企業によくある『採用チーム』は、採用手法だけ上手くなってもダメ。
人事全般と同時に成長しないと、思わぬ歪が社内に生まれます。
企業の採用は包括的にセットで考える!
たくさん応募させて、たくさん面接して、たくさん落とすのが採用ではありません!
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【採用活動】は募集と面接だけではない
いくら募集にお金をかけても
まず、『採用』というとどうしても“求人広告”を出すことを考えますよね。
しかし、やみくもに求人を出しても時間とお金を浪費するだけになってしまいます。
応募者にとっても会社側にとっても、採用は効率も重視したい。
応募者にとっては、期待して応募した会社が全然思っていたのと違ったら時間と交通費のムダ。
会社側にとっても、面接をいくらしても全然いい人が来なかったら時間と広告費のムダ。
だから採用は事前にしっかりと戦略を立てて、振り返りを行う。
年を追うごとに洗練されていく形が望ましいですね。
例えば、応募数を減らすのも戦略の一つです。
しっかりターゲットになる人材だけが来るようになっていれば、採用側の人件費もかからずに済みます。
コストが低く、時間も浪費しない最適解を導き出すのが採用チームの仕事ですね。
落とすための面接はダメ
よく認識のずれが生じる面接。
例えば、せっかくお金をかけて求人を出したのに、小さなことで落としてしまったりすると、
「そのぐらい妥協してよ…」と思います。
逆に面接する人から見れば、「こんな人材面接させるなよ…」と思っているかもしれません。
面接官であっても、採用の流れは全て把握しておくべきです。
今目の前にいる応募者の、単価(面接者一人に対し会社はいくらかけているか)はいくらだろう?
入社した後に、どんなふうに活躍できるだろう?
一連の流れを理解していないと、どうなるでしょう。
“面接だけに一生懸命”になってしまいます。
前後の流れを理解せずに面接をすると、応募者の判断に全力を尽くすようになります。
これがよくない事を引き起こすんです。
人の悪いところを引き出すのが得意なだけの面接官は優秀でもなんでもありません。
確かに大企業などの人気企業ならいいかもしれない。
だけど、ほとんどの中小企業では“そんなに人を選り好みしている場合ではない”はずなんです。
面接は、応募者を見定める場所でもあり、会社を見定められる場所でもあり、応募者の心理を醸成していくフローでもあります。
だから、こんなことがセットで大切になってきます。
- どんな人を採用するか共通認識を持つ
- 採用フロー上の全体最適
- 入社後の教育・研修
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採用にまつわるセット戦略
ターゲッティングと評価統一
『どんな人を採用するのか』を設定することはとにかく大事です。
面接は社長が全て出来るわけではありません。
だけど社員を選ぶのは社長です。
つまり、面接官は社長のつもりになって面接しないといけないんですね。
これがないとどうなるか・・・
面接官の主観で判断をすることになります。
そうすると、自分が通過させた人材が最終選考で落ちた時に、
「こんなに良い人、なんで社長は落とすんだ!?」と思ってしまったりする。
『どんな人を採用するか』と『どう評価するか』の認識は、せめて社長と採用チームの間ではよ~くすり合わせしないといけない。
この、どんな人を採用するかを決めることを『ターゲッティング』と言います。
そして、これは共通認識を出来ないと意味がない。
だから分かりやすい言葉にして、いつでも誰でもわかるようにしておくことがベストです。
そして問題のよく起こる面接では、『評価統一』をするべきです。
何を聞いて、どんな答えがよくて、どんな答えが悪いのか。
どの検査結果を信じ、何を妥協し、何を報告するのか。
『ターゲッティング』と『評価統一』をすることで、極力社長に近い判断基準を実現する。
面接官の主観を排除することができます。
コンセプト設計
選考フローを踏んでいく中で、応募者の心理状態は変化していきます。
求人広告を見ている状態では「あ、気になる」程度。
面接に行ってみて「やっぱりいいかも」と温度感が上がる。
二次や最終選考では「受かりたい」と思っているようになる。
内定したら「やるぞ!」と思っていないと入社しません。
心理状態が徐々に温まっていきます。
間違いなく言えるのは、『最初と同じ温度感のままだと、絶対に入社できない。』ということ。
選考フローは応募者の判断フローというよりも、お互いの温度感の高め合いのようなものです。
これを理解していない面接官は、圧迫面接をしてしまったり人を小馬鹿にする面接をしてしまったりするんですね。
だから人を判断するだけの面接官は面接しない方がいいんです。
この、採用フロー上でどう動くべきか『全体最適』を導き出すこと。
各フローで応募者にどんな情報を与えていくかを『コンセプト設計』と言います。
コンセプト設計をしっかり狙ってやっている会社は、かなり採用の実力が高いと言えると思います。
『教育・研修』は採用とセット
最後に採用する側が忘れがちなのが、『教育・研修』です。
しかし、採用と教育は切っても切れない関係で、必ずセットで考えないといけません。
研修がしっかりしていると、“そこそこの人”でも活躍できるようになります。
今までは落としていた人を採用できるようになる。
すると、採用活動はグッと楽になり、母集団形成にかかる費用は少なくなります。
そして、教育によって社内が整い会社自体の魅力が強くなってくれば、それを目当てに優秀な人が向こうから寄ってくる。
究極、人気企業であれば採用コストなんて採用担当の人件費だけです。
当然、いきなりそこにたどり着くことは出来ません。
だから順序は、
①教育ができるだけの人的余裕を持つ(採用頑張る)
②採用可能範囲を広げ優位に立つため研修を整える(教育頑張る)
③より社内のレベルアップを図るため人材の質を少しづつ上げる(採用頑張る)
④優秀な人材が長く働ける条件を整える(教育頑張る)
です。
採用と教育は、いつでも両輪です。
どちから一方が強くなりすぎると、組織は機能しません。
たくさん応募が来ているのに全然採用できない。
優秀な人を採用しているのに、なぜかみんな続かない。
そんな悩みがあったら、一度採用全体の戦略を見直してみましょう。
教育もセットで!