グローバル社会は価値観そのものを世界で統一させるかのように加速しています。
日本社会も例外ではなく、終身雇用は崩れて新しい価値観に移行しようといている。
今、わたしたちにとっての幸せとは一体何なのか?仕事はどう関わっていくのか?日本の幸福とは?
スポンサーリンク
『ヒュッゲ』を求め始めた世界
日本に存在しない言葉『ヒュッゲ』
最近よく耳にするようになった『ヒュッゲ』という言葉。
北欧でよく使われる価値観で、日本には直訳する言葉が存在しません。
『ヒュッゲ』というのは、居心地がいい空間、家族や友人になどの気の合う人たちと流れるゆるやかな時間、派手ではないけど何となく幸せを感じるリラックスタイムという感じです。
無理をせず、自分が自分でいられて、過不足なく、満ち足りた感覚とでもいうか・・・なんかそんな感じです。
現在日本では『人生100年時代』と言われて、働き方は根本から見直されようとしています。
個人も「このままでいいのかな?」とか「もっと自分らしく働きたい」という思いを持ち始めた人が多いように感じます。
日本全体が“本質的な幸せ”に向き合おうとしている中で、『ヒュッゲ』という価値観が使われ始めた。
本来、ヒュッゲな生き方をしたいと願っている人がとても多いのだなと思わずにはいられません。
世界幸福度ランキング(2020年)
2020年の世界幸福度ランキングを見ると、
1位 フィンランド
2位 デンマーク
3位 スイス
やはり『ヒュッゲ』という価値観が浸透している地域では、日々の暮らしに幸せを感じやすくなっています。
家具やエクステリアでも北欧の人気が強いように、幸福であるための工夫が随所に施されていますね。
ちなみに日本は62位。
国内総生産では3位にも関わらず、幸せを感じていない人はとても多い。
これだけ見ると、働きすぎなんじゃない?と取れるかもしれません。
でも僕はそうは思いません。
キャリアに対する考え方の違いではないか?
日本では、ある到達点を目指すために我慢して、努力して、という考えが強いように見えます。
でも実際、先進国の中で社会人が勉強する時間は最低クラス。
つまり、キャリアの進み方に疲弊してしまっているんですね。
そもそもキャリアというのは『長い人生の道』のことであって『地位やスキル』の事ではありません。
根本的な共通認識が諸外国と異なっているから、幸せを感じづらいのではないでしょうか。
これはキャリアの目的地なのか?
新時代、幸せが存在するのが長いキャリアの先でいいとは思いません。
人生100年時代と言われているのに、70歳まで働くだけ働いて、その先の幸せを目指すなんていう価値観を受け入れる若者はいません。
キャリアの目的地が幸福ではない。
キャリアを幸福に歩んでいきたいと、多くの人が願い始めている。
我慢ではなく自分らしく。
会社に頼ってではなく自分の力で。
努力ではなく楽しんで。
こうして仕事に熱中したり、好きなことを見つけたりすることでキャリアを形成していく時代になってきました。
いずれ来る到達点を夢見て必死に我慢していたら、いつの間にか脇道にそれ、その道が好きな人に追い越され、健康すら崩してしまいます。
これからの時代、『頑張る』では足りません。
『楽しみながら熱中して学んでいく』ぐらいでないと、仕事を本当に自分のやりたいことにするのは困難でしょう。
もっとも大切なことは、早期に自分を確立し、自分はどんな人間なのか、自分にとって何が『ヒュッゲ』なのかを決定することではないでしょうか。
目的地ではなく、今歩く道がどんな道なのかです。
スポンサーリンク
キャリアの進み方が『ヒュッゲ』であること
生き方が楽しく幸せであること
『キャリア』は人生の道のことです。
言うなれば、キャリアの進み方は『生き方』です。
生き方を偽っていると、常に違和感を感じたまま日々を過ごし、やがてそれに慣れ、気が付いた時には修正が難しくなります。
「なんか嫌だな」
「これって違うと思うんだよな」
「自分じゃないみたいだな」
そんな風に思いながらずっと生活していくことはとても苦しいものです。
念のため少し補足しておくと、努力しなくていいわけではありません。
むしろ日本人は努力が足りません。
ただ、努力がつらいもの(我慢)ではいけないんです。
我慢は主体的でないから感じるもの。
人から言われたからやる、命令だからやる、というのは我慢になってしまう。
でも、自分が「そうしたい!」と感じることで成長しているのは、むしろ喜ばしいことです。
つまり、やはり大事なのは『自分がどうしたいか』。
それを決めない限り、全ては主体ではなく我慢になってしまうんです。
生き方が楽しく幸せであるためには、キャリアを主体的に歩むことが大切。
キャリアの進み方が『ヒュッゲ』であることを、多くの人が目指し始めました。
本質的な社会の暮らし方を、見つめなおす時代に来たのだと思います。
仕事で苦む人を減らしたい
仕事で苦しむ人の、なんと多い事か。
このバランスの崩れた社会構造を修正するためには、それこそ何十年もかかるかもしれない。
だけど、みんなが願っている以上、必ず人間は実現すると思います。
自分らしく在ること。
仕事が苦しいものではなく、日々の暮らしの中に溶け込み、経済面が保たれながら幸福を感じ続ける生活。
こんな社会の実現が、私たちキャリアコンサルタントの使命だと思います。
『ヒュッゲ』と同じ意味の言葉が生まれるように社会に働きかけ、一人でも多く仕事で苦しむ人を減らしたいですね。