ジャニーズJr.の定年を22歳にするという発表がありました。
様々な理由があるであろうことはさておき、人生100年時代の雇用という側面から今回の事を考えてみましょう。
『長く働きたい』という価値観が大きく変わる!
今すぐ、考え方を更新しておこう!
スポンサーリンク
ジャニーズJr.の22歳定年制
早い!?遅い!?
ジャニーズJr.が定年を22歳にするというニュースがありました。みなさんは第一印象でどう感じましたか?
ほとんどの人が、「はやっ!」と感じたと思います。
その次に、「あ、Jr.だから、むしろ遅いのか?」と思った人もいるでしょう。
どちらにしろ、『定年』という言葉と『22歳』という年齢が結びついたことで新しい未来がみえてくるのではと思っています。
ちなみに、ジャニーズの滝沢副社長はこのようにおっしゃっているそうです。
「会社が親でタレントが子供だとしたら、親の責任としてちゃんと向き合うべき。ずっとこのままだと僕はある意味、無責任に感じてしまう」
この言葉、僕は本当によ~く考えられた結論だなと感じています。
『このままだと無責任なんじゃないか』
この考えが、昔と今の違いを象徴しているように感じます。
人口増で終身雇用の時代は、会社に長く雇ってもらえることがいいことで、その後の生活も年金によって保障されていた。
でも今は、その当たり前がどんどん崩れている時代です。
そして『個人の時代』、会社に頼らず個人でなんとかしないといけない時代になってきた。
つまり今の時代、会社に縛られて会社でしか使えないスキルだけを伸ばすのは大きなリスク。自分の事を自分で考えることが、最も重要なことなのです。
早期化するキャリア意思決定
学校教育でも、この問題を解決するために『キャリア教育』が強化されています。アクティブラーニングやプログラミング授業などですね。
キャリア教育のテーマは『生きる力』であり、変化し続ける時代に適応する人材を育てるために教育を根本的に見直そうとしています。
会社に頼れないから、自分の個性を発揮し独自性を築くことが重要になる。そのためにはまず自己理解から始めないといけない。日本人は特に、自分を見つめることがとても苦手です。
もっと早く、自分は何がしたいのかを確立することが大きなテーマ。
キャリアには『何がしたいか』がとても大切です。キャリアは自分だけのものであり、結局誰にも頼ることは出来ないのに、どこに向かいたいか分からないのであればどうしようもない。
社会経験を積まないと最終的なやりたいことにはたどり着きませんが、その根っこの特性は子供の頃から育まれている。この特性を発見するために、「自分について深く考える時間」が必要になるんです。
本人が考えるきっかけが必要
今回のジャニーズJr.22歳定年制は何が良いかというと、本人が考えざるを得ないきっかけを与えるということです。
また、向きあうということは対話するということかもしれません。対話することで、より深く自分について考え、答えに近づいていくでしょう。
ジャニーズとは無縁の私たちはどうでしょうか?
私たちは、若くして真剣に将来を考えないといけないきっかけを持っているだろうか?
おそらく、そんなきっかけに恵まれている人は少ない。でも全員がいずれは考えないといけないことだから、向き合うのは早い方がいいはずです。
「まだ会社にいられる」
「まだ夢は夢のまま持っていればいい」
「いつかは何かが変わるはずだ」
このように思っていることは、早期にキャリアの意思決定をしなければいけない現代において大きなリスクと言えます。
ジャニーズにとってのデメリット
長期のキャリアを考えるうえで自分の人生をしっかりと考えるきっかけがある。個人にとってこれは大きなメリットがあります。
会社にとってもメリットはあるかもしれません。やる気のない社員をいつまでも置いておくことはイヤですからね。
しかし、会社にとってはデメリットも大きい。
例えばジャニーズにとってのデメリットは、タレントを囲っておけないことです。
売れる人材をみすみす逃したくはないというのが、今までの考え。しかし定年を迎えてしまったら、「どうする?残る?辞める?」という会話をしないといけません。
そのタレントが売れていようが、本人の意思次第では手放さざるを得ない。むしろ売れていればタレントは自分で稼げてしまうので、離れてしまうことが多いでしょう。
本当に会社を気に入ってくれている人以外は手放すという決断。
会社のデメリットを受け入れながら、未来の社会へ適合していこうという考え。
なかなかに勇気のいる決断ですが、何より会社が変わっていかないといけないという意志を感じるものでした。
いま、どんな時代なのか?
時代は特化人材を求める
さて、時代時代と言いますが、いったいどんな時代なのかおさらいしておきましょう。
人生100年時代=個人の時代=個性・独自性の時代=何かに特化した個人が社会を形成する
中途半端は求められません。
例えば、チラシを作りたいからデザイナーを「クラウドワークス」で探すとしましょう。
めちゃくちゃ評価が高くて、たくさんの実績を持っている人。
評価がまだついていなくて、実績がない人。
どちらを選びますか?
特に理由がなければ前者ですね。同じ値段であれば、みんなが利用しているサービスを信用します。
では、「特に理由がなければ」をもう少し考えてみましょう。
理由があれば他の人を選ぶということです。
例えば、「値段が一番安い人」とか「飲食店のチラシに特化している人」とか「ポップなカラーを使う人」などですね。
つまり、何かの部分でナンバーワンの人を選ぶということです。
みんなと競合してナンバーワンを目指せという話ではありません。
求められるのは、何かと何かの組み合わせた独自性、ニッチな自分だけの領域。中途半端に誰かと同じステージで戦うよりも、自分だけが輝けるステージを見つけた者が選ばれる時代ということです。
そのために、「何がしたいのかを明確に持つ」ことができるように教育も始まっているんです。
定年が意味を成さない未来
『定年』という考え方も、今後大きく変わっていくのではないでしょうか。そもそも、定年を定める意味があるのかも疑問です。
正直行って、会社で求める年齢層はもっとずっと若い。みなさんの会社でも、中年以降で戦力になっていない人の存在が問題になっているかもしれません。
それに、いまは50歳ぐらいで戦力だとしても、70歳まで戦力でいさせてくれるでしょうか?
これが現実的ではないから、副業やフリーランス化という選択になるわけです。ある程度特化した力を手に入れたら、会社から抜け出し、狭い領域でより多くの活躍の場を求めていく。
「定年まで働く」は、個人にとっても企業にとってもデメリット。
今までは個人にとって「そこまで雇ってくれる」という“口約束”はありがたいものだったかもしれませんが、その常識が変わります。
その年齢まで雇用が保証されるものでもなんでもないし、年金は今までのようにもらえない。むしろ「早めに会社から卒業する用意をしておいてね」と言われる方が優しい。
定年があることで安心してしまってはいけない。自分のキャリアを会社に預けていたら、いつしか望まぬ方向に行ってしまうでしょう。
会社から個人へ
ジャニーズが決断をした背景には今の時代があります。
会社から個人へ
キャリアに対する責任の所在はすでに会社にはなく、全ての個人にあります。年齢が若かろうが何だろうが関係ないんです。
合わせて、働き方はパラレル化していきます。
フリーをしながら会社でも活躍し、技術職をやりながら講師をやるような人が多く出てくるでしょう。『定年』とか『フリーランス』とか『社員』という言葉が与える印象は、今後数年で大きく変わる可能性があります。
ジャニーズの決断は時代を象徴したものであり、実は個人にとってのメリットが強いものだったのではないでしょうか。
他人事だと思わず、自分と向き合うきっかけをしっかりと設けていきたいですね。