愚痴と問題提起の違い

会社で起きる問題

「会社への問題提起」?それとも「ただの愚痴」?正当化する言語攻撃

「愚痴」を言い続ける人のほとんどは、自覚症状がない。

「自分は会社への問題提起をしているんだ!」と思い込んでいる場合も。

似てるようで全くの別もの!

 

真逆なのに分からないのは経験がないから。

どこからが愚痴なのか?問題提起と愚痴の違いは何なのか?

本人は気付かない「愚痴」

「問題提起をしてるんだ!」の勘違い

愚痴を言い続ける人のほとんどは自覚症状がない。

だからこそ、言い続けて会社の環境を悪くしてしまうんですね。

 

しかし本人は「私は会社へ問題提起をしているんだ!」と思っていることもあります。

愚痴を言っている人は、自分のもたらす悪影響に気付いていない。

自分が言っていることが愚痴だとは思っていない。

 

そもそも自分が愚痴を言っていると分かっていたら、悪影響にならないように言いますよね。

この愚痴は悪くないんです。

「自分のモヤモヤを晴らすために、悪いけど話聞いてくれるかな?」

というスタンスなら、聞く方も役に立てるから嬉しかったりしますよね。

 

だけど問題は、悪気がない愚痴です。

むしろ「相手に聞かせてあげている」というスタンス。

無意識に言っている愚痴ほどタチの悪いものはない。

 

問題解決の経験不足

なぜ無意識に言ってしまうんでしょうか?

なぜ「これって問題提起だと思うんだけど」と思ってしまうのか?

 

愚痴を言う人の特徴として、解決思考でないことがあります。

愚痴を言う人は、問題解決のプロセスを知らない。

問題解決の経験が不足している。

 

逆に考えてみましょう。

なぜ会社への問題提起をしている人は、愚痴とは言われないんでしょう?

 

それは、解決のプロセスを踏んでいるからです。

決して問題点を言っただけで終らない。

きっという時の顔は真剣そのもの。

嘲笑ったり、顔をしかめながら言ったりしません。

 

対して愚痴を言う人の目的は違います。

本気で会社の問題を解決したいと思っていない。

簡単に言ってしまえば、それが愚痴と問題提起の違いです。

 

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愚痴の特徴

では、愚痴の特徴はどんなものでしょうか?

それぞれ、問題提起と何が違うんでしょうか?

 

周りの人が嫌な気分になる

まず始めに言えるのは、周囲の人が嫌な気持ちになるということです。

会社のアレが悪い、コレが悪い。

 

少しだけなら、「ああ、辛い思いをしているんだな」と受け取ってもらえます。

しかし、愚痴はだんだん元気になる性質があります。

エスカレートしていく愚痴を延々と聞いているうちに、周囲の人のエネルギーは吸い取られていく。

代わりに、言った人は元気になっていく。

 

これに気づかないのは、周囲の人も迎合してしまうからなんですね。

 

愚痴を言い始めた当初から否定してくる厳しい人はなかなかいません。

最初は聞いてあげようと思います。

だんだんエスカレートしていくから、途中から「それは違うんじゃない?」と言いづらい。

 

愚痴を言う人は、周囲のこの優しさに気づかず、甘えるだけ甘えてしまうんです。

周りの人は聞くだけで何の解決にも近づかないので、どっと疲れてしまいます。

 

「会社への問題提起」なら

問題が明確になり、モヤモヤしていたものが晴れる。

何をすればいいか分かるので、周囲の人は希望を持てる。

 

解決方法を考えていない

また、愚痴の場合目的が問題解決ではないので、当然こうなります。

愚痴には解決方法が伴わない。

愚痴を言う人は解決方法を考えない。

 

ここに一番、勘違いが生まれます。

「ああすればいいじゃん」「なんでこうしないの?」

という言葉は、解決方法を提示しているようで全然違います。

 

この解決方法とは、そんなに単純なものではありません。

“他人”のことをどうこう言っても、その人の置かれた状況はその人にしか分かりません。

その人の立場を知った人の発言は、「なんでこうしないの?」とはならないんです。

メモ

「すればいいじゃん」「なんでしないの?」は自分のことしか考えていない言葉。

 

本当に解決しようと思ったら、問題が起こっている個所の具体的な原因やプロセスを知らないといけない。

その立場を深く考えた発言は、自分も含めた行動を表す言葉になる。

自分事として、「こうしましょう」になるんですね。

 

「会社への問題提起」なら

自分事として捉え、解決方法まで考える思考。

 

言った人の心が軽くなる

これが、愚痴を言う人の目的に深く関わっています。

愚痴を言う目的は、言う人の心を軽くするため。

自分がスカッとしたいだけ。

 

これだけ言ってしまうととんでもない話に聞こえますが、当然自覚しながら言う人はいません

そんなつもりはなく、周りの人も聞いてくれるし、無自覚に振り撒いてしまう。

 

悪気はないんです。

しかしその悪気ない愚痴が、一番組織を蝕んでいってしまうことを知らないといけません。

これがツライところです。

 

もしその人を本当に思うなら、「それを聞いても私は気分が悪いだけだ」と言ってあげたほうがいい。

そしてそれだけで気付く人はいないから、愚痴と問題提起の違いを説明してあげたほうがいい。

 

実際は、それをわざわざしてあげるのは上司ぐらいですね。

普通は、面倒で相手にしたくないのが人間ですから。

 

「会社への問題提起」なら

言った人の心は真剣で研ぎ澄まされる。

言ったからには責任を持って解決しなければいけないという、使命感が湧いてくる。

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愚痴は攻撃・問題提起は治療

ということで。

「愚痴」と「問題提起」は全くの別ものです。

 

言うなればこうです。

「愚痴」は組織への攻撃。

「問題提起」は組織の治療。

 

愚痴は、無自覚に攻撃をしている虫歯のようなものです。

その組織が好きなら、多少痛みを伴うとしても、頑張って治療したいですね。

 

愚痴は言って楽になるだけ。

問題提起は言ってから自分が頑張るもの。

 

全く真逆です。

あなたはどちらを言いますか?

 

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宮内 利亮

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