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就職・転職ノウハウ

【転職・就職の力】ちょっとヘンだよ!?『日本の履歴書』は限定的?

日本で当たり前のように書いている履歴書職務経歴書

実は世界から見たら「ちょっとヘンだよ?」と思われているかも。

そこには、ある“日本人らしい”特徴が!?

なるほど日本の社会問題!

海外人材の就職支援も経験したキャリアコンサルタントが解説します。

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日本の履歴書

学歴と経歴第一

日本の履歴書と言えば?

みなさんご存じのJIS規格が有名でスタンダードですね。

 

何からスタートするかと言うと・・・

『学歴→職歴』

という変えようのない事実からスタートする。

 

当たり前のように書いていますが、実は海外の履歴書はそうでない場合が多い。

そもそも、「履歴書」という言葉の概念が違う。

 

履歴書を英語にすると、Resume(レジュメ)です。

なので、“人に関してまとめたもの”という概念になります。

 

日本では“履歴”という言葉を使っていることから、就職や転職において『学歴・職歴』を重視しているように感じますね。

 

資格(証明)重視

次に書くのは何でしょうか?

そう『資格』です。

歴の次にもまた、変えようのない事実。

『資格』を書く。

 

確かに、確実に証明を出そうと思ったら資格は必要です。

しかし実態として『資格だけで実力がない・実力があるのに資格はない』という事実が往々にしてある。

資格が本当に会社に入ってからの実力を示すかは分からない。

 

少し、日本の特徴が見えますね。

何をするにしても日本はキッチリかっちりなイメージ。

法律や政策、教育や雇用などでもこの傾向を感じる人は多いんじゃないでしょうか?

 

外国人の方の就職活動を見ていると思います。

こんなに日本語できるのに、N2持ってないと書類で落とすって何??と。

 

海外の履歴書

「目的」から始まる

では、国際的な就職活動をしている人の履歴書(レジュメ)はどうでしょう。

 

まず、多くの場合『目的』から始まります。

日本では記入欄すらない目的が、一番最初に書かれている。

 

けっこう衝撃的ではないですか?

私は○○のために○○をやりたいから、○○になりたい。

○○と○○で貢献します。

という内容が先。

その人を要約するという意味の書類であれば、納得ですね。

 

これは、海外人材の方が優秀だというわけではありません。

だけど、“自分の事を表現する”ことに慣れているのは確かです。

 

「職歴」ではなく?

それから、職歴は確かに書かれているのですがこれも少しニュアンスが違います。

 

日本では履歴書に書くのは職歴「Work history」です。

だけど英語ではほとんど「Work Experience」職務経験です。

日本は職務経験を書くのは職務経歴書。

職務経歴書は中途が転職活動する時にようやく作るもの。

海外は新卒でも職務経験を書く。 

 

新卒が職務経験を書くには、バイトやインターンが必要ですね。

日本でインターンが一般的になってきたのはつい最近の話。

海外では大学を出たからといって学歴自体が重視されるわけではない。

多くの海外では、その人の歴史ではなく経験を重視して採用する。

 

そもそも、職歴だけ書くことに何の意味があると思いますか?

よく考えたら、職務経歴書がないと意味がないですよね。

 

良い学校を出る、良い会社にいた。

そんな事実だけが重視される形になっているのが、日本の履歴書です。

 

受けてきた教育

こちらも職歴と同じニュアンスです。

やはり「学歴」ではなく「受けてきた教育」という切り口なんです。

 

大学での学びはこの、受けてきた教育に入ります。

これだけで、何か違うと思いませんか?

日本では大学までが学生としてレールが敷かれているイメージ。

海外では仕事をうまくやるために学ぶのが大学というイメージ。

 

目的意識も違う学生が多いです。

すでに職業選択をしたうえで、狙った学びを取りにいく。

社会人的な学びです。

 

日本では多くの場合、「とりあえずいい大学に行く」

学生の延長線上で、社会に出ると急なギャップに戸惑う。

まさに、今日本が解決しようとしている社会問題がレジュメ上にも見えてくる。

 

スキル(経験)の詳細

スキルや経験も詳細に示すことが多いです。

「ちょっと言い過ぎなんじゃない?」と思うものも多い。

 

日本人からしたら、偉そうなこと書いてて全然大したことないじゃん!と思うかもしれない。

だって「レジュメ」ですから。

履歴書(レジュメ)そのものに、アピール要素が強い。

 

日本ではどうでしょう?

