キャリア教育子供の自己理解段階

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基礎的・汎用的能力の『自己理解』のキャリア教育における発達段階

キャリアを考える上で『自己理解』は最初から最後まで最も重要なもの。

学校教育でも「キャリア教育」の名のもとに、それぞれの学年において達成すべき“発達課題”が設定されている。

社会に出る前に到達すべき『自己理解』の段階とは?

理解して社会への移行をスムーズにしていきましょう。

キャリア教育『自己理解』の発達段階

『自己理解』には段階がある

このブログでも、『自己理解』がすっごく重要!と何度も書いてきました。

だけど、大人になっても難しいものだし、子供のうちにすぐに自分のことを理解できる人なんていません

自己理解には段階があります。

 

学校教育では、「キャリア教育」をしています。

そして、自己理解に関しては“小・中・高”と大きく分けて3段階に基準が設けられている。

小学校・中学校・高等学校で求められる自己理解の段階を知っておこう。

社会に出る前に到達しておくべき自己理解段階を知っておこう。

 

社会に出てから、自己理解の重要度は増していきます。

そして自己理解はずっと続けて成長し続けていくもの

社会に出てから後れを取り戻すのはとても大変です。

 

『自己理解』は「基礎的・汎用的能力」

『自己理解』は「基礎的・汎用的能力」のひとつに入っています。

どんな仕事をする人でも、必ず必要になってくる能力ということですね。

 

たとえば、自己理解ができないとどうなるでしょうか。

社会に出る時のことを想像してみてください。

自分が何に興味があるのか分からない。

自分に何ができるのか分からない。

どんな仕事に就けばいいか分からない。

流されるまま就職してしまう。

仕事への姿勢がアクティブでないので、成長しないしスキルが身に付かない。

仕事が面白くないのですぐに辞めてしまう。

それでも自己理解が出来ずにいると、成長しない仕事を転々とする。

気が付けば年齢だけを重ねてしまい、社会で何を成したいのか気付いたころには能力不足に陥っている。

簡単に書きましたが、自己理解ができないことによる社会でのデメリットは計り知れません

 

これは、キャリア教育が強化される背景であり、現代の社会問題とも言えます。

『自己理解不足』は社会において望む生活を手に入れるためには致命的になる。

 

では、キャリア教育はどのような『自己理解』を目指すものなのか?

小・中・高、それぞれの段階の基準を見ていきましょう。

 

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【小学校】の発達課題

小学校に設定された『自己理解』の発達段階は、

小学校

自己及び他者への積極的関心の形成・発展

 

なんだか難しい言葉で書かれています。

小学生だと、まだ他者のことを「おともだち」と呼ぶような年齢。

まずは自己理解のベースとなる『関心』を持つ段階です。

 

自分を理解しようにも、そのベースになるのは何でしょうか?

  • 自分への興味
  • 他人への興味
  • 違いがあることの理解
  • どんな人がいるのかの情報
  • 道徳感

 

幼児のころを思い出してみましょう。

「自分って何者なんだろう?」と思っていた人はいますか?

まずいないと思います。

 

まず自分への興味を持たないと、決して自己理解をすることはありません。

 

そして、自己理解のためには“人との違い”を知る必要があります。

「あの人はこう」

「この人はこう」

という情報を集めていって、

性格や特徴など自分に当てはまるものを探していくんですね。

自分への興味・他人への興味がないと、『自己理解』することはできない。

 

そして、「どうなりたいか」という思いを形成するためには『道徳観』なども必要です。

 

【中学校】の発達課題

中学校に設定された『自己理解』の発達段階は、

中学校

暫定的自己理解と自己有用感の獲得

 

これもまた難しい言葉ですね。

“暫定的”な自己理解です。

自己理解はするけど、「まだ決まりではない」ということですね。

 

特にこの頃は思春期にも差し掛かります。

その後の性格に大きく影響するような体験をするのもこの時期です。

かなり自己が変動しやすく、形成されやすい時期です。

 

それでも、小学生とは明らかに違う。

仲の良いグループで固まったり、気の合う友達が誰なのかをすでに理解しています。

 

それを受け入れているかどうかは別として、

無意識のうちに、自分をある程度の性格に分類している。

 

また『自己有用感』は、他人の存在なしに感じることはできないもの。

誰かの役に立つことによって自分の存在価値を感じることです。

役に立ちたいという思い。

必要とされていると思うことです。

 

『自己有用感』を得やすい場所にいようと、グループを作るとも言えますよね。

自分がどのように人の役に立つのか?

このような社会の縮図が、すでに中学校で現れ始めます。

 

自分はどんな人間で、何ができる人間なのか。

探し続けて検証し続けている時期。

 

【高校】の発達課題

高等学校に設定された『自己理解』の発達段階は、

高等学校

自己理解の深化と自己受容

 

高校に入るといきなりレベルが上がるように感じます。

自己理解の“深化”です。

 

深化というと、確立されたあとにさらに深めるようなイメージがあります。

しかし、それは不可能です。

社会に出て仕事をしないと気付かないこともあるので、この時点で自己を確立したと思うのは思い上がりかもしれません。

 

しかし、高校を卒業するころに大事な転機がありますよね。

『進路の決定』もしくは『就業』です。

本来高校卒業までに、社会で何をするのか決めないといけない。

 

今現在のほとんどの高校生は、今後ずっと続けていく仕事として最初の仕事を選ぶことができていません。

そういう教育ではないからです。

しかし、社会問題となっている今、進路・仕事の決定を早めないといけない。

 

もう一つ『自己受容』です。

これも、大人になっても自分を受容できていない人もいる中で大変なことかもしれません。

しかし進路や仕事の決定には不可欠です。

 

中学生のころは、もがき続けているかもしれません。

自分は出来るはずだ。

自分はもっと違う者かもしれない。

理想と現実に折り合いをつける時期。

 

たとえば、大人になったのに“かめはめ波”が出せると思っている人はいないですよね。

スポーツ選手になるにも、大学から始めてプロになるのは至難の業です。

 

結局は今の自分を受け入れないと、自己理解も何もありません。

仕事においても、出来ることの中でしか選択はできないですから。

逆に「本当はできる人間なんだ」というのも自己受容です。

 

進路・仕事の決定ができる段階まで進む。

そのために自己受容レベルの自己理解が必要になる。

 

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『自己理解』は一生続ける物もの

学校を卒業し、仕事をはじめても『自己理解』は一生続けていくものです。

成長しない人間はいない。

変わらない人間はいませんから。

 

学校生活で大切なことは、高校卒業までに進路・仕事が決定できる段階に持っていくこと

そのためには、中学生あたりから“客観的に自分を見る視点”を与えていかないといけません。

 

今の日本は、これを本人の成長だけに任せられる環境ではありません。

大人が意識的に社会的成長を促すこと。

 

それがキャリア教育です。

 

一生続ける自己理解のスタートラインを作るのは、周りにいる大人たちです。

ちなみに、先生だけでは無理です。

 

学習指導要領にもはっきりと、「地域社会と連携しながら」と書かれています。

学校の教育に設定されたものではありますが、周囲の大人全員が取り組むべきもの。

 

明るい未来は、子供・大人、まさに全世代で作っていくものです。

 

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宮内 利亮

《『ココナラ』のキャリア相談実績No.1》 はたらく悩みを解決! 【国家資格キャリアコンサルタント×元人事部長×特性分析アソシエイト】 宮内 利亮を詳しく知る⇒下の「キャリアコンサルタント宮内利亮について」からどうぞ

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