戦略の曖昧は厳禁

会社で起きる問題

【組織のキャリア】曖昧な目的~『戦略』を勘違いしたら力は5割!?

会社での「戦略」策定はとても大切。

なぜなら、社員がどこに向かえばいいかを示す指針だから。

社員が主体性を増すほどこの重要度は高くなる。

自立人材に高いモチベーションで働いてもらうには、トップの方針の示し方がカギ

あまり悩み過ぎてしまうと…!?

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曖昧な目的は戦略ではない

戦争に向かった日本

会社の戦略策定の“やりかた”が大切だということは、日本の過去最大の過ちが教えてくれます。太平洋戦争、第二次世界大戦と言われる“やってはいけない戦争”を日本はなぜしてしまったのかということですね。

まず、関わる人の証言を聞くと誰一人戦争をしていいとは思っていなかったことが分かります。しかし、陸軍の大陸での暴走と言われる事件をきっかけに徐々に戦争を避けられない状況になってしまうんですね。

 

戦争を回避するチャンスは多くあったにも関わらず、その重大な決断の局面でいくつかの過ちが重なり、一番避けたい状況に陥ってしまう。このそもそもの原因と言われていることがあります。

リーダーシップの欠如による戦略(目的)の曖昧さ

 

日本ではコロコロと首相が変わっており、戦争が決定づけられた時点での日本の首相は陸軍トップの軍人でした。国全体や陸軍海軍全体の動きを統制するほどのリーダーシップではなかったことが事実だと言われています。

ある意味これは仕方のなかったことかもしれません。民意に逆らえない民主主義なのに、国民には情報がないという状況。今と昔では環境が全く違うんです。トップダウンで強く軍や国民を押さえつける場面も必要だったはずなのに出来なかったんですね。

 

なのに組織としての軍の力は絶大で、ある時から陸軍と海軍の意見が分かれてしまいます。するとその意思決定の場面で、本来両立できるはずのない戦略を両方取り入れてしまった。簡単に言えば、『守りながら攻撃しよう』というような実態として意味のない決定を文章作りでやってしまったんです。

しかも曖昧な言葉で指示を出してしまったため、陸軍が独自の解釈で大陸での作戦を進めてしまいました。海軍もビックリだったというので、今では考えられないほどひっちゃかめっちゃかですよね。

 

「戦略」とはやらないことを決めること

「独自の解釈で好きなようにやられてしまった。」

もし会社でこのようなことが起こったら、軍ほどではないにしろ大変なことです。

例えば、チェーン展開している店舗の店長が勝手に商品の価格を下げてしまったり。お客様のために良かれと思ってやっても、多店舗には大迷惑。しかも全店で価格を下げないといけないようなことになったら、会社の業績を揺るがしかねない。

クビでは済まされないほどの大きな過ちになってしまうわけです。

 

少し前に、SNSが出始めたころも大きな問題が起きました。商品となる食べ物を粗末に扱うような動画が拡散されてしまい、会社に大打撃を与えた事件がいくつかありましたね。

この頃の問題は、ほとんどの会社でSNSに関する戦略策定が成されていなかったことではないでしょうか。

それから会社は急いでSNSに関する誓約書などを作成して従業員に周知していきました。

 

このように“やってはいけないこと”をやらないのはもちろんのこと、“やらなくていいこと”をやらないことでも、会社の生産性は上げられます。

「戦略」とはこのことを言います。

『戦略』=やらないことを決める

組織というのは、力を合わせて初めてその真価を発揮できます。余計なことを削れば削るほど、その力は集中し研ぎ澄まされ、大きく発揮されることになります。

『選択と集中』という言葉を聞いたことがあるかもしれません。

みんながバラバラでは、個人でやった方がいいということになってしまいますよね。

 

「向かうべき方向は一致しているか?」

東京から、北海道に行くのか、沖縄に行くのか。

攻めるのか、守るのか。

言葉ではなんとでも言えます。「守りながら攻めよ!」なんてかっこよく聞こえますよね。スポーツのように守備と攻撃の役割が決まっているならいいかもしれませんが、社員がこんなことを言われたら「どっちだよ!」とツッコミを入れたくなります。

北海道に行きながら沖縄に行く。そんな矛盾を抱えた戦略になっていないか、リーダーは自社の理念や方針・目標を常にチェックしないといけません

方向性に矛盾はないか?

社員の向かうべき方向は一致しているか?

