僕は採用業務を10年以上やってきました。
「採用業務だけやっているとキャリアが詰む」と言われているのは本当か?
これはある意味合っていて、ある意味間違いではないでしょうか。
なぜそう言われるのか?どうしたらキャリアが詰まずに済むんだろうか?
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採用だけだとキャリアが詰むのは?
営業しないから
まず、採用だけだとキャリアが詰むと言われている理由を考えてみましょう。
第一に言えるのが、売り上げを上げる部門ではないということがあります。
『営業をしないから』ですね。
確かに、物を売りに行ったり接客をしたりすることはない。
でも僕はこう思います。
営業は売り上げに繋がるものだけじゃない。
その他の営業もしないからいけないんだ。
採用担当も営業をすればいい。
採用活動というのは、求職者・学生・学校などに自社の良さを分かって頂く活動です。
自社の良さをアピールし提案する営業そのものです。
ただ売上が上がらないだけなんですね。
マーケティングしないから
また、採用業務は物を売らないため『マーケティングをしない』から。
いざ他の職業になった時に売り方が分からず、全く成果を出せないのではないかと。
でも、本当にそうでしょうか?
採用活動は企画段階から始まっています。
ターゲッティングから始まり、採用コンセプトの設計、媒体選定やキーワード設定をする。
KPIを設定し効果測定をして、常にPDCAを回していく。
採用全体に携われば、マーケティング活動ばかり。
顧客が求職者になるだけです。
求職者の心理を採用フローすべてのフェーズで感じ取る力も試されます。
数字を追わないから
『数字を追わない』ため、社会の厳しさを知らないから?
確かに利益は出すことができないし、経費を使うばかり。
でも、数字に追われていない採用担当は、成果地点やプロセス目標を数字に起こしていないからです。
戦略的に採用活動を進めていくのであれば、必ず数字はついて回ります。
採用数、内定数、選考数、母集団数・・・
着座数、参加人数、通過率、予算、離職率・・・
採用担当も数字が全て。
むしろ数字のないところに数字を生んでいくため、数字に強くなってもおかしくありません。
明確な利益に表せないからこそ、数字を追おうとロジカルに考える思考を鍛えることができます。
人を見ないから
採用をやっていて一番積めるキャリアは、対人スキルだと言われることが多いです。
(僕はそんなことはないと思っていますが)
キャリアが詰むと考えるのは、『ちゃんと人を見ていない』からじゃないですか?
ちゃんと人を見ようと思うと、ただ面接のスキルを磨くだけでは全然足りません。
カウンセリングスキル、心理学やマネジメント、人物像の分析などの勉強、などなど。
人に教えるとお金をもらえてもおかしくないぐらいの知識が身に付きます。
人をちゃんと見ようとすると、大量のスキルと知識が必要。
これだけでも積めるキャリアは大きいですが、他のものと合わせるとかなりの成長幅を見込めるはずなんです。
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ちゃんとやってればゼネラリストに
全てに通じる振り返りサイクル
営業、マーケティング、数字、人。
採用活動の範囲は、じつはかなり広いんだということが分かって頂けたでしょうか?
でも本当に社会人としての成長を考えるなら、これらの活動をひっくるめて“振り返りをするサイクル”が一番重要だと思います。
採用活動の振り返りは様々な周期で行います。
- 採用期
- 期(年)
- 半期
- 四半期
- 月
- 媒体掲載期間
- イベントごと
このそれぞれのサイクルで、数字を取り、事実を検証し、要因を考え、施策を導き出します。
全ての仕事に通じるフレームを、大量の周期・種類で回すことになる。
この振り返りの枠組みというものは、仕事が変わっても同じです。
どんな仕事をしていたとしても同じように振り返りを行えば、加速度的に数字を伸ばすことができる。
“ちゃんとやれば”です。
仕事の回し方の基本中の基本が学べるため、どんな仕事にも通用するゼネラリストが育つ環境になります。
そう言う意味では、他の職種よりも幅広いキャリアが見通せる仕事なのではないでしょうか。
言われたことだけやってちゃダメ
『採用だけしているとキャリアが詰む』というのは、言われたことだけやってしまうからかもしれません。
それだと確かに、成長がありません。
(どんな仕事でも一緒かもしれませんが)
特に採用は、“責任を感じづらい”仕事です。
ダメでも利益が直接減るわけではありませんから。
だからダラダラやってしまう人も少なくないかもしれない。
だけど、本当は会社にとって最も重要な資源である“人”をつくる『資源創出部門』です。
つまり、どんな仕事よりも責任は重たいと思っていた方がいい。
責任を受け止め、自ら考え自らを追い込み、自ら施策を生み出す人のキャリアが詰むはずがない。
強制力が弱い仕事だからこそ、自分の成長は自分で促す。
自分のキャリアは自分で築いていくんです。
いずれ来る変化のために成長する
そもそも採用業務というのは、会社に人が足りないからするものです。
ということは、安定的に人が入ってくるようになったら採用担当の数は減らしていい。
もっと言うと、採用担当ゼロが一番理想的なわけです。
つまり採用を仕事とする人は、必ず仕事が変化することを意識しておきましょう。
なので今の仕事を全力で行い、今回上げたような成長を自分に促していくことが大切です。
でも実はこれ、採用担当だけではないですよね。
入社してずっと同じ仕事をし続ける人なんて、ほんの一握りです。
『〇〇だけじゃキャリアが詰む』というのは、どんな仕事でも言えることではないのでしょうか。
採用は他の仕事よりも変化を意識しやすい仕事。
採用の仕事を使って、他に行ってしまったら出来ない経験を積んでいきましょう!
詰まないけど、積めます!