 利亮を詳しく知る⇒下の「キャリアコンサルタント宮内利亮について」からどうぞ

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