「これから先、安全な業界はどこだろう?」変わり続ける社会、将来を考えると悩みは尽きません。
しかし、新しい社会は業種の壁を簡単に飛び越える。
例えば自動車業界を変える可能性のある『テスラ』は、本当にそれだけなのか?
長期キャリアの新しい考え方。
テスラが変える自動車の未来
パソコンに車が付いている
『テスラ』という電気自動車メーカーをご存じでしょうか?
日本でも最近よく走っているのを見かけますが、営業マンもいなければ宣伝もしていないのであまり認知度は高くないかもしれません。
しかし、このメーカーが将来自動車業界はもちろんのこと、その他の業界を変える可能性をも秘めている。
振り返れば、他にも同じことがここ数年で起きている。
今回はそんな事実を背景に、どんな業界…いえ、企業が発展していくのかを考えてみましょう。
まず、テスラという車の何がすごいのか?
それは、『パソコンに車が付いている』と言えば分かりやすいと思います。
他の電気自動車と圧倒的に違う点が、テクノロジーにおいて優れているということ。他のメーカーが車を基準に考えられているとしたら、テスラはコンピューターがメインと言ってもいい。
車体はただの箱という感じなので、コンセプト自体が違う。このような会社を「自動車メーカー」と思っていては、改革に乗り遅れるかもしれません。
ここで、何かと似ていると思いませんか?
そう、スマホです。
スマホは「パソコンに電話がついている」と言える。テスラ同様にコンセプト自体が違い、携帯電話の業界でありながら電話メーカーを置いてけぼりにしています。
「携帯電話⇒スマホ」と同じ改革が自動車業界に起こる可能性がある。
テクノロジーに優れた会社が、今までの老舗と言えるメーカーをあっという間に追い抜いてしまうという現象が起こってしまうんです。
コンピュータだけ交換可能
他にも、テスラにはスマホとの共通点があります。時代に合わせて進化していると言えるでしょう。
スマホは、本体を変えなくてもアプリだけをアップデート可能ですよね。
テスラは、車体を変えなくてもコンピュータだけを交換可能。
現代のテクノロジーの変化はとんでもなく早いため、何度も高価なものを買い替えていてはお金は足りないし変化に追いつけない。
早いサイクルでバージョンアップを可能にしたんです。
これは他にも色んな場面で起こりまくっています。
例えば、僕も社内で人事管理用のWEBシステムなどを使っていましたが、昔はシステムを購入したらまた新しいシステムが発表されるということがよくありました。その度に買い替えるのはバカらしいなと思っていたら、今はほとんどのシステムがバージョンアップを繰り返す仕様になっています。
そうでないと、買いたくないですよね?買った状態のまま進化しないシステムなんて。
変化に対応できるサービスでないとユーザーに選ばれない。
イーロン・マスクの存在
テスラが最先端を行ける理由としては、トップのイーロン・マスク氏の存在が強いと言われています。
なぜかと言うと、ひとつは彼がテクノロジーに強いということです。だから他の自動車メーカーに先駆けて優秀なエンジニアを獲得できるし、今までの業界の常識を壊すことができる。
もうひとつの理由は、強いビジョンを持っていること。エネルギー問題や環境問題という、世界的規模の問題解決を最大の目的としていることです。
例えば「ハイパーループ構想」。鉄道をリニアモーターカーのトンネルに変えてしまえ!という考え。スピードは倍近く、環境に優しい。これが実現すると、鉄道は要らなくなります。
また、「ロボタクシー」。タクシーを全て、自動運転の電気自動車に変える。環境に優しく、スピードも早くなり、人件費が浮き、運賃は安くなる。これが実現すると、自動車は要らなくなります。
事業としてお金を生むというよりも、叶えたいビジョンに向かって突き進んでいる。
他の自動車メーカーが車づくりを得意とし、車の価値を届けようとしている中、テスラは「交通の利便性」を追求し、より未来の人々の生活を良くすることに価値を置いている。
車という商品が時代に合わなくなったら、それを捨てないと独りよがりの価値になってしまうんですね。
企業は時代が求める価値に更新し続けていく必要がある。
そのビジョンを示せるトップの存在や企業の存在意義の確立が重要。
従来の業界では歯が立たない!?
電話メーカーはアップルに勝てない
近年起こっている現象としては、一部の超ビッグな企業に色んな業界が飲み込まれようとしていること。
例えば携帯業界。(業界の名前すら「スマホ業界」に変わったと言っていいでしょう。)
少し前にさかのぼると、ドコモはガラケーを売っていました。スマホの登場により自社でも対抗しようとしましたが、到底iPhoneに敵う訳もなくiPhoneを売ることになりました。
なぜiPhoneには勝てないのか?
