時代は今『業界再編』と言われます。
変わるのは業界という大きなものだけではない。
そこにいる人・組織も変化を求められている。
他人事だと思っていたら思わぬ危険が?
自分は今どこにいる?
どうしたらいい?
『再編期』の人・組織のキャリアについて書いていきます。
【業界再編】企業は減る
『業界が再編されていく』と聞くとどんなイメージを持ちますか?
なんだかぼんやり過ぎて、自分事と思えないのではないでしょうか。
まずここで、少し具体的に考えてみます。
自分のいる業界は・・・
- 伸びているか?
- 縮小しているか?
- サービスが乱立していないか?
- ユーザーは十分にいるか?
伸びているなら、まだしばらく大丈夫かな?
縮小していたら、どの会社からなくなっていくかな?
同業で複数のサービスが乱立していたら、どのサービスからなくなっていくかな?
ユーザーの取り合いをしていたら、どの企業から淘汰されていくかな?
少し、怖い言葉に変わってきました。
縮小、増えすぎたサービス、ユーザー不足、これらをまとめれば『需要がない』ということです。
不安定な市場の中、M&Aも活発に行われていきます。
単純に倒産する企業も出る。
人口減少の市場で、需要の増加より減少の方が多くて当たり前です。
今自分は、どんな業界にいますか?
まずはこれを、希望的観測なしにフラットに受け止めることが大切です。
もし縮小業界にいたとしても、“個人”は大丈夫です。
なくなるのは企業であり、人ではありません。
そして縮小業界にいるときに、この先もやっていけるぐらい自分の力はついているのか?
これはポジションという意味ではありません。
逆にポジションがあってスキル(成果を出す力)がない場合は要注意です。
当然のことかもしれませんが、
縮小業界では、力の弱い企業から順になくなっていきます。
【活きる人材】業界をまたぐ
では、個人としての人材はどうあるべきなのか?
まず前提として、意外かもしれませんがこれが事実です。
人口(生産年齢人口)減少のため、人手不足の業界が多い一方、
仕事が減り、効率化され、人が余っている業界もある。
人余り業界から人不足業界への移行が課題となっている。
縮小業界にいても仕事がなくなるだけ。
だけど人材は、「自分にはこれしかできない」と思う。
企業側は、「経験者でないとできません」と言う。
双方に努力が必要です。
人材側は、他業界でも通用するように「社会人基礎力」を中心に自己啓発をする。
「エンプロイアビリティ(雇用されうる力)」とか、「ポータブルスキル」とも言います。
何より、常に変化の連続である社会を受け止め、新しいことに率先して取り組めないといけません。
企業側は、今までの当たり前となっている慣習を捨てなければいけない。
「未経験採用」を可能にし、「即戦力化」できる方法を模索する。
ITや仕組みなど、今までになかったものを取り入れて、今までできなかった効率を手に入れることです。
そうすると、人材が業界間を活発に行き来できるようになり人手不足が緩和される。
人手不足がなくなることはありませんが、少なくとも生き残りをかけた大きな競争力になります。
【存続のために】事業の柱を増やす
需要がなくなる業界では、事業の柱を増やさないと危うくなってくる。
特に本業一本でやってきて、十分に利益の出ていた会社は将来をよくよく見据えないといけない。
「その事業が縮小したら終わり」になっていないか?
縮小の可能性はどのぐらいありそうか?
新しい事業が軌道に乗るまでは数年かかります。
だから、早いうちに本業の将来予測を立て、不安ならチャレンジしていく必要がある。
『共倒れ』に注意です。
本業から派生して、周辺の事業に手を付けられればいいかもしれませんが、本業と共倒れになる場合は危険です。
また、事業に縛りがあるフランチャイズなど、発展性に自由度がなく大元が倒れたら共倒れする場合も。
たいがいその場合、大元は別の事業を模索しているんじゃないでしょうか?
現代では、守りの経営ばかりでは非常に危険です。
本業を守っていても、常にアンテナ高く市場を見ていなければいけない。
「気が付いたらもう取り消しが付かない」ということがないように。
手遅れになると、人不足・資金不足・時間不足が一気に襲ってきて新規開拓どころではなくなります。
余裕のあるうち(資源があるうち)に、次の一手を安全に打っておけるか。
そのためには常にチャンスをうかがい、情報収集を怠らない。
事業そのものにも、イノベーションが必要です。
【生き残るために】過去を捨てる
組織内においても、『再編』が余儀なくなれるはずです。
- 組織体制(役職等)は適性ですか?
- もっと効率のいい方法が生まれていませんか?
- その仕組みは現代に合っていますか?
今までの仕組み、やり方を正しいと思って若手に教えることが、逆に生産性を落とすことにもなります。
新しく活用できるツールに疎い上司より、詳しい若手に管理を任せたほうが効率が上がる場合もあります。
今まで上手くいってきた方法は、今までの法則です。
どんな市場でも通用する『原理原則』と、その市場でしか通用しない『法則』は分けて考えないといけない。
意外と、『法則』を『原理原則』と勘違いしてしまう上司は多いものです。
「この方法が全てではないのかもしれない」「自分の体験がこれからは通用しないのかもしれない」という前提を持つべきですね。
せっかく培ってきた体験・経験が通用しなくなるなんて、考えたくないものです。
「これが積み上げてきた財産なのに」と。
しかし、その財産が無駄になることなんて絶対にありません。
過去を体験してきた人は、現代を学ぶことで新しいものを生むことができる。
過去を体験していない人にはできない改革です。
組織が生き残るためには、若手が活躍するだけではダメです。
過去を知る者が過去を捨て、新たなものを生み出すことがカギになります。
縮小業界であっても、そこに残る精鋭が進化し続けることが大切です。
逆に進化が止まる場合、若手も成長を止めてしまいます。
人そのものが、変化を受け止め主体的にキャリアを形成していく。
世代に関係なく、すべての人に求められている力です。
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