たまにいませんか?
『嫌われてもいいんだ』と、ズケズケと言いたいことを言う人が。
でもそれって、めんどくさいだけなんじゃない!?
都合よく解釈してはいけない。
愛のない『嫌われてもいい』は、ただ人を傷つけるだけ。
相手を想うか、自分を優先するか。
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『嫌われてもいい』の勘違い
「何でもズケズケ言っていい」わけがない
『嫌われる勇気』というのを聞いたことがあると思います。
かなり有名でロングセラーになった本ですね。
だけど、よく理解も出来ていないのに「なるほど、そうだよな!」なんて思ってしまう人もいます。
若い管理職なんかに特に多いんですが、“相手を傷つけても構わない”と解釈してしまう人がいます。
それが相手のためになる?
確かに、なるかもしれません。
だけど、本当に相手の事を想った言い方とそうでない場合は雲泥の差がある。
『嫌われてもいい』は何でもアリなわけじゃない。
相手の事を本気で考えているかどうかがポイント。
「いちいち相手の事を考えている時間がもったいない」
と考える上司と
「本気で考えたら、言うべきことを言わないといけない」
と考える上司。
どちらがいいでしょうか?
あとで感謝されるのはどちらで、後々まで恨まれる上司はどちらでしょうか?
部下の事を本気で考えない上司が、ずっと上司でいられる可能性は低いですよね。
「相手の事を考えない」とは全然違う
相手の事を考えていない場合、小さな言動から相手に伝わっていきます。
例えば、部下が傷つくであろうことを伝えないといけない場合。
たまたま部下が事務所にいたから、その場で伝える不意打ち。
これは自分が楽をしたい(ちゃんと伝えるのがめんどくさい)という気持ちが見えてしまいます。
本当に相手の事を考えるなら、大切なことほど“しっかり伝わるように”してあげたい。
部下であっても事前にしっかりアポを取り、それとなく良くない話である事を伝えて心の準備をさせる。
「○○さん、今度の金曜日15:00から少し時間いいですか?今後の課題についてお話したいことがあります。」
といった具合に、段取を踏んでこそ伝わるものです。
相手のためにする「嫌われてもいい行動」と、自分のためにする「嫌われてもいい行動」は全く違う。
自分のためにする「嫌われてもいい行動」は逆効果になる可能性すらある。
“自分が背負う”か“自分が楽する”か
嫌われないような言い方をするのが面倒な人、きちんと段取りを組むよりも早く済ませる方がいいだろうと思う人は、一度嫌われると挽回できないことが多い。
挽回したいとも思っていませんね。
これがどんな悪影響を与えているか分かっていないんです。
たくさんの管理職を見てきて分かったことがあります。
いい上司は“背負う”ものです。
悪い上司は“楽する”ものです。
例え一時的に嫌われたとしても、背負ってくれていたことが分かった瞬間に尊敬に変わります。
「ああ、自分のために貴重な時間をこんなに使ってくれたんだな。」
「この人だって大変なのに、自分のために行動を起こしてくれたんだな。」
そんな風に思わせてくれる上司であって欲しいものですね。
一方、楽をしたい思考の上司に言われると“腹が立って仕方ない”。
例え的を得た指摘であっても、「こんな奴に言われたくない!」と思うわけですね。
“何を言われるか”よりも、“誰に言われるか”の方が成長に影響する。
背負ってくれる上司に言われたい。
楽したいだけの上司には言われたくない。
感情的になってしまうと、人間は素直に受け入れられなくなります。
素直に受け入れられない指摘の仕方をする上司は、全然ダメ上司ですよね。
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親なら思える『嫌われてもいい』
真剣に相手の事を考えた結果
親であれば、自分の子供の事は真剣に考えます。
真剣に考えるほどに「ここは直してあげないといけない!」と思うわけですね。
だから親は待つことがとても苦しいです。
つい事あるごとに指摘したり怒ったりしてしまいます。
それが良いか悪いかは別として、一番子供の事を考えているんだということは間違いないですよね。
そして、いちいち「子供に嫌われたらどうしよう」なんて思ってられません。
嫌われることなどどうでもいいぐらい、親は子供のことを想う。
子供がよくなることが最優先なので、自分の事は考えていないわけです。
親子という切れない縁がそこまでの信頼関係を可能にしますが、これは上司と部下であっても近いことが言えます。
もしかしたら、いつも口うるさい上司こそ一番自分の事を考えてくれているかもしれません。
表情を見れば分かります。
諦めた表情や憤慨した顔、嘲笑したり目を合わせなかったりする場合はめんどくさがっています。
だけど自分の事を真っすぐに見つめてくる目をしていたら、きっとあなたの事を真剣に考えてくれているでしょう。
誰よりも人に向き合うこと
『向きあう』という一言に尽きます。
物理的にも真剣に目と目を合わせて話してくれるぐらい、部下と向き合う上司は素晴らしい。
自分が楽をしたいだけの『嫌われてもいい』は、ただの勘違いです。
自分が背負うつもりの『嫌われてもいい』は、いずれ理解されることになるでしょう。
ポイントは、その人と真剣に向き合っているかどうか。
向きあうことは、手間・暇・時間をかけること。
効率よくマネジメントをしようなんて考えている場合は要注意です。
相手は効率よくやって欲しいなんて、絶対に思いませんからね。
向きあうことも出来ないような上司は、嫌われないように部下に媚びを売った方がまだマシかもしれません。
どちらにしても部下は、「早くこんな上司追い越してやる」と虎視眈々と狙っているはずです。
“指摘できること”が上司の資質だなんて思ってはいけません。
悪いところを見つけるなんて、誰にでもできます。
どのように指摘をするか、どんな人が指摘をするかです。
むしろズケズケと所かまわず『言わない品格』を持つことが大切です。
口は禍の元。
そしてここぞという時に、しっかり伝えられる嫌われ方をしてください。
人は物ではありません。
じっくり、丁寧に向き合っていきましょう。