それぞれの役割

会社で起きる問題

社長の仕事・幹部の仕事・社員の仕事【任せ合う文化】で責任と成果を

会社にはいろんな役割の人が必要です。

必要ということは、そのポジションで最大の力を発揮してほしい。

“他の仕事へのお手伝い”は、時に“おせっかい”として組織の生産性を下げることに!?

社長・幹部・社員がそれぞれ全うする役割、任せるべき仕事とは?

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『反発し合い』生産性を落とす会社

重複は反発を生む

組織に社長は2人いるでしょうか?

営業部長が2人いるでしょうか?

人をまとめるべき存在が2人いると、どちらに指示を仰げばいいか分からない。

当人同士も、「オレの方が正しい!」なんて反発し合ってしまいますよね。

 

これは同じポジションが2人いなくても同じことが起こります。

例えば社長1人、営業部長一人。

それなのに、社長が営業のアレコレに関していつも口出し手出しをしていたらどうでしょう?

部下は“社長の言うことだから…”と部長より優先せざるを得ない。

だけど営業についてプロなのは部長だから、社長の指示が正しいかどうかは疑問。

社長がただのアドバイスのつもりで言ったとしても、こういうことが起こるから難しいんです。

 

役割が重複すると反発を生み、組織は混乱する。

 

幹部がお手伝いのつもりで社員の仕事を気まぐれでやって荒らしたり。

社員が社長や幹部の立場・状況も知らずに経営について文句を言いまくったり。

役割の重複した部分が増えれば増えるほど、人件費がかさむばかりか生産性はどんどん落ちていきます。

 

“できる”人がやればいいわけではない

ある程度仕事はその役割の人に任せることが必要です。

では、なぜ任せられないのでしょう。

『自分の方が上手くやれる』からです。

 

社長は経営の全てに気が回り、情勢にも明るいから、今どう動くべきかが分かります。

だから緊急時にはすべてのプロセスをスッ飛ばして、社長の“鶴の一声”で方針転換をすることも必要です。

でも、常に鶴の一声だったらそれはただのトップダウン。

一定以上の規模には成長できません。

 

幹部はおそらく、その部門のエキスパートでしょう。

だから部下より上手くやれて当然のはずです。

だからといって幹部がプレイヤーに回ってしまっては、部下が育ちません。

それは幹部の役割ではないので、社員のままでいいということになってしまいます。

 

社員は現場を誰より知っています。

だから今の方針が合っていない時などは敏感に感じ取る。

しかし、社員の役割は実行であって方針の決定ではない。

やるべきことは報告であって、愚痴や文句ではないんです。

 

仕事は“一番うまい人がやればいい”というわけではない。

それぞれの役割を全うすることが、結果として会社全体の生産性を上げていくんですね。

 

役割を全うすることが組織の生産性を上げる

組織で役割を全うするというのは、ボコボコ空いていた穴を埋めていくような感じになります。

仕事が水だとしたら、ボコボコ穴あきのパイプでは下にこぼれてしまう。

どこか一か所が秀でていても、どこかでこぼれたら仕方ない。

とても効率が悪いんです。

一番効率よく水を流してくれるのは、デコデコボコボコなパイプではなく、まっすぐなパイプです。

 

一番できる人が突出して上手くやる必要はない。

それぞれの役割を全うする方が、組織にとっての最大の利益になる。

 

会社全体の中の自分のスタンス。

やるべきこと、任せるべきことは一体何なのか?

部分最適でなく、全体最適で考えることが大切です。

 

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『任せ合い』成果を上げやすい会社

【社長】の役割・任せる仕事

では、社長はどんな役割があるでしょうか。

社長は会社のトップとして方針を示す人です。

ただ、そのための情報は現場にもあるし、社長が持っている情報だけでは足りない。

多くの事を幹部や社員に頼らないといけない存在です。

しかし、これだけは絶対に他の人には出来ないということがあります。

 

社長は意思決定をするのが役割。

幹部に仕組みづくり・情報収集を任せ、社員に実行を任せる。

 