事実だけを書く意味合いが強いですね。

 

だけど日本人も、「それもっと前面に出せばいいのに」と思うことがたくさんあります。

海外の学生だって、そんなに個性あふれる言葉でその人だけのアピールをしまくっているわけではないです。

ただ、アピールに慣れている

 

日本でも、もっと自分のスキルや特性を言語化する機会に恵まれるといいですね。

 

課外活動(インターン)などの記録

新卒のエントリーシートでは書くこと書かないことあると思います。

『課外活動』

授業の他にどんなことに取り組んできたかですね。

 

やはり中途のJIS規格にもなると、課外活動を書くスペースもありません。

だけど、それも立派な経験ですよね。

日本の転職活動では、社会での経験しか書かないのが一般的。

海外では経験全てを書くこともあり。

というか、枠組みがなく自由なものが多い。

 

考えてみれば、履歴書の形が決まっていること自体「何基準なのか」という話です。

会社独自にエントリーシートを決めることは全然いいと思います。

しかし、日本全体で“とりあえず決めた”JIS規格を全ての会社が使う義務はないですよね。

いつの間にか型にはまった規格で履歴書を作るのが当たり前になっていた。

 

「常識」とか「慣習」が日本と特徴だと改めて思います。

これは決して悪い事ばかりではありませんけどね。

 

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【履歴書】から見る、日本と海外の違い

「自分主体・思い」か「会社中心・証明」

日本と海外。

履歴書からどんな違いが読み取れるか?

僕はこんなふうに思います。

 

海外のレジュメ(履歴書)

「何がしたい」という思いが中心にあり、本人が主体。

そのための裏付け、自分の武器をたくさん用意している。

 

日本の履歴書

経歴が中心で、定性的情報を排除している。

「志望動機」という会社主体の思いと、そのための証明を欲している。

 

日本の場合、会社に合わせて志望動機を書くことがあっても、「そもそも自分がどうなりたいか」を書くところはないんですね。

受けてきた教育も「何がしたいか」を決めさせるものはない。

 

「日本人は自分を表現することが苦手」ということに納得がいくのではないでしょうか。

日本もこれからは確実に、自分の表現。

つまり自己理解を求められるようになってきますよ。

 

「事実」の広さ・深さ

事実の広さも残念ながら海外のレジュメの方が上です。

 

事実の広さと深さ

  • アルバイトで何をしてきたか
  • どんな工夫をしたか
  • どんな実績を出したか
  • 活かせるスキルは何か

 

そうです。

職務経歴書を新卒からすべての人が書くようなイメージです。

 

日本では転職する時に初めて作る人ばかりですから、自分の事実を広く深く記していくことが苦手なんです。

しかもこれが「問題だ」と思っている人すら少ないですよね。

 

でもこれは確実に問題です。

転職する力(エンプロイ・アビリティ)が弱いということですから。

終身雇用の負の遺産です。

 

このために日本では、2020年から教育の現場に「キャリアパスポート」が生まれ、

社会では「ジョブ・カード」が推進されているんですね。

 

ポイント

日本では、自分の「思い」も「事実」も表現する力が弱い。

その問題すら自覚できている人は少ない。

 

職務経歴ならぬ『職業能力証明』

新卒でも能力を証明する。

これはもう職務経歴書とは言えませんね。

 

これを「ジョブ・カード」では、職業能力証明と呼んでいます。

職業能力証明

職業をこなすうえでの能力があるという証明になる。

訓練歴、学んだこと、職歴など、すべてが証明となる。

 

履歴書では、歴史しか分からない。

これでは偏差値しか分からない。

 

職務経歴書では、職歴しか分からない。

これでは社会に出てからの偏った情報しか分からない。

 

本当は人間、もっと色んなことが自分を証明しますよね。

そのために自分を記録をしていきましょう。

 

近い将来、もっと簡単に自分のことや他人のことを理解し合えるツールがたくさん出てくるといいですね。

 

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宮内 利亮

《『ココナラ』のキャリア相談実績No.1》 はたらく悩みを解決! 【国家資格キャリアコンサルタント×元人事部長×特性分析アソシエイト】 宮内 利亮を詳しく知る⇒下の「キャリアコンサルタント宮内利亮について」からどうぞ

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