ここでは、僕がいた会社で360度サーベイをやった時のことを書いていきます。
いや、その後のこともですね。
残念ながら、長期で見ると“うまくいかなかった”。
やったすぐ後は、何かが変わった気はしたのに。
うまくいく会社、うまくいかない会社。
一体何が分かれ道になっているのか?
原因になる組織の土壌とは!?
360度サーベイ(評価)本来の目的は
『360度サーベイ』は「多面評価」とも言われています。
360度サーベイ
上司から評価されるだけでなく、本人・同僚・部下からも評価を受けるもの。
部下から見ても納得する評価を全員がされ、組織が明るくなる。
年功序列でやってきた日本では、よりよい組織になるための問題がけっこうある。
- 上司が実力もないのに偉そう
- パワハラに屈するしかない
- 評価に納得できない
- お局さんが幅を利かせる
- 上司に気に入られないと昇進できない
あなたも感じたことがあるのでは?
360度サーベイがうまく機能すると、こういった問題が起こりづらくなり組織が活性化します。
上司は成長し続け、部下のモチベーションも維持される。
はずだった!
そして長期的に良い影響をもたらすと言われていますが、僕の会社の場合は全く逆。
10年以上傷が残り、じわじわ会社を蝕んだ!
だから今から導入する会社は本当に気を付けてほしい。
自社でやったのはこんな評価
コンサルの指示のもと、始めてやりました。
・全社員に「なんでも書いてOK」なアンケートを匿名で行う。
・集計し、組織の問題点を分析。
・管理職は集まり、直接言いたいことを言う。
アンケートは絶対に誰が書いたか詮索しないという約束のもと行う。
集計は外部の方にお任せ。
管理職の直接型360度サーベイは、一人を囲んで周りから全員がその人の問題をぶちまける。
言われる方は受け入れないといけない。
実際やったらどうなったか
「やっぱりね」なアンケート結果
とにかく言いたい放題会社の悪口が並べられていました。
僕もまだ課長だったので、少しは書きましたが。
管理職から社長まで全員集まった中でコンサルの方が読み上げる。
遠慮なく、誤解も含めて“恨み節”で書いてあったのが衝撃でした。
「もうちょっと会社のこと想像してもいいんじゃないの?」と思いました。
アンケートへの持っていき方は本当に大事ですね。
この時ばかりは社長が可哀そうでした。
よかれと思ってやっていることにも文句・愚痴しか言われず、報告を受けているうちにどんどん沈んでいくのが分かりました。
そこに理解を寄せることなく“ただの感情のぶちまけ大会”になっていました。
「誤解を解くチャンスぐらいあげたらいいんじゃないの?」とも思いましたよ。
全員泣かすのが目的?「管理職サーベイ」
もっと酷かったのがコレ!
もう弁護士のいない裁判です。
一人ずつ前に出され、他の全員からその人の悪い所を言う。
感情的になる人も出る。
コンサルはそれを止めもしないし導きもしない。
泣かせたら終了のような雰囲気に。
その人が本当に受け止めたか、全員が納得したら終わりということでした。
僕には、ただの体のいいイジメに見えました。
しかも自分もやられるので、もう全力で他の人のことをけなします。
やられたらやり返す。
そこに発言の責任もなく、「嫌い」というオーラさえ感じてしまいました。
もうちょっとマインドセットしてからやるべきですね。
相手を理解する前の発言ですから、どうなるか・・・
ないことないこと言われた
僕もないことないこと言われました。
「ただの想像だ」
「それ一部しか見てない」
いくらでも反論できるし、いつもの僕ならすぐに言い返すところですが。
受け止めないといけないんです。
で、僕はこの時もうコンサルに呆れていました。
何も言う気が起きなかったし、その場全体が醜いと感じていました。
「この場と一緒になりたくない」としか思えず、一切の口を閉ざしました。
泣くことなんて当然できませんでした。
ポイント
他の人も社長も、これを多くの人が感じていた。
つまり、関係を絶った「もういいや」の瞬間です。
これが10年経った後も傷として残っているなあと感じます。
社長が会社に来なくなった!
これを全社員から喰らった社長!
なんと、次の日から2週間ぐらいだったか“会社に来なくなりました”。
こんな社長を見たのは初めて。
しかも“受け入れろや”という雰囲気なので、電話もできない。
社員との一切の連絡を絶っていた。
社長が一緒にいたのは社外の人でした。
人はそんなに急に変われるわけがないんです。
急にそんなにすべてをひっくり返すような問題を突きつけられても無理。
変化は自分の中から起こらないと、受け入れることはできない。
おそらくコンサルか見落としていたのはこのポイントだと思います。
これが決定的な転機になってしまったのかなと、今でも思います。
信頼関係を保つためには、荒療治ではできないこともある。
やり方を間違うと、取り返しのつかない傷になるかもしれない。
完全匿名で会社を評価したら何を書く?
あなただったら、今の会社に匿名で何でも書けるとしたら何を書きますか?
普段言えない恨みつらみを書く
- 上司が前から嫌いだったんだ
- 会社の方針が間違ってると思う
- 実はパワハラされてるんです
こんな感じだったら、その会社で360度サーベイはやらない方がいい。
「嫌い」という言葉を放ってしまったら、取り戻すのに相当な時間と労力が必要です。
その“消えない溝”をつくる前に何とかするのが、社内のコミュニケーションや仕組みですよね。
会社の方針が間違っていると思ったら、その会社にいてはいけない。
その人が転職するべきです。
パワハラが起きた時に我慢してる会社はダメですよね。
すでに蔓延してしまっているなら、その会社は一度壊れるかもしれません。
やはり転職した方がいい。
ポイント
もしあなたが“普段言えない恨みつらみ”を書くなら、転職した方がいいサインです。
その会社で360度サーベイをやってしまったら、組織を壊す溝をつくってしまいます。
会社を理解する努力をし会社目線で書く
- 残念だけどこんな上司がいる
- 会社の方針に沿うなら、これは間違っている
- パワハラを根絶するには、ここが問題
どうでしょう。
建設的な印象に聞こえませんか?
そこに会社に対する“愛”や“思い”があるかどうかです。
自分目線ではなくて会社目線に近い。
ポイント
こんな人が半分以上いる会社なら、360度サーベイをやっても組織はいい方向へ行けると思います。
理解を示してもらえれば、社長も受け止めようとできますからね。
360度サーベイ(評価)は慎重に
信頼関係の薄い組織はやっちゃダメ
まだ信頼関係が薄っぺらなのに荒療治しようとすると、組織は崩れて「やり直し」になってしまいます。
信頼関係づくりは急がば回れ。一日にして成らず。
一歩一歩を積み重ねた土壌が必要です。
360度サーベイの仕組みが元からある会社は強いですね。
信頼ポイントは十分溜まっているか
社長が覚悟を決めてやる
こんなサーベイのやり方がまだ残っていてほしくはないんですけどね。
とにかくないことないこと、芸能人でもないのに書かれたり言われたりします。
しかもそれに対して弁解することが許されない。
孤独に耐えながらも、一人でもやるんだという強い意志がないと厳しいです。
「それでも変わる!」と強い意志で転機を迎えようとする覚悟が必要
一発屋のサーベイはダメ
これですね。
やっぱり、たった一回でなんとかしようとするやり方がいけない。
もっと長い時間をかけ、360度の評価が当たり前になること。
そうして作られてきた土壌であることが大事だと思います。
ポイント
上司の問題を指摘できる環境になっていますか?
上司がそれを受け容れられる雰囲気はできていますか?
不意打ちすると会社来なくなっちゃいますよ!(笑)
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