会社というのはどんなことも、まわりまわって社長の責任になります。

だから任せるのもとても怖いんです。

どうしても口出ししたくなるし、部下が言っていることも本当なのかどうか気になります。

でも残念ながら、全てを自分で実行したりチェックしたりしていては会社は成り立ちません。

我慢しないといけない場面も多く、会社のお金の心配も自分だけが背負っているから胃がキリキリ痛む。

 

責任が社長にある以上、決定するのは社長です。

 

そして会社が大きくなるにつれ“他の事をやっている余裕”はなくなります。

自分で営業するよりも、決定のための情報を収集することに全力を注ぐ

特に現場やお客様など、社内の情報収集は幹部や社員に任せる。

 

会社の意思決定は社長にしか出来ませんからね。

 

【幹部】の役割・任せる仕事

幹部はどうでしょうか?

ある意味一番、自分を殺して役割を演じないといけないスタンスです。

 

社長のように意思決定ができるわけではない。

かといって自分がプレイヤーをやるなら、そんなに多くの給料はもらえません。

幹部が組織にもたらすのは、『調和』です。

まさにパイプのデコデコボコボコをなくす作業と言えるでしょう。

 

幹部は組織をまとめるのが役割。

社長に意思決定をしてもらうための情報を開示し、社員に実行と情報収集を任せる。

 

ここで言う幹部とは、経営者に近い存在です。

チームリーダーなどはまだプレイヤーに近く、実践力・実行力がないと部下はついてこないので注意が必要です。

 

幹部は組織をまとめるために、様々な仕組みを考えたりして社員のモチベーションを維持し、社員がパフォーマンスを発揮できる環境を作らないといけない。

僕は「環境整備」と呼んでいますが、その実力が一番必要な役割です。

 

幹部は会社の環境・文化・仕組を整備する。

 

できることは数限りなくあります。

社長がやっていては時間が足りないから、幹部の存在が必要なんですね。

社長の想いを代行する存在とも言えます。

 

そして現場の事をすべて知っているわけではないので、今どんな問題があるのか、現状はどうなのかを社員から情報収集しないといけません。

素晴らしい幹部というのは、情報の環境整備が上手く、社員のモチベーション維持が上手い。

現場と社長の橋渡しなので、自分のわがまま意見を言っている余地はないんですね。

 

【社員】の役割・任せる仕事

最後に社員は、実行することが役割。

そして実行すればそこに多くの情報が生まれます。

その経営上のヒントを報告し、社長の意思決定を仰ぐこと。

問題となる事実を正確に報告し、幹部に改善に必要な資源を求めることも社員の役割です。

 

社員は実行・報告をするのが役割。

社長に意思決定を任せ、幹部に仕組みづくりを任せる。

 

社員にも、改善したいことはたくさんあります。

会社からの方針を実行するために、資源が足りないとか環境が悪いとか思うことがあります。

しかしそこに責任を持てるのは幹部以上です。

社員が条件整備に回ってしまっては、肝心のお金を生む時間が少なくなる

 

だから正しい現場の状況をしっかり報告し、幹部と社長の意思決定の手助けをする。

あくまで社員自身が決めることではないし、手に余る資源の確保も出来ません。

 

社員が一番組織のロスになる行為は、愚痴・文句です。

会社の否定をすることは他の社員のモチベーションを下げ、パフォーマンスを下げ、生産性を下げることになります。

幹部はその火消しに回らないといけなくなる。

 

愚痴や文句でなく、その事実や課題を報告すること。

目的が同じであれば、会社は全体で問題解決に向かうはずです。

 

社長・幹部・社員、それぞれの立場でそれぞれの我慢があります。

それぞれの立場でしか見えないものがあり、それぞれにしか出来ないことがあります。

今の組織の仕事、重複していませんか?

 

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宮内 利亮

《『ココナラ』のキャリア相談実績No.1》 はたらく悩みを解決! 【国家資格キャリアコンサルタント×元人事部長×特性分析アソシエイト】 宮内 利亮を詳しく知る⇒下の「キャリアコンサルタント宮内利亮について」からどうぞ

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