相談者の中でダントツで多いのが、「目標がないんです…」「特にやりたいことがないんです…」という悩み。
「やりたいこと」と「できること」が一致していない場合に起きるこの問題、果たしてどう考えればいいんだろう?
キャリアコンサルタント的に解説!
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ないものはない。それでも社会は進む
人生の目的はすぐにできないもの
仕事をしていても、なんだかモヤモヤ。
このままでいいんだろうか?という思いを抱えながら、働いている人は本当に多い。
「目標が見つからない」
「やりたいことがない」
今やっていることは嫌ではないけど、本気になり切れない自分がいる。
特に20代で多い悩みだと思いますが、それもそのはず。
20代はまだまだ、やりたいことを探索する時期。
“できること”を増やす時期。
まず理解しないといけないのは、人間のキャリア発達上、自分の方向性が決まるのは40歳程度ということ。
そんなに簡単に見つかるものではないということです。
では、20代はダラダラやっていていいのかと言うと違います。
早い話、「やりたいことがない」のは当たり前であり、目の前のことに全力になれない理由にはならない。
【やりたいこと=目標】の甘え
「やりたいことが見つからないと頑張れない」
と思うのは、甘えです。そう思った方がいい。
どんな思いでいようと、社会は回り続けています。
仕事をしているならお客様がいて、お金を払った以上一定の価値を提供してほしいと思っている。
それがやりたいことであろうとなかろうと、お金を払っている人には関係ない。
やりたいことでないと目標を持てないのは、今の自分の立場を自覚出来ていない可能性がある。
社会的役割を意識すると、「やらなければいけないこと」ができる。
目標というのは、目的を達成するためのプロセスになるものです。
しかし、この目的・やりたいことを持つのは時間がかかる。
それでも、社会の中で役割があるのなら、役割上の目的・社会的目的があるはずです。
自分中心ではなく、社会中心に自分を考えてみよう!
やりたいこと=ミッション
社会中心で自分を考えた時に、自分の役割を意識します。
- 今自分はこの会社に勤めていて、この会社にはこんな理念がある。
- 今の仕事は、社会の中でこんな意味があるものだ。
- 自分の得意なことはコレ。これなら社会でお役に立てる。
この社会的に必要とされるであろうことの中に、『使命感=ミッション』が生まれてきます。
ミッションと言うのは、社会の中で誰かの役に立つことを本気でしたいと思えるようなこと。
「どうしてもやらないといけない!いや、やりたい!」
悩んでいるうちは、まだこんな思いになれる仕事には出会っていないはず。
ではどうやったら見つかるでしょうか?
漠然と思いついたやりたいことが、ここに発展するまでに一体どれだけの時間がかかるでしょう?
仕事の意味を理解し、社会での役割を認識し、「アレ?違うな…」「やっぱイイね!」を繰り返しながら。
結局最後は、『使命感』を感じないと迷いは尽きません。
そして“自分にできないこと”では絶対に不可能です。
だから、自分に今できることを全力でやる方が見つかりやすいということです。
ポイント
やりたいことだからミッションになるのではない。
できることだからミッションになる。
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「できること」から本当の自分へ
社会での役割を意識する
迷うぐらいなら、「やりたいこと」を探すのを一旦やめて「できること」から探してみましょう。
少し僕の話をしましょう。
元々、人事になろうと思っていたわけでもないし、好きでもなんでもなかった。
たまたま人事の経験を積み、運よく色んな成果を上げることができた。
やりたいことで言えば海外にでも行って仕事したい。
でも、それは社会に求められていない。
自分が人より出来ることは人事領域であり、情報もどんどん入ってくる。
すると、社会に問題がある事を知る。
『これではいけない』と思う。
変えないといけない。いや、自分が変えたいと思っているんだな。と分かりました。
やりたいことではないと思っていたことが、実は自分が何よりやりたいことであり、ミッションなんだと感じた。
僕も完全に、できることの中からミッションが生まれたタイプです。
ポイントは、社会的役割への意識。
自分にできることはこれだ。社会が求めている。自分がこれをやらないと嘘じゃないか。
求められていると感じた時のパワーはすごいです。
やりたいことは、自分中心に考えても見つからないことが多い。
社会に求められる自分を意識すると、簡単に見つかるようになる。
ただし、見つかるのは40歳ぐらいと言いましたよね。
だから20代のうちは、できることを磨き上げていかないといけませんね。
だから「目標がない」と言っている場合ではないんです。
「どんなものを磨いていけばいいの?」と迷うかもしれませんが、その迷いは必要ありません。
キャリアコンサルタント的に言えば、どこで何をしていても、キャリアは日々形成されていきます。
どんな時も“アンテナ”を立てる
やりたいことではないのに、本当に望んだキャリアが形成されるのか?
実はこの時、“望んだ”かどうかは重要ではありません。
そもそもやりたいことに悩んでいるのに、望んでいる方向があるわけがないんですね。
それでも満足のいくキャリアを形成していくにはどうしたらいいのか?
このブログでも度々話題にすることです。
興味の『アンテナ』を立てること。
「なんかいいな」「あ、これ好き」など、
ほんの些細な興味でもいいんです。
考えてみれば、今までの人生でもアンテナが向いてきた方向に寄ってきたはずなんです。
僕の場合も、人事に興味があるなんて考えてもいなかった。
だけど、みんなで山に登ったりイベントを考えたりするのが好きだった。
後で、「これが人事なのか」と分かっただけです。
日々の仕事の中で、面白いと思うこと・やりたいと思うことを少しずつやってきた。
こうも思います。
きっとどの会社で、どんな立場にいても、結局似たようなことをやっていたんじゃないかな。と。
だとしたらです。
「めんどくさい」と思っていたら、何もしない方法を何とか探していたことでしょう。
目の前の、やりたいことでもない事でも一生懸命やってきたから、それがやりたいことになる。
逆なんですよ。
「社会での役割なんて果たしたくない」というアンテナを立てていたら、そのための情報ばかり拾ってしまうから要注意です。
「やりたいことが見つからない」「目標が見つからない」
そんな時は、まず「できること」を一生懸命やる決意をしてみてはいかがでしょうか?