すでにスマホが出た時点で、テクノロジーの差が圧倒的についていたからです。
元々アメリカの教育が優れたエンジニアを生み出していたこともあり、気が付いた時にはもう遅いのです。
大きくなったアップルは、他の追随を許さないレベルにまでなりました。今からアップルに勝とうと思っている企業は、もうみんなが知っている世界の大企業ぐらいしかないでしょう。
なかでもスマホで勝とうと思っている企業は皆無ですよね。
まったく新しい革新的技術がスマホをひっくり返すまでは、しばらくこの状態は加速していきます。
業界すべてがひっくり返されるような改革が、iPhoneの登場によって起こった。
新しい技術に追いつける既存の電話メーカーは存在しなかった。
自動車メーカーではテスラに勝てない
では、自動車業界はどうでしょう?
特に日本においては、テクノロジーへの理解が進んでいないとのことです。
しかし時代はどんどん進んでいき、ガソリン車を禁止すると表明している国も出始めました。
残された道は、いかに海外の進んだ自動車メーカーと提携していくか。
今から電気自動車の技術で勝とうと思っても、すでにそれは日本の自動車業界が得意とする分野から外れているのです。
同じ業界であるはずなのに、今までの得意分野では太刀打ちできなくなる。
日本では世界に誇るトヨタがあります。しかし、すでに「終身雇用は限界」とも言っています。商品価値、必要となる技術、必要な人材、雇用、全てが今までとは大きく変わります。
GMはなんとか追い付こうと努力はしていますが、テスラにまでは届かないのではと思われています。
携帯の次に自動車。一体、何業界と言われるようになるんでしょうか?
次の時代に世界を手に入れる力
テクノロジー
次の時代は、数少ないトップ企業が様々な業界をまたにかけて広がる時代。
その中でも『テクノロジー』の力を持った企業は、恐ろしく強い。
GAFAと呼ばれる、Google・apple・Facebook・Amazonを代表とする化け物クラスの企業が、より大きくなっていきます。
テクノロジーに関心があったり、必要性を感じている企業でないと、生き残るのは難しいでしょう。
近年の進歩の加速を見ると、あと数年で世界が変わる可能性もあります。
車が必要なくなったり、建築資材が必要なくなったり、動物の屠殺(とさつ)が必要なくなったり、燃料が要らなくなったり、診察が要らなくなったり。
例えばアップルウォッチはヘルスケア情報を集めていますが、現在他にも同じものを開発している企業はあります。
何を狙っているんでしょうか?
常時健康に関する情報を収集していれば、わざわざ病院で面倒な手続きや診察を受ける必要がないんです。
保険料も個人に合わせて最適化することが出来ます。
appleが医療業界や保険業界をも変える可能性がある。
テクノロジーには、業界をまたにかけて変えてしまう力がある。
ヒューマンデータも
もうひとつ、大きな力があります。
それは、先ほどのappleが健康業界を変えるために必要なもの。
個人に関する情報です。
個人の生活情報が、健康業界と紐づいていく。このデータを持っていることが、その人をよりよい生活に導くために大変有用なものなんです。
同じように、どこで何が起こっているでしょうか?
例えばTikTok。アメリカの企業ばかりが大きくなる一方、中国のこの企業が大きくなっている理由の一つが、ユーザビリティが優れていること。
使う人ひとりひとりにどんな趣向が合って、どんなものを表示すればいいかを判断する機能に優れています。
Googleは言わずと知れた、YouTubeでのユーザビリティ。
Amazonは購入履歴やAmazonプライムで。
個人の情報を持ち、個人に対して最適なサービスを提供する。
個別化サービスを提供できる企業が強い。
これが今まで無理だったのは、人がサービスを提供していたから。人では限界があるからです。
でも、AIやロボにならそれができてしまう。
テスラも今までと違うのは、コンピュータを搭載したことにより過去とは比較にならないぐらい個人のデータを取れることです。
月に一回の電話をしてくる人が取る情報と、毎日手で触るタブレットが取る情報。すでに勝負にならないステージなのです。
その次は果たして!?
ということで、今回は電気自動車の『テスラ』を例に未来がどう変わっていくのかを書きました。
みなさんの業界はいかがでしょうか?変化しない業界はないと思いますが、生き残っていけるでしょうか?
また、会社はどうですか?ITやテクノロジー、技術革新について関心はあるでしょうか?
このブログでは、個人がいかに個性を発揮して幸せに働くかをテーマにしています。
今後の社会の流れとしては、業界をまたぐ転職が当たり前になる時代になるから、会社に頼らず生きていくために自分の個性をつくり上げるというもの。
業界は変わるし、会社も生き残れないかもしれない。でも、安心してください。
個人がやることは変わりません。
超ビッグ企業がより世界を牛耳っていく社会の次には、いったいどんな社会が来るのでしょうか?
むしろその変化を楽しみにしていましょう。
淘汰される会社があれど、社会は確実に豊かになっていっています。
どんな社会が来ても自分の個性を発揮できるように、自己理解を進めながら学び続けましょう。
安全な業界なんてないんだと思う所から、自分だけのキャリアが始まっていくのかもしれませんね。