これから転職や就職を考えている人は「どの業界を選べばいいか分からない!」と思っていませんか?それもそのはず。
どの業界にも安全圏はない。社会は業界の枠を飛び越え、大きく変化している真っ最中。
マイクロソフト、apple、そして日本の動きは?
マイクロソフトが医療クラウド強化
音声AIを買収
「どの業界にすればいいか?」
結論、それよりも「自分は何がしたいか」の方が重要です。
直近の世の中の動きを見てみましょう。
まず、マイクロソフトが音声AIの老舗「ニュアンス・コミュニケーションズ」を買収しました。
iPhoneの「Siri」の基礎をつくったと言われる会社で、医療の分野に強い。
もともとWindowsによって名をはせたマイクロソフトは、これで『ヘルスケアの分野』が強化されたわけです。
「ヘルスケアと言っても、たかが音声だけでしょ?」と思うかもしれません。
しかしここからの発展がIT会社はすごいんです。
吸い上げたデータを用いて、従来の会社が太刀打ちできないような質の高いサービスをつくりあげる。
ヘルスケアは他の巨大企業も狙っていて、M&Aや自社が持つデータによって優位に立とうとしています。
このような動きが、最近よく言われる「GAFA+Mが世界を飲み込む」というもの。
マイクロソフトはこの他にも、リンクトイン(SNS)・Skype(ネット電話)・ゲーム関連などの買収を行っています。
強いIT会社が、次々に他の業界を飲み込んでいく。
「どの業界にすればいいか?」
この疑問が“安全圏を求める”ものであれば、すぐに改めないといけません。
“いま何を学ぶか”で選ぶべきなんです。
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Appleが車を開発
変わる価値〜車で何ができるのか
それから、Appleが車を開発したということも考えてみましょう。
2014年から動き出したというから、ここ最近の動きではかなり前から取り組まれていたと感じるものですね。
スティーブ・ジョブズ氏が自動車業界に参入したい思いが強かったようです。
「プロジェクト・タイタン」の名のもとに、自動運転の電気自動車「Apple Car」が開発されました。
あなたはどう感じるでしょうか?
テスラが自動運転で優位性を発揮してきたのは、ITテクノロジーに強いからです。
他の自動車メーカーのように、エンジンや車体づくりに優れているわけではありません。
電気自動車に変わると、自動車業界と言っていいのか?そこはすでにIT業界に入ってしまうのでは?
今までずっと続いてきた業界の常識が覆る。
僕も車を運転しますが、運転している間の時間が惜しいです。
生活スタイルが変わり、ゆっくり運転している時間がリスクになっています。
だから、新しい価値を車に求めている。
Appleなら、自動運転はもちろん、アプリとの連動やかっこいいデザインを実現してくれるんではないか?
iPhoneを手離せない僕は、自動車業界で全く実績のないAppleをすでに期待と信頼を寄せてしまっているんです。
つまり、車の価値は変わる。
車は走るもの。それは当然なんだけど、電話がスマホに変わったような衝撃が起きるのではないか。
「車で何が出来るんだろう!?」という、iPhoneに近い価値を期待してしまいますよね。
日本を抜け出す会社
課税のバランスは世界規模
アメリカからこのように巨大企業が台頭し始めていますが、世界ではこのようなIT会社に課税を強めようという動きがあります。
あまりにも会社のバランスが変わってきた世界では、致し方ないかもしれませんね。
「世界の利益を牛耳るような会社から税金があまり取れない!」なんてことになったら、その企業に良心と法を持って世界を守ってもらうしかなくなってしまいますから。
では、日本はどうでしょう?
もちろん、素晴らしい会社はたくさんあります。
じつは、ウォール・ストリート・ジャーナルが選ぶ「世界で最も持続可能な経営をする企業100社」にSonyが選ばれたり。
国別の持続可能性でもなんとアメリカに次ぐ2位。
でも、個人やベンチャー企業がこれを実感しているでしょうか?
実体として、どんどん海外に優秀な人材が流出している。
そのほとんどの理由が、「日本は法人税が高くてバカらしい」ということ。
賛否あると思いますが、課税のバランスは世界規模で調整しないと、若者は日本に魅力を感じなくなってしまうかもしれませんね。
このまま人口の増えない日本から生産人口が流出し続けたら・・・。
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統一される会社・超える業種
加速するアメリカIT会社のM&A
ということなので、世界的に課税を調整しないといけないぐらい、強い企業が生まれています。
アメリカのIT会社がM&Aによって加速度的に他の業界に進出する。
あらゆる業種をテクノロジーが飲み込んでいく。
現在はGAFAMを中心とする企業が競い合って“他業界のシェア”を取りに行っています。
だから、この流れはここ数年で非常に激しくなると思います。
安全な業界は、安全な職場という意味では存在しないと思った方が建設的。
もっと違う観点で会社や仕事を選んだ方がよさそうです。
【会社】想いがどこにあるか
会社を選ぶとしたら、『想いがどこにあるか』が重要だと思います。
儲かるからやっているという会社は、飲み込まれるか淘汰されるかです。
なぜか?
その商売をやっている理由が薄いからです。
今の状態が儲かるからやっているわけだから、発展性がありません。
目的や高い理想がない限り、あっという間に今のビジネスモデルは淘汰されると思った方がいいでしょう。
「電話を売って稼ぎたい」と思っていたら、「世の中の暮らしをもっと良くしたい」と思っている企業に淘汰される。
「車を売って稼ぎたい」と思っていたら、「世の中の暮らしをもっと良くしたい」と思っている企業に淘汰される。
そんな時代なんですね。
そして稼ぎたいという想いは、小さな会社の社長にとっては間違いではないんです。
儲けることは悪い事ではないし、他の企業に飲み込まれてもいいんです。
ただ、そこに安定を求めて入社してしまうのは、あまりに考えなしです。
もっと違う理由で入社してほしいのです。
会社の想いはどこにあるのか?
自分の想いはどこにあるのか?
です。
自分にとってメリットがある環境を選ぶことが仕事選び。
会社にとってもメリットがあれば採用されるというだけのことです。
【個人】個の強さ
再度結論に戻ります。
「どの業界にすればいいか?」よりも「自分は何がしたいか」です。
独自性のある自分のポジショニングを実現するためには、自分自身の想いがどこにあるかが大切です。
あまりに大きな流れに、私たちは逆らうことができません。
あと40年も続く業界を探そうなんて言う方が、現実味がないのです。
だから個として、自分の強みを磨くしかない。
「どこにすればいいか?」と外ばかり見るのではなく、「自分はどうか?」と内も見てみること。
正解は求めても誰も示せません。
自分自身で導き出すしかない。
それが新しい時代のキャリア形成です。