 

会社が何を良しとし、何を悪しとするのか決めていないと、評価も何もありません。会社のために攻めたのに怒られる。会社のために守ったのに怒られるという事態になってしまう。

すると社員は「動かぬことが正解だ」という結論になります。

曖昧な目的は、社員の動きを止める。

リーダーは常にこれを念頭に置いて、指示や方針の決定をしていきたいですね。

 

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会社の「戦略」を勘違いしない

コンセプトづくりじゃない

日本はそのむかし、陸軍と海軍の間を取って曖昧で実態のない作戦を立ててしまった。結果あれよあれよと悪い方向に進んでしまい、最悪の事態を招きました。

会社でも同じことが言えます。

“かっこよく聞こえる”戦略が良い戦略ではありません。

 

極端な例で言えば、『自分を信じ、全力で受かっていけば達成できる!』などどうでしょう。

社員を鼓舞しているようで、もしかしたら一時モチベーションが上がるかもしれません。社員集会などで社長が登壇し、このようなことを熱弁したら「よっしゃー!」と思う人がいるかもしれません。

でも次の日になったら、「で、何すればいいんだっけ?」と路頭に迷います。

 

このようにモチベーションを上げたり、何かすごく聞こえたりかっこよく聞こえるのは「コンセプト的」です。

コンセプトをつくることと戦略を策定することは全く違う

「なんか気になるキーワード」をつくることが戦略策定ではない。

自社の戦略は本当に実態を伴っているか?

いま一度確認してみましょう。

 

トップの決断には痛みを伴う

戦略の策定は、社員の意見を吸い上げて反対にあるものも全部実現しようというような甘い考えだと結局何も得られません。

社員が50人もいれば全員の同意を得ようと思う方が無理な話です。

 

例えば会社の存続のため、全社員の給料を10%カットするという決断。

きっと不満がない事はないでしょう。

「なんであいつと同じだけカットされるんだ!俺は成績上げてるのに!」

「ダメ社員をクビにすればいいじゃないか!」

「みんなで頑張って売り上げを上げればいいじゃないか!」

休みを減らす、福利厚生を減らす、報酬を減らす…社員にとって不利益となることを決断する場合、会社はとても慎重に事を進めますよね。それでも必ず不満は起こります。

誰かをリストラするのか?会社の資産を切り売りするのか?どれにしても誰かの不安は残る

 

もし会社が、『会社存続のためにもっと頑張れ!』と言ったら、みんな頑張るでしょうか?ダメだったら潰れるで、本当にいいんでしょうか?

やり方を変える指示もない。給与も下げない。リストラもしない。すべてが同じなのに気合だけが空回りし、結局最悪の結果になるでしょう。

 

トップの決断には常に痛みが伴うもの

あっちもこっちも立てようと思うと、結局迷うのは社員であり、もしかしたら戦争に突入してしまった日本のように取り返しのつかない意思決定となってしまうかもしれません。

目の前の擦り傷を我慢しないと、骨折に発展してしまうかもしれない。

 

もしも戦争前の日本に強烈なリーダーシップを持つ人がいたら。戦争は起きなかったかもしれません。誰かが国民の批判を背負い、軍内での派閥争いや利権問題を振り切って、『いいから全員止まれ!』と言えていたら

会社にもこのような局面は何度も何度も訪れます。

会社の未来のため、痛みを伴う決断をしないといけない場面は何度もやってくる

リーダーはこのような決断力を求められる大変な役割ですよね。

 

社員も部下も「決断への理解」が必要

だから社員や部下も、決断への理解は必要です。

 

想像してみましょう。民主主義を始めたころの日本の苦悩を。

日本の未来を真剣に考え、「国民の意見を反映させないといけない!」と思った人がいる。

でもそれは一時的に国家レベルの決定の遅延や混乱や曖昧さを招いてしまった

 

もちろん民主主義が悪いことではありません。これは一部の権力者から国民主導に切り替える上で乗り越えないといけない壁だったでしょう。

想像して欲しいのは、リーダーたちの苦悩です。

 

当時は首相などの要人が暗殺されるような時代です。もし国民の意に背くような発言をしたら、殺されるのではないか・・・。殺されなくても、もう日本で住む場所すらなくなってしまうのではないか・・・。自分だけならまだしも、家族はどうなってしまうのか・・・。

そう考えたら、みなさんだったら勇気ある決断ができたでしょうか。

 

あなたの会社ではどうでしょう?

社長は、孤独に耐えながら決断を下しているのではないでしょうか。どんな気持ちで、どんな未来を見据え、何のために決断を下しているでしょうか。

時代は進み、情報化社会となり、国民も自分の意見をしっかりと持てるようになってきました。

それでも、会社のすべてを知っているわけではないと思います。

知らない以上、手放しに信頼しようとすること、理解しようとする場面も時には必要かもしれません

 

会社は社長のものですが、社長はいつも社員の事を考えないわけにはいきません。

だから社員の方も、社長が見据える未来を一緒に見ようとすることが、最善の決断を下すための環境づくりになるのかもしれませんね。

 

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宮内 利亮

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