今回は中途採用の社員が早期退職してしまうことが多い問題についてです。
今まで何百人という中途入社の方を見て来ましたが、残念ながら新卒よりも早期退職が多いのは事実です。
原因はタイプによってさまざま。
人間関係を気にするタイプなのか成果を気にするタイプなのかなどによって、その人が「もうダメだ」「もう嫌だ」と思うポイントが違うからです。
ここでも実際にあった3つの事例をもとに、自分がそうならないためにどのように対策を打てるかを紹介していきます。
気を付けなければいけないのは、会社側にも自分側にも原因があると思った方がいいことです。
会社側と本人側のよくある代表的な原因を挙げていきますので、両面から考えていきましょう!
あなたのタイプを知るには、こちらも参考にしてみてください。
早期退職のデメリット
はじめに、なぜ早期退職を避けるべきなのか。
デメリット①
後々の転職の際に警戒される。書類選考も不利になる。
当たり前ですが、人事は職務経歴をとても気にします。
そんなことで人を判断できないことは分かっているのですが、大量の人の面接をしなければいけないとなると、そうもいきません。
続く確立が高い人だけを残すのが普通。書類選考で落とされるのもそのためです。
デメリット②
転職癖がつく。
本人が、「ダメなら転職すればいいや。」と思ってしまうことです。
この思考は私は嫌いではないのですが(笑)
なぜその会社が合わなかったのかを本気で振り返らないと、いつまでも自分に合う働き方に巡り合えない可能性があります。
デメリット③
時間がもったいない。
学ぶことのなかった会社への在籍は、長くても短くてもマイナスです。
会社が変わるということは、それだけ余計な手続きも仕事探しの手間もかかります。
何も得ることのなかった無駄な時間を送るなら、バイトをして旅行に行った方が有意義だったかもしれません。
いいことのほとんどない早期退職はなるべく避けましょう。
では、そうならないために実例をもとに原因を紹介していきます。
実例① 「えっ、ダメなんですか?」
よくある事例の一つです。
- 入れ墨禁止を知らなかった。
- 車の改造禁止なのを知らなかった。
- 副業禁止を知らなかった。
- 日曜日に仕事が入ると知らなかった。
職場の禁止事項を知らずに入社してしまった場合起こりますが、これは意外と未然防止が難しいです。
暗黙のルールまでを明文化しておかないといけませんし、それを必ず事前に見てもらわないといけません。
たくさん存在する会社のルールを事前に全部共有することは、不可能に近い。
原因【会社】
説明不足
言うまでもなく、説明不足が原因になります。
しかも「説明したからいいでしょ!」は通用しません。会社側が責任を持たないといけないのは、本人が必ず理解する仕組みを作れたかどうかまで。
原因【本人】
経験則から来る勘違い
自分の感覚で捉えてしまい、「あ、それね!OK、OK!」と軽く受け止めてしまうことです。
これが意外と多いので注意です。
同じ言葉でも、その会社によって意味や重みが違うことがあります。
前と一緒という前提は捨てて、新たな気持ちで説明を受けましょう。
参考
同じ「入れ墨禁止」でも、見えなければOKの場合もあるし隠れていたとしてもNGの場合もあります。銭湯に行ったら発見されて悪者扱いされて退職!なんてことも。
実例② 本当にある!無断欠勤
残念ながらこれも存在してしまう、しかもとっても多い事例です。
直接のきっかけになってしまうのは、以下のようなことが多いです。
- 寝坊
- 怪我
- 病気
これはとてももったいない事例です。
会社が嫌なわけではないのに、“行きづらく”なってしまいます。
「入ったばかりなのに寝坊なんて・・・もうダメだ・・・」
「怪我したなんて信じてもらえないかも・・・最初から信用を失った・・・」
という感じですね。
原因【会社】
そうなった場合の会社側の対応を知らせていない。
やはり情報は大事です。が、ここまで説明できる会社はそうはありません。
この場合は聞いてみましょう。
「寝坊した社員への対応はどうしているのか?」
「怪我や病気で連絡ができない時にはどのようにすればいいか?」
遅刻3回で査定に響くとか、病気の時は後日診断書を持ってくる、などのルールが決まっていれば安心。
決まっていない場合はこの機にどのように対処するのか会社に決めてもらうといいですね。
原因【本人】
プライドが高い。もしくは許容される勇気がない。
“行きづらい”という気持ちの根底にはどちらかがあります。
「自分がこんなミスをするなんて、そんなキャラとしてスタートしたくない。」というプライド。
「きっと許してもらえない。周りから悪く思われてスタートするぐらいなら、違う会社でリスタートしたい。」という弱気。
自分を最初から高く見せようとしても、いずれバレます。そして許容するかどうかは自分ではありません。
参考
マイナススタートを怖がってはいけない。私の知る中途入社で一番出世した人は、入社翌日に通勤途中骨折しています!
実例③ お局さん
出ました。これも本当に多い。
昔からいる社員やアルバイトさんが“追い出してしまう”形になる場合です。
この問題が厄介になるのは以下のような場合です。
- お局さん本人は悪気がない。
- 会社はお局さんが正しいと思いがち。
- お局さんが一人ではない。
原因【会社】
問題のある人物を放置している。
これはもう上司がどうにかしないと解決しません。
しかし未熟な上司だと、お局さんに丸め込まれてしまっています。
もっと悪いと、上司が逃げ腰で解決に乗り出せないパターン。
そして上司がどんな人なのかは、事前になかなか察知するのは難しいです。
原因【本人】
上司とのコミュニケーション。諦め。
本人とガチンコでぶつかっていける人なら心配ありません。
その場合自分自身がお局さんにならないように気を付けるだけです。
しかしほとんどの場合は“悔しいけれど何も言えずに去っていく”のではないでしょうか?
これは本当にあってはいけないことですね。よくあるんですが・・・
勇気を持って、上司に伝えましょう。
その上司がダメならさらに上の上司、行けるところまで会社の中枢に近い人にまで声を上げてください。
悔しい気持ちがあるなら、諦めずに行動してみてください。退職する勇気があるならその勇気もあるはずです。きっと同じ思いを持ってくれる上司がいると信じて。
参考
行くところまで行ったのに何も変わらないなら、その会社からはすぐに離れた方が賢明です。必ず繰り返されますから、時間がもったいないです。
転職時の注意
特に代表的なものを挙げてみました。
今回は、以下のようなことを転職前に気にしてみてください。
- 会社のルールは書面でもらいましょう。
- 固定概念を捨てて新人のつもりでルール説明を受けましょう。
- 自己管理の責任をどう対応しているのか確認しましょう。
- プライドや弱気は一旦リセットしましょう。
- 勇気を持って正しい判断をしてくれる上司を見つけましょう。
では、【良い転職】しましょうね!