年末や期末が近くなってきたら必ずやって欲しいこと。
それは『総括』です。
振り返りをして記録していくことで、会社では『ノウハウ』に。
個人では『ポートフォリオ』になる。
頑張った今年を少しでも無駄にしないために積み上げたものを形にしておきましょう。
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仕事納めの前には『総括』を
『総括』は振り返りの強化版
『総括』とは、簡単に言えば期間中の仕事をよ~く振り返ることです。
全ての事業活動を洗い出し、何が良かったのか、何が悪かったのか、数字によって明確に振り返ること。
振り返りは軽視されがちですが、何事においてもとても大切なことです。
PDCAで表すなら、僕の場合『D以外は全て振り返り』だと思っています。
期間は様々で、1年で一周のもの・半年で回すもの・毎月・毎日と、大きなPDCAから小さなPDCAまで。
仕事の出来や経営の質は、全てこの振り返りにかかってくると言っても過言ではないと思っています。
中でも、1年という長い期間の方針を決める『総括』は超重要。
業績を上げたいなら、キャリアアップしたいなら、『総括』は必須である!
形に残っていないだけで“なかったことに”なる
総括は、ただの振り返りというよりも“記録に残す”性質があります。
(もちろん普通の振り返りを記録することも大切ですが)
この重要度は、意外と認識されていません。
特にまだ若い会社でガンガン伸びている状態においては、必要性を感じていない場合も多いでしょう。
総括は記録に残す。
今年の経験をなるべく多く踏み固め、階段を作る。
より高く昇るためには“やってきたことを活かす”ことが大切。
仕事においても、何が成果を上げて何がダメだったかを毎年積み上げていくことがノウハウの蓄積です。
もしこれが全くない場合、会社は毎年同じスタートラインから始めるしかない。
人が辞めるとイチから仕切り直しになり、いつまでたっても会社は成長せず、後進が育つスピードも早くなりません。
個人においても、自分のキャリアを積み上げていくことは大切です。
仕事をしている以上、一年かけて何も積み上げられなかったことなんてないはずです。
にも関わらず、転職する時に焦って職務経歴書を書こうとし、「自分には何もない」と思ってしまう。
そんなわけがないんです。
それは“記録していないだけ”なんです。
形に残っていないだけで、なかったことになってしまっている。
まだ思い出せるうちに、なかったことになる前に、しっかり記録を作っておきましょう。
10年経ってから、10年分を一年ずつじっくり振り返り記録するなんてことは不可能ですから。
会社では仕事の、プライベートでは個人キャリアの総括を
総括は2つする!と考えておきましょう。
【会社(仕事)】と【個人(キャリア)】です。
特に個人のキャリアを総括することは、面倒がってしまいやる人が少ない。
誰も強制してくれないですから。
でも、本当に自分のキャリア(人生)を自分のものとしてコントロールしたいなら是非やっておきましょう。
総括は会社だけでなく、個人としても行ってキャリアを積み上げていく。
日本人は今まで、終身雇用に合わせた教育をされてきました。
その結果いい会社に入社することがゴールとされる傾向が強くなり、社会人になってからの積み上げが弱い。
海外では学生の段階から職務経歴書に近い『ポートフォリオ』を作ることが多く、転職することを当たり前として捉え、仕事を積み上げていきます。
すでに日本も終身雇用はほぼ崩壊しているにも関わらず、個人がそれに合わせた動きをしていない状態です。
ほとんどの日本人が思っている以上に、振り返りが軽視されていて、そのおかげで社会問題になっているということを認識しておきましょう。
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会社と個人の『総括』
会社では各部門(職種・店舗など)ごとに総括を
会社においては、全社でではなく部門ごとで総括を行いましょう。
部門ごとに狙うべき数字は異なります。
それなのに一緒に総括してしまうと、“遊んでしまう部署”が出来てしまいます。
特に間接部門の総務や人事など。
少し離れた地域にある店舗や、少数派で売り上げも少ない業態の店舗など。
無駄な部門を抱えている余裕は会社にはないはずです。
どんな会社のどんな部門でも、必ず等しく価値があると考え、等しく振り返りをしていきましょう。
必ず全ての部門(全社員)で総括(振り返り)をする。
上手くいっていない部門は、何がいけなくてどうしたら上手くいくか。
上手くいっている部門は、どうしたらもっと良くなるか。
成果が上がっているからしなくていいなんてこともありません。
個人では今年積み上げたキャリアを明確に
個人では、まず一年間積み上げてきたものをとにかく洗い出していきましょう。
この時、いくつかの系統に分けて書いていきます。
- 担ってきた役割(役職・部門・職種)
- 取った資格・講習・検定
- 学習歴(学んだこと・読んだ本・受けたセミナー)
- 職務内容
- 成果、成果物
これらが自分の一年積み上げてきたキャリアです。
経験、体験、出来ることとして表現できるものというわけですね。
この中で『職務内容』が一番信ぴょう性の高いキャリアになります。
なので、期間もしっかり記録しておきましょう。
それから、それぞれの職務において『学んだこと、得られた知識・技能』を追記しておきましょう。
何が出来る自分なのかを、信ぴょう性の高い情報として記録していく。
「〇〇ができます!」だけだと、あまり信じられないですよね。
だけど、「〇〇を〇年経験し、〇〇を学んできた〇〇が出来る者です!」なら信ぴょう性がある。
意外と成果だけだと、それがどのぐらいすごいのか伝わりづらいので注意です。
『ポートフォリオ』が必要な社会
ここまでしっかり総括をしておけば、職務経歴書というよりも『ポートフォリオ』と言えるものになっています。
これからの社会は、個人のポートフォリオがとても大切になってきます。
人口が減り、職業が多様化していく今、会社にとってはとても厳しい状況と言わざるを得ません。
社会における商品の価値はめまぐるしく入れ替わり、何でも売れる時代でもなくなってきている。
今までは守れた従業員が守れなくなる可能性はとても大きくなっています。
終身雇用は通用しなくなり、会社が苦しくなれば人は出ていくしかありません。
そんな中でも強く生き抜いていく力を、私たちは持たないといけない。
今まで無駄にしてきたかもしれない過去を漏らさず積み上げ、フル活用していきましょう。
じつは小学校でも2020年から『キャリアパスポート』というものが導入されました。
これがいわば、子供たちのポートフォリオです。
社会はすでに、“積み上げが出来る子供たち”を作ろうとしています。
私たち大人が乗り遅れている場合ではありません。
まずは今年の総括から!
しっかり記録して積み上げていきましょう。