「僕はどうやったら出世できるんでしょうか?」
そう聞く社員ほど、実は人の言うことを聞かない傾向がある!?
長年人事をしてきた僕にとっては、問題は出世する方法ではなく本人の受け取り方にあると思う。
何が正しい?何が間違っている?
出世とキャリアについて、一緒に考えてみましょう。
「どうしたら出世できますか?」
まず、「どうしたら出世できますか?」と聞く社員はどんな社員でしょうか?
なかなか出世できない人
簡単な話、なかなか出世できていない人ですね。
同期と同じようにやってきたけど、なぜか他の同期が先に出世してしまった!
「なんであいつが先に出世したんだ?」
「能力なら負けてないはず!?」
「オレの方が頑張ってんじゃないか?」
きっとそんな“モヤモヤ”を抱えていると思います。
最初は前向きだった気持ちも、なかなか結果が出ないことで焦りが出始める。
心に余裕がなくなってくると、色々余計なことを考えてしまいますね。
- 「このままずっと出世できないんじゃないか?」
- 「評価方法が全然分からない!」
- 「転職したほうがいいんじゃないか?」
なぜかというと、たぶん手を抜いているわけじゃないんです。
きっと頑張っているから「どうしたら出世できますか?」と聞くんですね。
色々頑張って行動している人
頑張ってはいる人。
そんな人ほど、結果がでない時に「なんでなんだ!?」と思いますよね。
周りの人と同じように、それ以上に頑張っている自負がある。
どうして他の人が選ばれ、自分が選ばれないかが分からない。
この分岐点!
ここが分からないままだから、悩んでしまうんですね。
見えていない。説明を受けていない。
もしくは、見えていても説明を受けていても、『納得できていない』のではないでしょうか。
ここにひとつ、なぜ出世できないかのポイントがあります。
ポイント
その評価基準、自分の基準で判断していませんか?
会社で決められた点数があるとしたら、本当に自分が一番ですか?
納得できる答えが欲しい人
僕の経験上、出世の基準を“聞いたことがない”人はほとんどいません。
しかし、それでも「聞いてません」と言うんですね。
なぜ、聞いていなかったことになるのか?
「納得できていない」んです。
実際は違うじゃないか!そんなんで出世できるわけないじゃないか!と。
そして納得できる答えが欲しいから、「どうしたら出世できますか?」と聞くんですね。
ここで納得できなかった場合、また聞いていないことになってしまったりするものです。
受け取る時にすでに、“自分なり”に変換してしまっている。
まずはその可能性を疑わないといけないですね。
上司が日ごろ言うことに納得できていない人
上司も悪い人ばかりではありません。
むしろほとんどの上司は部下の出世が自分の利益にもなります。
部下には出世してほしいのが、ほとんどの上司の本音です。
上司は日ごろから、出世のヒントをくれているはず。
そのヒントに納得しきれていないのではないか?
例えば、自分の嫌いなタイプの上司が言ったことは、受け入れたくないですよね。
「こんなやつに言われたとおりにやっても、絶対ろくなことにならない」
と思うもの。
『何を言われたかより、誰に言われたか』
とは、よく聞く言葉です。
僕が見てきた「どうしたら出世できますか?」という人の特徴は・・・
ポイント
自分が正しいと思っている。
自己主張が強い。
自分なりの信念を持っている。
“YESマン”じゃないと出世できない?
では、上記のような人は出世できないのか?
そんなことはないですよね!
出世できるかどうかは・・・
出世できるかどうかは、会社による。
出世できるかどうかは、上司による。
会社の評価基準とズレていたら、いくら自分が頑張っていると思っても出世はできないんですね。
会社によって評価基準は全然違う。
自分の自己主張を評価してくれる会社もあれば、評価してくれない会社もあるということです。
「自分が変わるか、会社を変えるか」ですね。
また、上司との関係性が悪い場合も出世は遠のきます。
上司からすれば、自分と相性の悪い部下より、相性のいい部下を出世させたほうが会社全体の成果が上がりますから。
部下は上司を選べないが、上司は部下を選べる。
これを解決するには、もっと上の上司に判断してもらうしかないですよね。
思考を止めるな、キャリアを止めるな
さて、出世できるかどうかは会社によるし上司による。
ここで念頭に置いておいてほしいことがあります。
キャリアは出世だけではありません。
自分の長い人生を意味する『キャリア』は、何も出世が全てではない。
出世を目指すことで、あなたの『キャリア』が望まぬ方向に行ってもいいですか?
まずはここを考えるべきですね。
もちろん、まずはお金が必要だから、今は我慢して出世を選ぶという選択もありです。
大切なことは、しっかり『キャリア』を見据えること。
出世のために“思考停止”してはいけません。
ポイント
出世よりも大切なことを考え続けましょう。
『キャリア』を止めないため、思考を止めないでください。
出世したいなら!
もし、ひとまず出世したいなら。
言うことを聞かないといけない会社では言うことを聞くことです。
昇進の基準が一番大事。
おそらく自分では“基準があいまい”と思っているんじゃないでしょうか。
しかし、実際出世している人がいる以上、必ず方法はある。
自分の基準を捨て去って、完全に会社の基準に合わせることです。
何かを犠牲にしたほうが、当然何かを得られるようになります。
もしどうしても“曲げられない”というのなら、それはあなたの心が拒否している証拠。
そんな時は、心に素直に従うことも大切かもしれません。
一度立ち止まって、ゆっくり考えてみてくださいね。