就職や転職のとき、『会社の選び方』はとても重要なもの。
だけど自分だけでは情報不足になってしまうことが多い。
必要な情報は「会社の情報」だけではなく、「自分の情報」を掘り下げないといけないから。
意外と見えていないのは、自分のほうかもしれない。
会社の選び方
今回は、キャリアコンサルタントとして「会社の選び方」をご紹介します。
情報不足は「会社情報」だけでなく、むしろ「自分情報」のほうで起こりやすい。
【会社情報】会社、仕事、人
まず、会社情報を分かりやすく分類すると
- 会社
- 仕事
- 人
になります。
会社
会社の規模、沿革(年数)、人数、福利厚生、ビジョン、経営理念、取り組み、雰囲気など。
仕事
仕事の内容、作業環境、業界、職種、働き方、 仕事の進め方、仕事に対する価値観など。
人
どんな人が働いているか、同僚の雰囲気、上司に多い特徴、社長、評価されやすい人物像など。
一番わかりやすいのは『会社』です。
ネットで調べれば分かる情報が多く、 新卒などが一番選ぶ基準にしているでしょう。
細かいことは気にせず大きな枠組みで会社を選びたい人はこれだけで十分な場合もありますが、ほとんどの場合はその他の基準の方がやりがいや退職に影響します。
『仕事』に関しては職種だけを見ていてもわからないものです。
実際にどんな環境で仕事をしているのかとか、残業がどのくらいあるのかとか、そもそも残業に対してどんな考え方をしているのかとか。
ちょっと突っ込んで話を聞いてみないと分からないですね。
最も調べづらいのは『人』です。
どんな人がいるのかは、面接の時にやっとわかります。しかもその面接官は選ばれた人なので、実際に一緒に働く人とは違います。
職場を見学させてもらって社員さんの表情を見たり、社長像を想像することでようやくちらほら見えてくるようなものです。
ここまで見てわかるかもしれませんが、実はこれらの情報がわかること自体には大して意味がありません。
『自分にとってはそれがどういうことなのか』がわからないと自分自身の選択にはならないからです。
【自分情報】特性
一番根っこにあるのは自分の『特性』です。
僕がいつも言っているのは『思考特性』と『行動特性』。
特に本質的なのが思考特性で、いつも使っている脳の偏り、考え方の特徴のようなものです。
どんなふうに頭を働かせると喜んで、どんなふうに頭を働かせるとストレスがかかるのかがこれによって違う。
あまり条件だけで選んでしまうと、ものすごくストレスがかかる環境に自ら飛び込んでしまいます。
さらにストレスが強く影響するのは行動特性の方。
例えば自己主張性が「主導したい」人は、営業でガンガン行動して成果を上げていくことが喜べるかもしれない。
しかし逆に「平和的でありたい」人は、押し売りのような行動をすることに人の何倍もストレスを感じます。
全ての人が同じではなく、会社によって偏りがあることも知っておかないといけないんですね。
【自分情報】成長・経歴・スキル・今後の役に立つ
最終的なキャリアを形成する時には、必ず自分の特性に合った仕事を選んで欲しいと思っています。
しかしそこまでのプロセスで、全て特性通りの仕事をすることは難しい。
「自分に合った仕事をするまでの必要な階段」だと思えば、『成長のため』という選び方もありです。
- 使える経歴が手に入る
- スキルが身に付く
- 所属した実績があるだけで有利になる
- 最終キャリアにまつわる知識やリテラシーが身につく
常に次のステップを意識して会社を選ぶということですね。
これはどちらかというと頭で考えて選択する方法です。
でも実は、もっとお勧めしたい方法が「感覚的」に選ぶことです。
【自分情報】興味
実は一番信じるべき軸は、『興味』という自分の中にあるセンサーだと思っています。
この興味は特性から行ってくることが多く、興味の方向で学んだことが最終的なキャリアに生かされると、幸せに働ける確率がグンと上がります。
短期的には成果が出ないかもしれません。
頭で選んだ方がすぐに役立つものかもしれませんが、ずっと先に幸せに社会人生活を送っている自分を想像すると、きっと興味の分野で学んできたことが生かされるのが一番なはずです。
もちろん興味がすぐに仕事にはならないかもしれません。
興味の分野で働けたらとてもラッキー。
ゲームが好きだからといってすぐにゲームが作れるわけではないですよね。
だけど例えば、ゲームをつけるスキルがなくてもゲームのことが大好きで他の人よりもすごく知識がある状態。
そしてそこまでのプロセスで Web マーケティングの経験があったりしたら、ゲームについての配信・発信で稼ぐことができたり。
実際に今もそんな人はいますが、時代はどんどん変わり続けています。
基本的にはできることは増えていくので、好きな事とか興味が湧くことを無視しないことが一番なんです。
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会社より自分の情報
『自己理解』
ということなので、会社を選ぶ時に必要な情報は「会社の情報」と「自分の情報」です。
見落としやすいのは「自分の情報」のほう。
しかし重要なのは自分の情報の方だし、情報量も格段に多いはずです。
特に最終的なキャリアを考えた時には『自分を無視しない』ことがとても大切。
キャリア形成に正解はないですが、あえて成功と言えるとすれば「やりたいことがやれる」状態です。
つまり一番欲しい情報は『何がしたい自分なのか』ということ。
そのための情報は20代30代でかき集め、ゆっくりと統合していくのがキャリア形成と言えるでしょう。
キャリアと人の基礎知識
そして一人では難しい理由がこれ。
キャリアに関する基礎知識と、人に関する基礎知識が圧倒的に足りないから。
学校では学ばないからです。
キャリアには理論があり、さらにそれぞれの価値観があります。
キャリアの理論が解れば、より広い選択肢の中から自分の価値観を選び取れる。
より長期の人生の中で今何をすべきかを選び取れる。
人には特性があって、強みとして活かしやすい頭の働かせ方、ストレスのかかりやすい頭の働かせ方がある。
行動特性に至っては、あまりに真逆な環境を選んでしまうと、ものの一か月ですぐに辞めたくなってしまいます。
人のことがわからないと自分のことはわからない。
自分のことがわからないと、いつまでもダメなのは自分のせいなんだとか、何が自分にできるのかとか、答えを見出せず迷走を続けてしまいます。
キャリアコンサルティングではこれらを理解していくことを『自己理解』といいます。
キャリア形成において最も大切なことです。
一緒に勉強しましょう!
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