未経験採用の危険

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転職者・人事担当者が見落としてはいけない【経験者採用】の危険!

「この仕事は経験者でないとできません。」

と聞く職種がある。

採用にずっと携わってきた身として思うのは、「それじゃ先がないな…」ということ。

キャリア課題が「世代性」まで進んでいない証拠!?

後から入ってくる人ほど“早く成長する環境”を作ってあげることが、組織内で先輩がすべきこと。

これができない組織は、“成長していない”ということではないのか?

限られた人数からの奪い合い

今までずっと「経験者採用」でやってきた。

なんで今さら「未経験採用」に変えないといけないのか?

時代の背景が変わっているからです。

 

まず国全体でいうと『人口減』ですね。

“限られた人数”ならまだしも、加速度的に減り続ける生産人口を奪い合うのが採用です。

どうしても今までと同じではやっていけないのが現実です。

人が採用できなくなった会社から潰れる運命にある。

現代での採用は、それほど重要な位置づけになります。

 

しかし、希望もあります。

  • グローバル化
  • テクノロジーの進化(IT化)

です。

今まで自社で全部やっていたことを社外でやれるようにすれば、その分人は少なくてすむ。

今までは人がやっていた仕事をコンピューターや機械に替えれば、やはり人を減らせる。

そもそも人がいなくても回る環境をつくることです。

 

そしてこうも考えないといけない。

ポイント

IT化が成功した業界では、人がいらなくなる。

(業界自体が縮小傾向にある場合も同じ)

 

つまり人の数は限られているので、人がいらなくなった業界から採用してくる必要があるということです。

 

業界を超える

ユーザーは簡単に業界を超える

一旦ユーザー側の視点で考えてみましょう。

最近使わなくなったサービスはありませんか?

最近よく使うようになったサービスはありますか?

 

例えば、スマホ。

利用価値がとんでもなく高く、今や仕事でも必要なもの。

携帯端末を売る仕事や、通信用の設備を設置する仕事が増えますよね。

通信業界の販売員や、施工関係の仕事をする人が足りなくなる。

 

では、本屋はどうでしょう?

スマホでいつでもどこでも本が読めてしまうので、本屋がどんどんなくなっています。

本を売る仕事や、出版する仕事が減ります。

出版業界や本の小売り関係で、人が余ります。

 

仕事が増える業界と減る業界がある。

人が足りない業界と余る業界が存在するということです。

例えば、

出版業界から通信業界に人が流れれば、問題は緩和される。

 

「仕事量」に合わせて「人」も動く必要性

ということで、本来すべての業界でバランスよく人を配置するためには“業界を超えた人の動き”が必要になるということです。

仕事があるところへ人が動く。

考えれば当たり前のことですが、実社会では簡単なことではないですよね。

人材は同じ業界で働きたい。

会社は経験者が欲しい。

同じ業界で働きたくても仕事はない。

経験者が欲しいけど人が足りない。

こうして「人不足」と「人余り」が両立してしまう。

 

では、何が解決されれば業界間の人の行き来が容易になるか?

そのカギが「即戦力化」です。

ポイント

未経験でもすぐに戦力になる教育システムがあれば、未経験採用が可能。

ITや仕組みを使ってアイデアを絞り出すことが大切。

 

「即戦力化」できなければ先細り

逆に即戦力化できなければ、先細りにしかなりません。

変化を起こせた会社だけが生き残ります。

 

大手に集まる人材

しかし残念ながら、即戦力化が得意なのも大手です。

人気があって人が集まりやすく、余裕も利益も生まれやすいから生産性向上のための施策に割ける労力があるんですね。

余計に人材は大手に集まる。中小企業にとっては負の連鎖。

 

では、中小企業はどうすればいいのか?

目の前の利益よりも、先の利益を考えることです。

1年先~3年先を見たときに、

即戦力化できず他業種から採用できない会社だと、細りしかない。

今年我慢して即戦力化やIT化に力を注げば、来年からは楽になる。

よく言う、選択と集中です。

 

あれもこれもやる体力は、中小企業にはありません。

戦略を明確にし、やることとやらないことを決める。

決めたら信じてやりきることです。

 

他業種からの採用が必須

他業種から人を採用できる状況をつくることが大事です。

そのために必要になるのが、即戦力化・IT化のあたり。

人が足りない業界では、経験者が採れないのが当たり前である。

 

それから、どの業界からでもいいわけではない。

“同じように人が足りない業界”から採用しようと思ってもダメですよね。

「人余りの業界」はどこなのか?

まずはその業界を見つけることが大切。

人余りの業界が見つかったら、その人材の特徴を考え育成方針を考える。

ここまで来たら見えてきそうではないですか?

この業界の人材なら、Aの能力はありそうだ。

だけどBの能力が足りない可能性がある。

まずはBの育成方法から作り上げよう!

といった具合に。

まずは他業種からの採用イメージを沸かせることがスタートです。

 

本当に経験者でないと出来ないのか?

一番大事なのはここなんです。

この意識が変わらないと、何も始まらない。

「その仕事、本当に経験者でないとできませんか?」

 

必死で経験者を採用しようと何百万円もかけるより、人が余っている他業界から未経験の人を採用して育てる方が費用対効果がいいかもしれません。

それに経験者を頑張って採用しても、また他に引き抜かれる可能性がある。

育てられる環境さえあれば、未経験で採用するほうがメリットが多い。

資格が必要なら資格取得補助を考え、研修が必要なら一日でも研修を短縮する方法を考える。

一度今までの当たり前を取り払って、出来る方法を考える。

 

経験者が採れないのは当たり前。

そのうえで何をするかを考えるのが、これからの人事・採用の仕事かもしれませんね。

 

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宮内 利亮

《『ココナラ』のキャリア相談実績No.1》 はたらく悩みを解決! 【国家資格キャリアコンサルタント×元人事部長×特性分析アソシエイト】 宮内 利亮を詳しく知る⇒下の「キャリアコンサルタント宮内利亮について」からどうぞ

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