履歴書の『趣味』の欄、適当に書いていませんか?
もしかしたら、全然違う印象が書類から伝わってしまっているかもしれませんよ。
本当は行動力が強みなのに「細かい作業が得意そうだな」と思われてしまったり…。
一貫性をもって自分の第一印象を伝えよう!
【履歴書】あなたの見られ方
能力だけじゃない。『どんな人か?』が見られる
履歴書からは、何が企業に伝わるんでしょうか?
書類選考がある企業では、実際に会う前にあなたの印象が伝ってしまう大切なもの。
メインとなる記載事項は「入退社の記録」と「資格」です。
しかし、企業はそれ以上に『顔写真』や『趣味』の欄を見ていたりします。
一定の基準を満たしている人の中で次に見られるのは、『顔写真』や『趣味』など。
つまり、『どんな人か?』を見ている。
僕は人事として10年以上企業の採用に携わり、面接も数多くしてきました。
もう面接に来るのが分かっていたりすると、「何聞こうかな~」と考えながら履歴書を見ます。
常に顔写真は見ているので、そこから受ける印象は大きい。
そしてやっぱり気になるのが、「その人を知りたい!」ということなんですね。
趣味に書いてある事はとにかく優先して聞きたくなります。
適当厳禁!
よくあるのが一言だけ、「読書」と書かれた趣味の欄。
これ見たらどう思いますか?
「ほんとかよ!」
「小学生かよ!」
と思いませんか?
あまりにありふれ過ぎていて、本当なのかもしれませんが“適当に書いた”ように見えてしまうんですね。
せめて「月に1冊はビジネス本、2冊は小説を読みます。」とか書いてほしい。
適当だと、「ああ、この人は何にも興味を持てないのかなあ…」とマイナスの印象を与えかねません。
それに、適当に書くということは”本当は全然そんな人間じゃない”可能性が高いです。
適当に趣味を書くと、第一印象の段階から自分が誤解されてしまう。
自分の一番の強みが拡散性や行動力・瞬発力の部分だとしたら、「読書」という言葉からは欠片も連想できません。
趣味の欄をしっかり書くということは、自分の印象に一貫性を持たせて「自分がどんな人間なのか」をアピールすることになるんですね。
『趣味』が与えるあなたの印象
拡散的「旅行・散財系」
例えば趣味に「旅行」と書いたらどんな印象を与えるでしょうか?
僕ならこんなふうに考えるかもしれません。
- 活発な人かな
- 行動力がありそう
- 柔軟性ありそう
- 好奇心旺盛なんだろうな
- 動いていたい人かも
どうでしょう?
あなたが「旅行」と書いたことがあって、実際こんな特徴があるでしょうか?
もしないなら、全然違う印象として伝わっていることがあります。
僕が「旅行」と聞いて思い浮かべるのは、海外旅行です。
でも国内旅行が好きで「旅行」と書いている人もいる。
そして海外に行きたいのと国内だけで旅行したいのとは、思考が全然違います。
価値観が違うと言ってもいい。
「旅行」などパーッとお金を使って刺激ある体験を求める趣味が書いてあると、パワフルな印象を与える。
エネルギッシュな印象を与えたいなら、このような趣味を書くといいと思います。
もし自分の強みは全然違うと思うなら、「年に一回はお金を貯めて国内旅行するのが好きです」など書き方を少し変えてみるといいですね。
集中的「料理・○○作り系」
さて、打って変わって「料理」と書くとどうでしょう。
- 集中して取り掛かるのが好きかな
- 細かい作業が得意そう
- 手先が器用そうだな
- 作業効率がよさそう
- めんどくさがらずやってくれそう
こんな印象を与えるんじゃないかなと思います。
旅行の行動的・拡散的な印象とは真逆のような印象。
偏見で特性を考えるなら、旅行が営業、料理は事務、といったような感じです。
「料理」など細かい手順をこなす必要のある趣味を書くと、着実・現実的な印象を与える。
ただ、“出来る”か“出来ない”かは本人しか分かりません。
気まぐれでたまにしか作らない人が料理をする場合、もしかしたらその人の強みは「好奇心」とか「行動力」にあるかもしれません。
それなのに集中的特性を期待されてしまうこともあります。
料理が出来るし細かい作業も得意。
だけど書いたのが主婦で、「もう料理なんて作りたくない~!」と思っていたら趣味の欄に料理とは書かないですよね。
趣味ではないけど出来るし、自分の強みがそこにあるなら、意識的に書いた方がいいかもしれません。
(特技として書くといい)
研究的「読書・学び系」
よくある「読書」はどうでしょう。
ちなみに、「読書」だけだとは別格で適当だと思われますので“どのぐらい読書するか”を書いてくださいね。
- 研究熱心な人だな
- 勉強に時間を使っているんだな
- 成長意欲があってすごい
- 論理的に考えそう
- どんな本を読んでるのか聞いてみよう!
といったところでしょうか。
どうでしょう?
書いたことがある方、ギャップありませんか?
これは人によるかもしれませんが、僕が読書と言ったらビジネス本の事を思い浮かべます。
面接で「何を読んだんですか?」と聞くと、小説だったことが多くて出鼻をくじかれることが多くありました。
読んでいる本の内容によっても全然印象が変わるので、“何をどのぐらい読んでいるのか”を書くといいでしょう。
「読書」など学んでいる事実を書くと、成長意欲や賢い印象を与える。
基本的に読書というと“学んでいる時間”というイメージになります。
それが漫画だったらどうでしょう?
真逆の“遊び”という印象になってしまいます。
小説もどちらかというと、遊びに近い余暇の時間のイメージですね。
趣味なので全然悪いことではないですが、与える印象に一貫性を持たせるために詳しく書きましょう。
社交的「飲み・○○遊び系」
では、「飲みに行くこと!」と書いたらどうでしょう。
なんだか面接官とあっという間に仲良くなれそうな気がしますね。(相手によりますが…)
- 社交性がありそうだな
- 友達多いんだろうな
- おしゃべり好きそう
- 情報交換量が多いかもな
- 人脈たくさんありそう
飲みと言えば一人のイメージがあまり湧かないので、プライベートの時間でも友人と過ごすことが多そうな印象を与えます。
一人静かに飲むのが好きなら、しっかりそう書きましょう!
絶対誤解されます。(笑)
「飲みに行く」など他の人とプライベートの時間を過ごすことを書くと、社交的・コミュニケーション上手な印象。
「読書」とは少し対照的な印象がありますよね。
読書は時間があったら一人学びを深めたい印象があり、飲みだと時間があったら誰かと話したい人だと思われる可能性が高い。
対照的なものを両方ともアピールしたいなら、両方しっかり書いておくことをおすすめします。
「一人の時間を作りじっくり小説を読み込むことも、友人を誘って週に1回は飲みに行くことも好きです。」
などですね。
なんにしても、趣味を一言で書くと適当感があるし、間違って伝わることが多いです。
面接で聞いてくれることを期待せず、少し具体的に書くとミスマッチも減ると思いますよ。