「なんでも自分で決められる」というと優秀な人、大人な人という印象があるかもしれません。
だけど、それは全く逆。
全部自分で決めるということは、他の意見を聞かないということ。
これは“若さ”であり、チームと自分の成長を止めることに!?
相談の力とは?
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「なんでも自分で決められる」の弊害
『自分が正しい』の前提が抜けない
「なんでも自分で決められる」というのはスゴイ。
確かに、「なんにも決められない」よりは全然成長しているということですね。
だけど、社会で生きていくうえで何でも自分で決められると思ったら大間違い。
人の中に溶け込んでいくことが社会であり、社会の中で役割を果たしていくことが社会人です。
周囲とのコミュニケーションなしに自分のスタンスは確立しないものです。
特に『自分が正しい』という前提がいつまでも強く残りすぎていると非常に残念な結果になります。
例えば定年間近の営業部長などはどうでしょう?
「営業は足で稼ぐものだ!」と飛び込み営業を片っ端から続け人件費を浪費していく傍ら、同じ広告料をインターネットで使い倍の売り上げを上げる若い人がいたら。
もちろんそんなに簡単なことではありませんが、若い人の中には「いつまも古いやり方をしているからダメなんだ…」と思っている人もいるのではないでしょうか。
柔軟な変化が難しい
意思決定をずっと自分の枠の中で行っていると、自分の知っていることの中からしか判断材料が生まれません。
意思が固いという点では良い事にも思えます。
しかし、周囲の情報を遮断することはただ「めんどくさいだけ」の自己満足です。
周囲からの情報・意見を取り入れれば、恐ろしいほど簡単に有力な判断材料が手に入る。
『自分が正しい』という前提はせっかくの有力情報を捨て、さらに情報量を減らしてしまうんですね。
結果、これほど変化の激しい世の中で柔軟に変化していくことが出来なくなってしまいます。
注意ポイント
「人を信用できない」とか「最近誰にも相談してないなあ」と思ったら要注意!
「よりよく」の進化を起こせない
またチームや会社の中においては、個人プレーになりがちです。
独りで実績を上げないといけない環境なら仕方ないですが、基本的に全体にとってはマイナスが多いです。
集団の力というのは、“智の結集”によって生まれます。
一人で10回失敗して10回学ぶものを、10人が1回ずつ失敗して共有すれば1/10の時間で済みます。
会社の一番の強みはまさにそこで、“学ぶスピードが桁違い”だということにあります。
しかも情報は蓄積できる。
どんどん行動し、検証し、学び続けていく。毎年毎月進化を積み重ねていける。
常に「よりよく」なり続けるのが、会社という最強の存在です。
それなのに、「なんでも自分で決める」人が会社にいたらどうでしょう。
会社の進化を止めてしまうんですね。
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【相談】できる人は自分を超える
相談は『新しい思考プロセス』を手に入れる
では、【相談】が出来る人はどうなることが出来るでしょうか。
相談をすることで自分にはない考え方、『新しい思考プロセス』を手に入れることが出来ます。
個人においても、組織においてもです。
新しい手法を取り入れていく会社は、時代に応じて進化を続けます。
逆にいつまでも古いやり方を頑固にやり続けていると、いつの間にか時代に取り残されている結果になります。
一人の人も、同じことが言えるんですね。
新しい思考とは、組織で言えばPDCAシステムの導入やコミュニケーションツールの導入です。
個人で言えば、「そんな考え方もあったんだ!」ということ。
戦時中の話を聞けば、今は幸せだなあと思えたり。
アイデアを出すためにマインドマップを描いてみたり。
真実を見極めるために「誰の利益か」を気にしてみたり。
「なるほど、だからこういう判断をするんだ」と理解できるようになったり。
世の中には自分の知らない思考プロセスが途方もない量存在しています。
「自分が正しい」と他の可能性を削ってしまうのは、あまりにもったいないことですね。
相談は『自分をアップデート』していく
思考プロセスを知ったり、理論や方程式を知るということは『自分をアップデート』する感覚です。
スマホには必ず“アプリ”を入れると思います。
LINEやYouTubeはスマホが変わってもずーっと使い続けていますね。
ゲームも昔では考えられないぐらい、何年もやり続けているものがあるかもしれません。
なぜそんなに飽きないのか?
新しいものに取って代わられないのか?
『アップデートし続けているから飽きない』に違いありません。
人が成長するためにも、外部から情報を入れないといけません。
この情報を拒否していたら、いつまでもアップデートできない。
自分から相談に行ける人は優秀だし、ぐんぐん伸び続けることが出来るんです。
「なんでも自分で決める」人はいずれ成長を止め、
「困ったらプライドを捨てて相談できる」人は成長を止めない。
年齢を重ねるごとに、恐ろしいほど差が出来ていきます。
相談は『チームにシナジー』を起こす
チームや会社の中で相談をすることにも大きな価値があります。
まさに『シナジー効果』と呼べるもの。
1+1=2ではなく、3にも4にもなるということです。
ブレインストーミングという言葉を聞いたことがあるかもしれません。
本当にすごいなもので、みんなが出した意見をみんなが受け入れるだけでは終わらない。
「だったらこれはどう?」と、全く新しい方法が生まれる。
そしてほとんどの場合、この新しい意見が採択される。
相談は、誰も考えていなかった方法を生む力になる。
相談をするという行為は、相談した側にだけメリットがあるわけではなく、相談を受けた側にもメリットがあるということです。
ひいては会社全体のためになる。
人間の歴史をひもといても、情報の共有によって進化してきたことは明らかです。
もしそれがなかったら人間はいまだに言葉も持たない原始人のまま。
自分を信じる段階が終わったら、次は他者を信じる番ですよ。